GitHub

ギットハブ

GitHub - ユーザー事例 - ROUTE06様

全社ワークスペースに活用中のGitHubをEnterpriseプランへ移行
情報の流通性が高まり、セキュリティの水準も向上
Before
  • 社内でも秘匿性の高い情報をRepositoryで取り扱っていたため、管理操作は役員が行う必要があった
  • 社内のドキュメントやタスクを複数のツールで扱っていたため、情報の管理に課題を感じていた
  • 会社全体のセキュリティを高めていくことが求められていた
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After
  • Organization、Repositories、Projectsへのアクセス権を個別に管理可能になった
  • Slack連携により、Slackを見るだけで会社全体での大きな動きや個別の業務を俯瞰できる環境が実現した
  • 高い水準での情報の流通性とセキュリティを両立
小西 智也氏

取締役
小西 智也氏

川原 隼氏

CRE(Corporate Reliability Engineer)
川原 隼氏

長澤 優美氏

CRE(Corporate Reliability Engineer)
長澤 優美氏

企業規模の拡大やステークホルダーの増加に対応するため、全社ワークスペースをNotionからGitHubへ移行

大手企業のビジネスモデル変革を支援するDXパートナー、ROUTE06(ルートシックス)。同社は、支援する企業の複雑なビジネス課題を解決するため、エンタープライズ向けAPIプラットフォーム「Plain」を開発。この「Plain」の提供を軸としたプラットフォームサービスと、実践的なアジャイル開発による事業支援を行うプロフェッショナルサービスの2つを掛け合わせてビジネスを展開している。

同社では、近年の働き方やライフスタイルの多様化に合わせ、メンバーの勤務する場所や時間が異なっていても、効率的に仕事ができる環境づくりに力を入れてきた。勤務形態についても設立から一貫してフルリモートが基本で、60名強の全従業員のうち約半数が首都圏以外に在住しているという。取締役の小西智也氏は「北海道から沖縄まで全国に従業員がおり、必要がなければ出社は任意となっています。また、従業員の半数以上がソフトウェアエンジニアで、プロダクトマネージャーやデザイナーを含めると、約7割がプロダクト開発に関わっています。」と説明する。

同社はこうした働き方を実現するため、創業当初からドキュメントの作成・共有・管理の情報設計を大事にしてきた。創業から2年ほどは、ワークスペースとしてNotionとGitHubを並行して利用、社内のドキュメント管理やタスク管理でそれぞれのサービスを幅広く活用しており、さまざまな業務情報が蓄積されていた。

それぞれのサービスを組み合わせることで、比較的円滑に情報が共有されていたが、今後の組織規模拡大や業務への向き合い方を考えたときに、このタイミングでより良い仕組みを再構築していく必要があった。

そこで2022年1月、同社は全社のワークスペースをGitHubへと移行することを決定した。GitHubを採用した理由は、機能と使い勝手に多くのメリットを感じたからだという。CREの川原隼氏は「GitHubはソースコード管理に留まらず、あらゆる業務に活用できます。GitHubはドキュメント管理やタスク管理にも適しており、Pull Requestのフローを取り入れることで、全ての変更差分および議論過程がコメントとして蓄積できます。後から来た人もその経緯を確認でき、気になる点があれば誰でもコメントやドキュメントに変更提案ができるため、情報の鮮度と質をチームで担保できます」と語る。

同社では全従業員がGitHubのアカウントを持っており、開発のみならず、コーポレートなどの業務においてもGitHubを利用している。導入の効果にはさまざまなものがあり、例えばドキュメント作成がGitHubに一本化されたことで、社内の情報共有のあり方が大きく変わった。Code、Issues、Discussionsをドキュメント作成の目的に合わせて使い分けしており、社内の全部門が同じフォーマットで仕事をしている。これにより、部門・業務をまたいだ情報共有やコラボレーションがスムーズになった。Slack連携もカスタマイズ性が高く、リポジトリごとのドキュメント作成や変更差分更新などをSlackの各チャネルに自動通知することで、Slackを見ていればGitHub上の動きも検知できるという環境を構築できた。

秘匿性の高い情報をしっかり隔離できる GitHub Enterpriseプランに切り替え

ROUTE06は2年弱の間、GitHub社と直接契約でGitHub Teamプランを利用してきたが、2022年11月、国内唯一の認定ディストリビュータであるマクニカを通じて、GitHub Enterpriseプランを導入した。その理由について、小西氏は次のように説明する。
「当社はこれまで、社内では情報をできるだけオープンに流通させる方針をとってきました。しかし一方で、秘匿性の高い情報についてはしっかり隔離できる、強固なセキュリティも実現する必要があります。全社ワークスペースとして活用している以上、情報の一元管理という環境は崩したくなかったので、これを実現するためには、TeamプランからEnterpriseプランに切り替えるのがベストと考えました」

