Box
ボックス
Box - ユーザー事例 - 埼玉県様
県の目指すDX推進計画の実現に向けて「Box」「Okta」を導入、ペーパーレス・テレワークを促進
- 情報資産を電子化し、ペーパーレスの実現
- コンテンツの保管場所が一元化され、管理や検索性が向上
- ISMAP対応、閲覧・ダウンロード等のログ取得によるセキュリティ強化
- 多要素認証で庁外からのクラウドサービス利用時のセキュリティ強化
- 複数ソース（LDAP, CSV）からユーザー情報をインポート、クラウドに統合
- 99.99%の高い可用性と日本法への準拠
埼玉県
企画財政部 行政・デジタル改革課 DX推進担当
上田 真臣氏
DX推進計画のもと、テレワーク・ペーパーレス基盤の整備
首都圏の中央に位置する埼玉県。恵まれた立地や多くの人口などの諸条件を活かし、平成30年度の県内総生産は23兆2541億円と全国5位の経済規模を誇る。現在は、県民誰もが生き生きと活躍できる「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現に向けて、さまざまな取り組みを行っている。
その一環として同県は、2021年3月に行政のデジタル化や社会全体のデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進する上での方針や施策を定めた「埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画」を策定した。同計画では、行政のデジタル化を着実に推進するとともに、社会基盤としてのデジタルインフラを浸透させることで「社会全体のDX」を実現し、快適で豊かな真に暮らしやすい新しい埼玉県への変革を目指している。
計画の骨子を成すのが、9つの基本施策と3つの共通施策である。基本施策は、県民サービス施策、事業者サービス施策、行政事務施策に分かれており、そのうち行政事務施策では、ペーパーレス化、テレワーク、AI活用などを通じた「行政事務のデジタル化」、各種システムのクラウド活用の推進、共通仕様等の標準化推進を通じた「システムの標準化」などを打ち出している。企画財政部 行政・デジタル改革課 DX推進担当の上田真臣氏は「各施策の実現にはITインフラの変革が不可欠ですが、業務のデジタル化を通じて業務プロセスを見直し、ワークスタイル変革に繋げていくために必要となる具体的なソリューションが、ペーパーレス支援ソフトウェア、ファイル管理システム、Webコミュニケーションツール、そして各サービス利用の入り口となる認証システムでした」と語る。
これまでのシステムは、プライベートクラウドの環境で運用しており、庁内情報資産へのアクセスに課題があった。また、ファイルサーバーは職員１人当たり5GBの容量を割り当てていたが、容量が不足するケースも多く、動画のような大容量のファイルが保存できないという問題があった。また、現在の環境では容量を追加するにもコストがかかるため、各部署が独自にNASを追加し、しのいでいたケースもあったという。しかしこれではファイルの保存場所が分散してしまうため、データの検索が非効率になるほか、セキュリティ上の懸念もあった。「今回の調達には、こうした問題を解決したいというねらいがありました」（上田氏）
技術評価を重視した入札のもと、「Box」「Okta」の採用が決定
埼玉県は、2021年4月に「県庁デジタライゼーションツール導入業務委託」に関する総合評価方式による一般競争入札を実施。最終的にNECネッツエスアイが受託者として選定された。同社の提案は、マクニカが提案したコンテンツクラウド基盤「Box」、クラウド型ID管理・統合認証サービス「Okta」のほか、Webコミュニケーション、ペーパーレス支援ソフトウェアで構成されている。
埼玉県が総合評価を行う際、特に重視したのが技術評価だ。ファイル管理システムについては、連携製品の多様さ、セキュリティ対策、シンプルな使い勝手、検索性、拡張性などがポイントになった。Boxはこれらの点で優れていたのはもちろん、マクニカが独自に開発したプロビジョニングツール「Hakonnect」の存在もあったという。Hakonnectは、Boxのアカウント管理、フォルダ作成、アクセス権付与を、職員の入庁や退職、組織改編に合わせて自動化できる。
「県庁では定期的に大規模な人事異動がありますし、それ以外にも人の入れ替わりがしばしば発生します。こうした人事異動に連動してアカウント管理できる上、部・課といった複数の階層を踏まえたフォルダ作成など、グループ設定を柔軟且つ自動的に行える点が魅力でした」（上田氏）認証システムについては、実績、セキュリティ関連の認証制度の取得のほか、クラウド型であることを重視し、調達仕様にはIDaaSと明記した。今後、クラウドサービスの利用が拡大していくことを考えると、認証システムもそうしたサービスの進化にしっかりと追随できるクラウド型にすべきと考えたのだ。また、クラウド型であれば、バージョンアップにおける設定変更など、運用負荷に煩わされることもない。採用されたOktaは、AD連携だけでなく、LDAPサーバーやCSVなど、複数の情報ソースからユーザー情報の取り込みができる点が高く評価された。
