【展示会レポート】第4回 AI・人工知能EXPO【秋】に出展しました!



2023年10月25日から27日の3日間、幕張メッセでNEXTech Week 2023【秋】が開催されました。
同イベントではAI・ブロックチェーン・量子コンピューター・デジタル人材育成サービスなど、昨今話題の最新テクノロジーなどが一同に介し、それぞれに特化した展示会が並行して行われました。

本記事ではその展示会のうち、「第4回AI・人工知能 EXPO【秋】」における、マクニカブースの展示物や催し物をご紹介します。


▲今回は開放感のあるブースに。会期中、非常に多くのお客様 が足を運んでくださいました!
▲マクニカは「AI」と「脳波」をキーワードに、独特な展示・デモ・プレゼンを行いました。

毎度もれなく人だかり!『 初めてでもわかる!”脳波AI” プレゼン』

マクニカブースで大きな注目を集めていたのが、プロの展示会プレゼンMCによる脳波AI”のプレゼンテーションです。
こちらは会期中、毎日複数回実施していましたが、そのたびに下の写真のような人だかりができるほどの大反響でした。
プロの展示会プレゼンMCのとにかくわかりやすい説明もさることながら、“脳波やAI”といった最新テクノロジーに対する、お客様の関心の高さが垣間見えました。



ここからは注目のプレゼンテーション内容を凝縮し、簡潔にまとめました。


【国内におけるAI市場の状況】
2021年時点で、約11,000億円の市場規模(実績ベース)
2027年時点で、約2兆円(約6年で2倍)の市場規模(予測ベース)

AIが活用される主な業種】
2023年まで … 金融業のシェアが大きかった(貸付判断、株価予測など)
2024年以降 … 製造業のけん引が進む(生産工程支援など)

【生産工程支援の具体例】
■機器異常検知(モーターの異音など)
■外観検査ソリューション(製品の形状、汚れなど)
→ しかし現在、外観検査ソリューションのAI導入に課題が生じている

【現状の外観検査ソリューション×AIの課題】
■判断にバラつきが生じるものと相性が悪く、AIの学習が進みづらい
(例:トマトの成熟度は熟練者でないと判断が難しい など)

 → この課題を解決するために、AIの学習方法を見直す必要がある

AIの学習方法(教師データのラベリング)】
■ハードラベル方式(例:トマトの色で甘い、渋いを1か0でラベリング)
■ソフトラベル方式(例:「確信度スコア」という数値で甘い、渋いの段階を細かくラベリング)

 →後者は精度が高いが、数値を細かく割り振る特性上、学習にかなりの時間が必要…
  そのため実際には前者が使われることが多いものの、こちらは精度に課題がある…
  そこでAIの精度をより高める突破口として登場したのが、「脳波AI」!


【”脳波AI”の活躍】
■空港の“手荷物検査”などで利用されており、脳波の動きをもとにラベリングを実施
(例:熟練者が次々と表示される画像を見て危険物の有無を判断し、データを収集)

判断が難しい微妙なものでも、学習データを上書きすることで精度アップが可能



【さまざまなユースケース】
■”脳波AI”は、さまざまな業界での活用が見込まれる

プレゼンテーションの紹介は、ここまでとなります。
会場アンケートでは「脳波AI”という単語は初耳!」という方が大多数でしたが、今後は技術の進歩とともに、より広く知られていくことは間違いないでしょう。

自ら体験できる、2種類の”脳波AI”デモ

マクニカブースでは、お客様が実際に体験できる2種類の脳波計測デモをご用意していました。

①暗黙知に基づく検査作業を、“脳波×AI”で自動化『SenseI』

1つ目は、InnerEye社が開発したソフトウェア、SenseI(センスアイ)を使ったデモです。
参加者は“EEG(脳波計)”というヘッドギアを装着し、「画面に次々と映るレモンの状態を見て、良品か否かを判別する」という内容でした。

SenseIでは、プロの職人や技術者が目で見て判断しているときの「確信度」を脳波から取得し、1秒間に3枚のペースで画像にラベル付けをします。
そのラベルをAIに学習させることで、熟練者の判断を継承した高精度のAIモデル構築ができ、現状では製造業での検査工程や、空港での手荷物検査などに活用されています。
また、今後起こるとみられるAI開発人材や技術の不足、ベテランの高齢化およびリソース不足、判断基準の属人化の解消などにもSenseIが役立ちます。

▲SenseIは展示に加え、ステージでのスタッフによる実演も行われました。こちらも、多くのお客様が興味津々でご覧になっていました。
▲さまざまな状態のレモンを画像で見たあとに出力されたグラフ。痛んだレモンが表示されたときには、赤い線が大きく動いています。