従来は、GitHubの Repository 内に社外秘情報や経営情報などがすべて含まれていた。いくら情報システムを管轄する部門の人間といえども、そうした情報にアクセスできるのは問題があるため、GitHubの管理操作は役員が担当しており、お互いに負担がかかっていたという。
「その点、EnterpriseプランはOrganizationを複数持つことが可能です。これなら、経営情報をはじめ個人情報、人事情報などを権限に応じて分割できますし、社内のオープンな情報を取り扱うOrganizationを作成することで、情報システムの管理者やエンジニアが操作、管理できます」(小西氏)

また、社内向けハンドブックをGitHub Pagesのプライベートで公開できるのも、Enterpriseプランのメリットだ。
「これまでハンドブックは従来のワークスペースであるNotion上にありました。2022年12月より、GitHub Pagesを活用した社内向けハンドブックの運用を開始しています。全ての情報がGitHubに集約されることになり、業務とドキュメント管理が密接な関係となりました。今では、追加や編集が日常的に行われて会社全体で共有される情報量が増え、情報の鮮度も保たれるようになりました。」(小西氏)

秘匿性の高い情報をしっかり隔離できる GitHub Enterpriseプランに切り替え

社内における情報の流通性が一段と高まる/セキュリティ水準の向上も実現

現在、ROUTE06では全ての従業員とパートナー、約110ユーザーがアカウントを保有しており、希望者にはAIがプログラミングを支援するGitHub Copilotのライセンスも付与している。今回のGitHub Enterpriseプランの導入により、同社における情報の流通性はさらに高まった。CREの長澤優美氏は「エンジニアも非エンジニアもGitHubを使って同じフォーマットで同じようにタスク管理と業務をしているため、部署をまたいだコラボレーションがやりやすくなりました」と語る。

一例を挙げると、社内向けヘルプデスクのチケット管理は全て専用リポジトリ内のIssueで行っている。Issueの内容はSlack連携によってSlackの対応するチャンネルへ投稿されている。これらGitHubの活動内容を通知するチャンネルは全社員が閲覧可能な設定になっている。
「ヘルプデスクとして寄せられた問い合わせについて、必ずしも私たちが全て対応している訳ではありません。時には知見を持ったメンバーから有益な回答が寄せられ、それが決め手となり解決することもあります。社内の情報をオープンにすることを心がけているからこそ、お互いに助け合う環境ができました」(川原氏)

もう一つ、Enterpriseプランの大きな特徴が、強固なセキュリティだ。
「Enterpriseプランは、Public Repositoryの作成を禁止できたり、IdP連携が可能になったり、監査ログがしっかり取得できます。プロダクトセキュリティの一環として、GitHub Advanced Securityも導入しました」(川原氏)
「当社は大手企業の先進的なDX案件を支援する会社である以上、自分たち自身が最もDX化された組織を目指し、会社全体の思想や仕組みをアップデートし続けるべきであると考えています。そのために、最先端の業務効率化にチャレンジしていく方針であり、上場企業レベルまで社内のセキュリティ水準を高めたいと考えています。それがEnterpriseプランへ移行した理由にもなりました。現在当社は、ISO/IEC 27001:2013の認証も取得しており、今後はSOC2の認証も取得予定です。Enterpriseプランのおかげで、対外的にも胸を張って当社の情報共有の在り方を宣言できるようになりました」(小西氏)

さらに、ディストリビュータであるマクニカのサポートにも助けられているという。
「通常のベンダーなら回答に何日もかかるのが普通ですが、マクニカはその日のうちに返事をくれます。その内容も適切で、画面キャプチャが添付されるなど、とてもわかりやすい回答なのがうれしいですね」(長澤氏)

GitHubのさらなる活用によりワークスペースの充実を目指す

ROUTE06は今後、これまでの利用で見えてきた課題について改善しつつ、さらにGitHubを活用していく方針だ。
「GitHubはメンバーやコラボレーターが増えれば増えるほど、チームとしての利便性が高まるツールだと思います。今後は状況に合わせて手法や範囲を改善しながら、ワークスペースとしていっそう充実させていきたいと思います。まずはPull Requestの機能を活用し、社内稟議のプロセスを効率的に処理できる仕組みを作っていきたいですね」(小西氏)

株式会社ROUTE06
URL https://route06.co.jp
2020年1月設立。大手企業のビジネスモデル変革を支援するDXパートナーとして、エンタープライズ・ソフトウェア基盤の提供とアジャイルでの事業化支援によって商取引のプラットフォーム化を実現し、新たな企業価値を生み出すことに貢献するべく事業を行っている。

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株式会社マクニカ  GitHub 担当

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