
Island
アイランド

操作感はそのままに、Webブラウザの高度なセキュリティ対策を実現
ルネサンス高校グループ(ブロードメディア社運営)
導入のPOINT
- 内部不正対策に必要な各種機能を備えたエンタープライズブラウザ
- ユーザーに違和感を与えない操作性、既存のWebブラウザからの移行もスムーズ
- 必要十分な機能が備わっているため、追加のセキュリティ対策が不要

教育サービス本部
本部教務部 システム課 課長
櫻井 崇 氏
性善説だけでのインシデント予防は困難 情報の持ち出しを防ぐツールの導入を検討
1996年の設立以来、さまざまなコンテンツ事業に取り組んできたブロードメディア。同社はグループとして、「教育」「メディアコンテンツ」「スタジオ・プロダクション」「放送」「技術」「その他」の6つのセグメントを有しており、特にオンラインで学べる通信制高校のほか、日本語教育、プログラミング教育の「教育」と、配信(CDN)やセキュリティ対策等を含めた「技術」の2つをコアに事業を展開している。
このうち「教育」の通信制高校事業では、内閣府に認定された教育特区に、インターネットとデジタル教材を活用した広域通信制・単位制高校として「ルネサンス高等学校」「ルネサンス豊田高等学校」「ルネサンス大阪高等学校」のグループ3校と12拠点のキャンパスなどを運営している。その特徴について、教育サービス本部 本部教務部 システム課の課長である櫻井崇氏は「高等学校として日本で初めて開設されたeスポーツコースのほか、芸能・美容コースから海外留学・大学受験の勉強に特化したダブルスクールコースまで、多彩なコースを揃えています」と説明する。
近年、教育分野においてもセキュリティ・インシデントの発生が問題となっている。特に、先ごろ起きた大手進学塾の元講師によるSNSを通じた情報漏洩事件は、内部の関係者が引き起こした事件として大きな波紋を広げ、運営企業は管理体制の不備を問われることになった。
「学校を運営する上で生徒たちの個人情報を扱っている以上、この事件は当社にとっても他人事ではありません。そこでトップダウンの指示のもと、対応を検討することになりました。ルネサンス高校グループの各学校はそれぞれ離れた場所に位置しており、生徒たちはeラーニングで学習するため、専用のWebアプリで管理を行っています。このWebアプリが生徒の個人情報や成績等の情報を扱っていることを踏まえ、Webブラウザにおけるセキュリティ対策が必要と考えました」(櫻井氏)
同社では、かねてより外部からの攻撃に備えて多層防御などの対策を実施してきた。しかし、内部不正については、セキュリティポリシーによる縛りは行っていたものの、システム的な対策が不足しており、悪意あるデータの持ち出しに対しての備えは不十分であったという。
「業務で使用するPCについてはログ収集ツールを導入していましたが、それはあくまで事後のための対策であり、持ち出し自体を予防することはできません。もはや性善説での対応だけでは難しいと考え、持ち出しを防ぐツールの導入を検討することにしたのです」(櫻井氏)
内部不正対策の機能が揃った「Island」を採用 導入が容易でユーザーの操作感もそのまま
櫻井氏らが各種ツールについて情報収集を進める中、同社の情報システム部門のスタッフが2023年末の「情報セキュリティマネジメントフォーラム2023冬」に参加。ここでのマクニカの講演により、エンタープライズブラウザ「Island」の存在を知ったという。
「そのスタッフは、私たちがWebブラウザにおけるセキュリティ対策を探していたことを知っていたので、Islandについていろいろ教えてくれました。当時はSASEソリューションも検討していたのですが、Islandの方が機能面で優れており、導入も容易と判断しました」(櫻井氏)
Islandは、同社が要件としていたファイルのアップロード/ダウンロードの制御をはじめ、データのマスキング、アクセス制御、ブラウザでのすべての動作の確認など、内部不正対策として必要な機能を備えている。さらに、櫻井氏が評価したのはユーザーに違和感を与えない操作性だ。
「Islandは、『Google Chrome』や『Microsoft Edge』で採用されているオープンソースの『Chromium』をベースとしています。もともと当社の標準ブラウザがGoogle Chromeであったことから、これなら誰でもすんなり使えるようになると思いました。実際、導入に際して特別なレクチャーは不要でしたし、IDとパスワード、ブックマークもスムーズに移行でき、レスポンスも問題ありませんでした」(櫻井氏)