②人と車をつなげる”脳波x感情分析”『Sense Plus』

▲ドライビングシミュレーターによる“脳波×感情分析” デモの様子

2つ目は、ドライビングシミュレーターとInnerEye社のソフトウェア、SensePlus(センスプラス) を使ったデモです。まず“EEG(脳波計)”を装着し、目を閉じた状態の脳波を2分間で測定。次にシミュレーターで仮想の運転を行ってもらい、「総合的な集中力」「運転に対する集中力」「疲労度」の3つを測定するという内容でした。いかにも「車を運転できます!」という楽しそうなデモ機材がお客様の目を引くこともあり、取材時点ですでに予約がいっぱいの盛況ぶりでした。

SensePlusでは、“脳波”を用いてドライバー・同乗者の“感情”や“認知状態”を解析し、それらを“数値データ”として可視化できます。そして、収集したデータを危険判断システム開発・ブレーキ改良・自動運転アシストなど、さまざまな開発用途に用いることが可能です。

上のグラフ:総合的な集中力

中央のグラフ:運転時の集中力

下のグラフ:疲労度

▲測定したデータを表示するモニター。左側で上下している線グラフが、脳波の動きを示しています(上から順番に、総合的な集中力・運転時の集中力・疲労度)。
グラフでは対象者が目を閉じているとき、運転しているときなど、状況に応じた脳波の違いを確認できます。


このデモでは、「スマホを見ながら運転したとき、脳波はどうなるのか?」という実験も行いました。
グラフ右端の部分に小さな山ができているところは、運転者の注意力が乱れたことを示しています(Low Attention Alertの赤点線を超えると、注意が必要)。

Small Win&Quick Winでお困りごとを解決!

ここからはマクニカブースに展示していた今回のもう1つの柱、お客様の課題解決に役立つ、“AIなどを活用したソリューション”をご紹介します。

音声入力だけで、手軽にドキュメント作成『おまとめ忍者』

「いつも議事録や日報を作成しているけれど、時間がかかって仕方がない……」そんな皆さまのお悩みを解決すべくマクニカが開発したのが、音声入力だけで手軽にドキュメントを作成・要約できる、おまとめ忍者です。

おまとめ忍者には「普通モード」と「会議モード」の2種類があります。前者では対面での会話や自分が喋った声を(おまとめ忍者が自動的に)書き起こしたテキスト、後者では各種MTGツールに付属の文字起こし機能などで出力したテキストを(おまとめ忍者にコピー&ペーストすると)、AIがその内容をキレイに要約・校正してくれます。

また、要約時には会議の内容を項目ごとに番号をつけてくれたり、次のアクションを示してくれたりと、とても見やすく便利です。
「おまとめ忍者を使えば、数時間かかっていたドキュメントの作成が約20秒で終わる!」という強力なメリットに、興味を示してくださったお客様も多くいらっしゃいました。

デモのお申込みはこちら

▲かわいいオリジナルキャラクターが、大々的にセンターを飾るチラシを配布。
▲デモ画面。シンプルなUIで、非常に使いやすいことも特徴です。

AI実装時のお困りごとを解決『brighter Redact』

マクニカブースでは、お客様における“AI実装時の課題を解決するソリューション”も複数展示していました。

そのうちの1つが、brighter AI社が開発した映像匿名化加工ソリューションbrighter Redactです。
昨今はAIの学習のために画像や映像データが使われることも増えていますが、個人情報保護の観点で、人間の顔などにモザイク処理が必要な場合も。しかしモザイクの度合いによっては、AIが人間を異なる生物や物体として認識してしまうという課題がありました。

その状況に一石を投じたのが、画像や映像内の情報(性別・表情など)を可能な限り保持しつつ、個人特定にはつながらない合成データを作成できるbrighter Redactというわけです。brighter AI社の技術はドイツをはじめとした海外の企業で幅広く使われており、業界も自動車・医療・公共・モビリティ・研究開発など多岐にわたります。今後はAIのますますの発展が予期されているため、こうした技術にも注目が集まってくることでしょう。

▲展示で見られた、brighter Redactの説明。
▲上記以外にもテキストでの個人情報匿名化、セキュアな企業間データ共有、エッジAI強化に使えるソリューションなどを展示していました。

まとめ

今回は、第4AI・人工知能 EXPO【秋】の出展レポートをお届けしました。
普段なかなか聞き慣れないだけに、“脳波”というキーワードに興味をもたれた方が多かったこともあってか、マクニカブースには非常に多くのお客様にお越しいただきました。
この場をお借りして、改めて感謝を申し上げます。

マクニカでは本記事でご紹介したソリューションのご案内も含め、お客様のさまざまな課題に寄り添い、解決のために伴走いたします。
また、今後もさまざまな展示会に出展予定ですので、マクニカのロゴを見かけた際には、ぜひお立ち寄りくださいませ。

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