脳波で人の"無意識"を見える化!感覚の可視化でAIソリューション ~AI・人工知能EXPO 2022秋 脳波測定レポート~

 

2022/10/26(水)~28(金)の3日間にかけて、幕張メッセで開催された「AI・人工知能EXPO」に、マクニカのAIチームが出展いたしました。

会期中は、弊社が扱うInnerEye社の「Sense I」「Sense Plus」の製品説明およびプレゼンテーションと、出展ブースにお越しいただいたお客様を対象とした、脳波測定のデモンストレーションを行いました。大盛況につき、3日間で70名以上のお客様にデモを体験してもらうことができました。

本記事では、デモ体験者の脳波測定レポート結果と測定後の感想を交えた、脳波AIの活用方法をご紹介いたします。

また、本展示会のフォローアップウェビナーを無料オンデマンド配信いたします。ご興味ある方はぜひ下記よりお申し込みください。
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AI・人工知能EXPOの来場者が求める「リアルな体験」

AI・人工知能EXPOは、ディープラーニング、機械学習、エッジAI、自然言語処理、画像・音声認識、対話AIなど、 AIに関するサービスが一堂に出展する日本最大級の人工知能の専門展です。あらゆる業界の方々が来場し、リアルな場での「体感・体験」を通じて活発な商談や比較検討ができる場ということが、本展示会の魅力といえます。同時開催の『XR総合展』・『メタバース総合展』と合わせて、3日間で合計3万人を超える来場者数となりました。

マクニカのAIチームは今回が3回目の出展でしたが、コロナ禍を忘れさせるほど多くのお客様に足を運んでいただき、ブース内は過去最高の盛り上がりを見せました。

ブースに来場したお客様は、「急速に社会実装が進むAI事業について最新情報を知りたい」、「脳波を使ったAIモデルについて説明を聞きたい」、といった興味を持っていました。そこで、実際に会話をしながら弊社製品について説明させていただくと、多くのお客様が「自身の現場にも脳波AIを取り入れることができたら」と、実装におけるリアルなイメージを伝えてくれたのです。

脳波測定デモを体験したお客様は、自身の測定結果データを見て「実体と結果が合っていることを実感でき運用イメージが沸いた」と、脳波から取得したデータの正確性を実感できたようです。

さて、ここからは本記事を読んでいるみなさまにも、来場者が感じた「リアルな体験」を感じていただければと思います。

脳波が教える匠の技術

本展示会にてお客様との会話の中でご提案させていただいた製品のうち、まずは匠の技能継承を実現するプラットフォーム「Sense I」をご紹介いたします。

熟練者、いわゆるその道のプロと呼ばれる方々の脳波を測定することで、不良品の目視検査や危険物検査において求められる、言語化しにくい「職人の勘」ともいえる高度な技術をAIモデルとして継承することが可能となる製品です。

熟練技能者の技術継承問題をブレインテックでアプローチ!脳科学と匠の技能継承の関係性をこちらの記事で解説しています!

製造業のお客様の多くは、現場における人材不足、ベテランから若手へノウハウを引継ぐ難しさに悩みを抱えていたため、本製品のご提案に関心を持っていました。しかし、熟練者と同じ判断が可能なAIモデルを構築するという説明の中で、お客様が1番疑問に思われたポイントは、ずばり「なぜ脳波を使うのか」という点です。

この疑問を解消するため、ブース内で随時実施していた脳波測定デモの様子を見ていただきながら説明させていただきました。以下の画像は、実際のデモで採取した体験者の測定結果です。

今回のデモでは、さまざまな状態のレモンの画像を見ていただき、その中で腐っているレモンが表示されたら頭の中でカウントしてもらう、いわゆる検品を行っているときの脳波を測定しました。このラベル付け作業(=アノテーション)は1秒間に2~3枚のペースで映し出される画像を見ながら、手を使わずに行います。

上の画像の中で、赤色の線は表示されたレモンは出荷不可能と判断した脳波の波形、緑色の線は出荷可能と判断した波形を表します。
それぞれの波形は随時少しずつ上下に動き、突然その振れ幅が大きく動くことがあります。波形の動き1つ1つは、体験者が画像を見た時に感じた「確信度」を表しており、その波形情報は、画像1枚1枚に瞬時にラベル付けされていきます。これこそが、AIモデル構築に脳波を使う最大のメリットといえるでしょう。

画像データを集めるだけでもAIモデルの構築は可能ですが、脳波はその画像データに人間の確信度を付与し、現場での汎用的な運用に耐えうるデータとして採取することを可能にします。つまり、0か100かの判断だけでなく、20%、80%といった人間特有のあいまいさを持ったデータさえもAIに学習させることができるのです。

