Aruba EdgeConnect SD-WAN(旧Silver Peak)

アルバエッジコネクト(旧シルバーピーク)

Aruba EdgeConnect - ユーザー事例 - エクシオグループ株式会社様

SaaSの拡大に伴う回線のひっ迫を解消
帯域が最大8倍まで向上し、70%もの大幅なコスト削減が実現
導入のポイント
  • SaaSサービスはすべてインターネットブレイクアウトし、Wi-Fi・スイッチ製品を切り替えたことでひっ迫が解消、帯域が最大8倍にまで高まった
  • 従来のように都度回線を増強した時と比較すると70%もの大幅なコスト削減が可能となり、快適なネットワーク環境が実現した
  • ネットワークの状況が可視化され統合管理が実現、今後は事後対応からプロアクティブな対応へと運用のレベルアップを目指す

コロナ禍で回線がひっ迫 柔軟性に優れた SD-WAN導入を検討

1954年の設立より、電気通信設備の発展に寄与してきたエクシオグループ。情報通信インフラ分野における専門技術をコアコンピタンスとしながら、時代のニーズに応じて事業領域を拡大することで、さまざまな社会課題の解決や人々の豊かな暮らしに貢献してきた。2021年10月1日に社名を「協和エクシオ」から「エクシオグループ」に変更。多くの現場の経験を通じて培ってきた高度な「技術力」を強みとして、今では情報通信ネットワーク、都市インフラ、ICTソリューションを3つの柱として、幅広く事業を展開している。

同社では、コロナ禍で業務におけるMicrosoft TeamsをはじめとするSaaSの利用が拡大。以前は基本的に社内DCに集約する形でのアクセスであったことから、社内トラフィックが2倍以上に急増し、ひっ迫を招くことになった。Teams会議の最中に途切れることがたびたび発生し、ユーザーからも音声品質やページ送りが遅いといったクレームが相次いだ。
「ビデオをオフにしても資料の共有は必要ですが、それでも途切れるため会議が成り立たず、業務自体にも影響を及ぼすようになっていました。そのため月曜日の朝はオンライン会議を控えるよう要請するほどでした」とICTエンジニアリング本部 本部長 兼DX戦略部の園洋志氏は振り返る。

当初は、インターネット回線やキャリアのVPNの増設等で対応していたが、かなりのコスト増となるため、抜本的にネットワーク環境の見直しを検討することになった。「目標は、回線自体をリーズナブルに改善すること。もう一つは、かなり前に導入したWi-Fi製品の見直しです。同じフロアのWi-FiのAPに集中して詰まる原因になっていたケースが多く、その改善を図るため最新のWi-Fi 6対応機器への入れ替えを検討しました」(園氏)

本社などの主要拠点とDC間は以前よりリーズナブルな専用線に変更すること。そして、中規模クラスの拠点については、構成の柔軟性に優れたSD-WANの導入を検討することにした。また、これまでのDCに通信を集約する方法から、SaaSについてはローカルブレイクアウトすることとした。合わせて、クラウドサービスの経路上でネットワーク制御とセキュリティ統制を行うSASEを視野に、クラウドセキュリティと連携するSD-WANを採用することで、社内外の区別なく、セキュアな環境の構築を目指した。

詳しい製品情報の深堀が可能 チューニングの幅も大きい

エクシオグループでは、2020年からネットワークの刷新について検討を進めていたが、予算を確保した2021年3月に本格的な事前検討を開始。資料ベースで絞り込んだ上で、Aruba EdgeConnect SD-WANを含む3社の製品について2021年4月から8月に掛けてPoCを実施した。ポイントは、ローカルブレイクアウトがしっかり機能し、トラフィックを削減できることおよび回線コストの削減であった。また、販売パートナーとして扱う製品について、ユーザーの立場で利用することで知見を高めるという狙いもあった。
「SASEの実現という観点から、他のSASEベンダーとの連携なども考慮し、しっかりしたサポートが受けられることも重視しました」とICTエンジニアリング本部 兼 DX戦略部の井上陽治氏は語る。

また、機能面については、ICTエンジニアリング本部 兼 DX戦略部の担当課長である横田康太郎 氏は次のように説明する。「Aruba EdgeConnectは、インタフェースで把握できる部分が他の製品と比較して多いと思います。その分、私たちが外販に向けて技術力、ノウハウを付けることができると判断しました。また、フローの可視化についてもリアルタイム性を備えているなど優れていました」