そして、Boxは国内にデータセンターを置く日本リージョンの指定によりISMAP準拠という形で提供され、利用規約は日本法に準拠している。同様にOktaも利用規約に関しては日本法に準拠している。これらの点も製品を採用するに当たり欠かせなかったポイントであった。なお埼玉県では、入札前の情報収集の段階で、マクニカにBox、Okta、そしてそれらと連携する製品について問い合わせを行っている。「導入作業を進める過程において、既存システムとの連携に苦労し、仕様変更による設計変更もたびたび発生しましたが、マクニカは迅速かつ適切に対応してくれました」（上田氏）
柔軟性に優れ、使い勝手も良く、運用負荷も軽減
今回、埼玉県が導入したBoxのライセンス数は13,100にも上る。「オンプレミス型のサーバーから、クラウドストレージ機能を併せ持つクラウドのコンテンツ管理に移行したことで、容量が実質的に無制限となり、ファイルを気兼ねなく保存できるようになったことは大きなメリットです。また、検索も非常に容易であるだけでなく、版管理によりいつでも最新版が表示され、必要なファイルを誰でもすぐに探し出すことができます」（上田氏）加えてクラウドへの移行で、ストレージ機器の管理、設置場所の確保などが不要になり、運用面でも負荷の軽減につながる。「クラウド化はBCP対策など可用性の面から見ても効果的です。災害などの理由により職員の登庁が難しくなっても、テレワークで業務を継続できる環境が整備されたことで、事務作業のみならず、県民サービスを滞らせずに済むと考えています」（上田氏）
さらには、履歴をしっかり確認できる点も評価のポイントだ。ファイルに対してアクションを実行したユーザーとその内容が7年間記録されるので、詳細な監査ログとしても利用できる。これにより、セキュリティの強化が期待できる。一部システムはこれまでのシステムで行われていたような県庁内からのアクセスに限定する運用だけでなく、庁外からインターネット経由でダイレクトに利用できる環境を整えた。Oktaによる多要素認証の実装により、セキュアに利用できるようになったためだ。
「テレワークでも安心してコミュニケーションできるようになったことで、業務は確実に変化しています。出張の削減など、移動や準備にかかる時間とコストが削減されましたし、クラウドでのファイル共有が進んだことで、上司の承認を得るまでの時間も減り、スピーディな意思決定が可能となります」（上田氏）Oktaは、IDの元となるユーザー情報をActive Directoryだけでなく、LDAPサーバーやCSVから取り込むことが出来る。職員の人事情報がLDAPサーバーとCSVに点在する埼玉県では、この機能をフル活用しIDを管理している。「利用するサービスが増えてもユーザーが行うログインの手間は増えないシングルサインオンのサービスのため、今後クラウドサービスの利用が拡大していけば、ますます利便性が高くなると思います。また、定期的に発生する人事異動の際にも、スムーズにIDを作成・管理することが出来ています。サービスの増加・ユーザーの変化に欠かせない基盤になると思います」（上田氏）
ペーパーレス化により億単位のコスト削減を目指す
埼玉県はペーパーレス化について、トライアルとして実施したモデル部署で90.8％の削減（2021年4 ～ 9月、令和元年度比）を達成している。
「今年度下期（令和3年10月～令和4年3月）では、対令和元年度比で50％の削減。来年度は60％の削減を目標としています。紙に加えて、印刷コスト、保管場所、ハンドリングなどを合わせると億単位でコスト削減できる見込みです。そのためにも、事務作業のさらなるデジタル化が不可欠ですが、それには業務プロセスの見直しも必要です。今後は、デジタル化を前提とした事務処理にシフトするなど、意識改革にも取り組んでいきたいと考えています」（上田氏）
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埼玉県 |
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| 所在地 | 埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1 |
| 導入時期 | 2021年10月 |
| URL | https://www.pref.saitama.lg.jp/ |
| 首都圏を構成する県の一つであり、推定人口は都道府県別で全国第5位（7,336,455人、2022年1月1日現在）。荒川や利根川などの豊かな河川、秩父の美しい山並み、見沼田んぼや武蔵野の雑木林をはじめとする自然に加え、「交通の要衝」として都市の賑わいと便利さを併せ持つ。全国有数の農業県でもあり、世界に誇る伝統や文化も多数。 | |
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