はじめは脳波とAIの関係に疑問を持っていたお客様にも、デモ体験や見学を通じて、アノテーション作業の手軽さ、現場での運用に耐えうる高性能なAIモデルの実現という脳波活用のメリットに納得・共感していただくことができました。

しかし、脳波AIのメリットを実感することができるのは、製造業など一部の業種のお客様だけではありません。さらに多くの分野でも脳波AIは活躍の可能性を秘めているのです。

脳波でリアルな感情分析

次にご紹介させていただく製品は、人間の感情や精神状態を脳の状態から解析し、時系列に数値データとして可視化するプラットフォーム「Sense Plus」です。

私たちは生活のいろいろな場面で様々な感情を抱きますが、それを言葉で表現し、正確に伝えることは非常に難しいことではないでしょうか?
人間の内的な状態は本人でさえも気づかない、つまり”無意識”のケースが必ずあるものです。

意識する前に脳活動は始まっている!?人間の無意識行動の関係性をこちらの記事で解説しています!

ブースの来場者の中には、製品やサービスの開発段階においてお客様のフィードバックを得るために、モニターの方へのアンケートを取るという方が多くいらっしゃいました。しかし、その場で感じたことを後になってアンケートで尋ねられても覚えていないケースや、本心をアンケートに書くのは気が引けてしまうといったケースもあり、お客様がどのように感じたかという情報が正確に得られないといった悩みを抱えているようでした。また、医療・介護の現場において、自分の力で意思を伝えることが困難な方々の感情を読み取る方法を検討しているという来場者も見られました。

このような方々には、今回用意したもう1種類のデモを体験・見学していただきながら製品のご提案をさせていただきました。

可愛い動物の映像やナイフを持った男のシルエット映像など、感情を動かす映像を見せたときの脳波の変化から感情を特定するデモです。脳波測定の結果として、集中力、興味度、疲れといった感情の動きを時間の流れとともに可視化することができます。

上の画像で、青色の線は集中度、ピンク色の線は疲労度を表しています。体験者によって波形の動きはさまざまで、どの動画を見ている時によく集中しているのか、どれくらいの時間が経つと疲労度が上がってくるのかなどを可視化することができます。デモを体験したお客様は、「興味がないと思って見ていた映像にも無意識的に集中していた」、「時間が経つに連れてこんなに疲労を感じていたのか」と、自分でも意識していなかった"無意識"の感覚に気づかされ驚かれていたようでした。

今回の体験者が感じたように、人間それぞれが持つ感覚は自分でも把握できない部分で動き続けています。その感覚を人に伝えるということはさらに難しいのにも関わらず、多くの企業がこの問題に気づくことなく悩みを抱えているように思えます。

そんな問題を解決するべく、マクニカとプラス株式会社様が共同実施したプロジェクトについてご紹介させていただき、本製品のご紹介を締めくくらせていただきます。

プラス株式会社様での導入事例はこちら

脳波測定で得た気付きを文房具にフィードバックして生まれたのが「coe365」です。色やイラストが異なるユニークな文房具にQRコードを記載し、それぞれのイラストシーンに合わせた「エモ音」が聴けるという新たなコンセプトを持った文房具ブランドです。

それぞれの「エモ音」を聞いたとき、どんな感情が生まれどのように変化していくのか、脳波測定により検証を行うことで、その結果をエビデンスとしてプロモーションに活用していただきました。
今回の出展ブースでは、デモを体験していただいたお客様にノベルティとしてこちらの文房具をお渡ししており、ブースに負けぬ好評をいただくことができました。

デモ体験者が抱える課題を解決へ導くきっかけに

以上、本展示会のレポートはいかがでしたでしょうか?

本記事を読むまでは、脳波というと自分の仕事には関係がなさそうと感じていた方も多かったのではないでしょうか。展示会にご来場のお客様も、はじめはそのように感じていたようです。

しかし、来場者のリアルな体験について本記事を通してご紹介させていただいたことで、今抱えている問題の解決策として弊社が扱う製品を使ってみたいと、みなさまにきっかけを感じていただけたのであれば幸いです。

現場の人員不足、商品開発における課題など、漠然とした問題でもまずはお話をお聞かせください。マクニカはお客様と一緒にAIソリューションの最適解をお探しいたします。

3日間の「AI・人工知能EXPO 2022秋」は、過去最高の盛り上がりとともに終了いたしました。これからもマクニカは未来をつくるIT技術の可能性を広げるべく、お客様の課題に寄り添う研究開発、サービス提供を続けてまいります。

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脳波をベースにした「熟練者の技能伝承」とは?人間の意識、判断を学習するAIとは?

不明なことが多いかと思いますので、まずは脳波を測定してどんなものかを体験してみませんか?
実際に測定後、今までの私たちの活動でのAI活用事例を交えながら、よりお客様の現場で脳波を使ったAIを活用していけるようにご提案から、実装、運用までサポートさせていただきます。

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