同社は、2024年10月にPoCを実施。その結果をコンプライアンス委員会に報告し、承認を得たことから、11月に「Island」の採用を正式決定した。
Webブラウザにおける高度なセキュリティ対策が実現 充実した機能により追加の対策が不要
Islandの導入作業は、検証環境からの移行だったためスムーズに進んだ。また、検証を通じて細かな操作性の違いについて周知できていたことから、ユーザーにも大きな混乱はなかったという。ただ、一律にマスキングを掛けたことで、一部のユーザーからWeb上での編集作業に支障があるという声が挙がったため、権限を閲覧と編集の2つに分けて付与することで対処した。
「もう一つ、例外として認めているのが、スクーリング(通信制高校における実際の学校での授業)におけるファイルのダウンロードです。茨城県大子町にあるルネサンス高等学校の校舎は山間部に位置し、最寄りの主要駅からはやや距離があります。そのため、合宿形式を中心に実施しているのですが、宿泊施設を予約する際に生徒の個人情報を管理ツールから取得する必要があるため、例外的に許可しています」
ブロードメディアでは、教育サービス部門に所属する教師、事務職、管理者のほか、入学相談などに対応する相談員がIslandを利用している。導入当初は150ユーザーだったが、人員の増加に合わせて260ユーザーまで拡大している(2025年2月末現在)。
「教師一人当たりが担当する生徒数を少人数化しているため、教師の数が増えています。また、今後も、生徒数の増加や、新たなコースの開設等があれば、さらに拡大する見込みです」(櫻井氏)
本格的に浸透させていくのはこれからとなるが、今回の導入により、Webブラウザにおける高度なセキュリティ対策が実現したことを櫻井氏は高く評価する。
「例えば、イベントログの監視ではスクリーンショットも取得できるため、ある時点でユーザーが閲覧していた画面をしっかり確認できます。特定のアクションについても、スクリーンショットを確認すればどこで何をクリックしたかまで把握できるため、既存のログ収集ツールのように長いリストの中から探し出すことと比べれば、一目瞭然です」
また、ブラウザ・アイソレーション(分離)、フィッシング詐欺からの保護、Webフィルタリング、悪意のあるコードの実行、アドウェア削除、ウイルス対策など、Webブラウザ自体に多くのセキュリティ対策が組み込まれている点も大きいという。
「標準で十分な機能を備えているので、追加で対策を行う必要がなく、余計なコストがかかりません。また、Webブラウザのセキュリティ対策を一括して設定できるため、管理の手間も大幅に削減されました」
教育部門の増員に合わせてライセンスを拡大 ログの分析によるアクティビティの把握や可視化も検討
ブロードメディアでは、今後も教育サービス部門の増員に合わせてライセンスを増やしていく予定だ。また運用面では、日々蓄積されていくログの分析などを通じ、アクティビティの把握や可視化に役立てていくことを検討していくという。
「今回の導入において、マクニカにはしっかりとサポートいただきました。問い合わせへのレスポンスも迅速かつ的確で非常に助かりました。今後ともご支援をお願いできればと思います」(櫻井氏)

User Profile
ブロードメディア株式会社様 | |
所在地 | 東京都港区赤坂8-4-14 青山タワープレイス6F |
導入時期 | 2024年11月 |
URL | https://www.broadmedia.co.jp/ |
1996年9月設立。以来、一貫してコンテンツ事業に取り組んでおり、映画やドラマ、アニメなどの動画配信や、電子コミックサービス、字幕・吹き替えの制作、映画の配給、衛星放送、教育サービスとして通信制高校の運営などを展開してきた。さらには、これらのコンテンツを最適な状態でユーザーへ届けるための取り組みとして、配信(CDN)やセキュリティ対策等を含めた技術サービスも提供。現在はコンテンツ事業から成長してきた「教育」と「技術」の2つをコアな事業領域としている。 |
お問い合わせ・資料請求
株式会社マクニカ Island 担当
- TEL:045-476-2010
- E-mail:Island-sales-i@macnica.co.jp
平日 9:00~17:00