さらに、デジタルコンサルティング本部兼 ソリューション事業本部 ソリューション営業本部の担当部長である小山武志氏は、「Aruba EdgeConnectは自分達で触れる部分が多いと思います。例えば、他製品は一見したわかりやすさはあるものの、技術の人間として知りたい情報は十分には得られません。これに対してAruba EdgeConnectは、必要であれば自社導入した知見を活かしより詳しい情報を深堀できます。お客様に提案する際も最適なチューニングを含めて、われわれならではの付加価値を提供することができます」と評価する。

同社はPoCを経て2021年11月にArubaEdgeConnect SD-WANの採用を決定。2022年より導入作業を開始し、9月にテスト拠点で開通。同年12月から2023年3月に拠点への展開を進めて、現在は主要10拠点への展開を完了させた。なお、各拠点とも冗長構成としている。また、並行してArubaのWi-Fi、スイッチ製品の導入、切り替えも実施。Wi-Fi機器は「500シリーズ」を採用し、Wi-Fi・スイッチの導入は現在までに合計で約300台に及ぶ。
「今回のネットワーク刷新では、私たち自身がAruba EdgeConnectの外販で培ったノウハウを社内に提供しました。外販案件では、マクニカのサポートを受けてスムーズな導入を実現できたケースもあり、その際のノウハウも役立っています」とICTエンジニアリング本部 課長代理の印部達哉氏。

帯域は最大で8倍 7割以上のコスト削減が実現

「Teamsをはじめ、SaaSはすべて各拠点からローカルブレイクアウトさせたことで、トラフィック量が大幅に削減し、コスト削減も実現しました。展開した拠点は、WAN側回線の帯域が逼迫していたところもありましたが、各ユーザーからは通信速度が向上した声を聞いています」とDX戦略部 担当課長でインフライノベーション担当の古川敦士氏は効果を語る。
「コストは7割減で、パフォーマンス向上を加味するとさらに効果は高いと考えています。また、回線の可視化も実現したことは大きなメリットです」(園氏)

帯域は最大で8倍になっているという。「回線コストは各拠点の負担であるため、以前であれば回線増強でコスト負担が増すため、ひっ迫した状態のまま我慢して使用していた拠点も少なくありませんでした。それを気にせず活用できるようになったことで、ビジネスを阻害する要因が無くなり、業務効率の向上に貢献できたと考えています」とICTエンジニアリング本部 兼 DX戦略部 担当課長の友光淳一氏は評価する。

可視化についても、これまでは全体としてのトラフィック量しか把握できなかったものが、アプリケーションレベルで把握し、適切な割り当てができるようになった。加えて問題の切り分けも迅速に行えるようになっている。実際、導入プロセスにおいて発生した障害の切り分けで、通信の不安定な部分が潜在的に放置されていたことが判明したという。
「PoCの当初はそれが分からなかったのですが、数カ所に設置してから顕著に見えるようになりました。EdgeConnectがアラームを出してくれたことで気付き、パケットロスの原因を深堀分析していくことで潜在的な問題の存在を初めて把握できました。その意味でも、EdgeConnectのメリットが発揮されています」(井上氏)

展開を拡大し、統合管理を目指す外販においてもノウハウと知見を活かす

今後については、まずは、展開を実施した拠点での安定運用を図るとともに、社内外を含め、Aruba Centralにより管理の統合化を目指していく方針だ。
「以前は、拠点からクレームが上がってからの対応でした。これもネットワークの状況が可視化したことで、予兆の段階でのプロアクティブな対応につなげていきたいと考えています。そのためAIOpsを活用したネットワークの障害を予測、迅速に対応していくことも検討したいと思います」(園氏)

Aruba EdgeConnect SD-WANについては引き続き展開を拡大し、グループ全社で400近い拠点があるが、ある程度の規模の拠点については導入を進めていく予定だ。さらに、今回の構築で得たノウハウを積極的に外販に活かしていくという。「お客様は、われわれが躓いたのと同じようなところで躓くケースも多いはずです。その際に、こうして解決したというノウハウを実際に持っていることは大きな強みになると考えています」(印部氏)

園 洋志氏

ソリューション事業本部
ICTエンジニアリング本部
本部長
兼DX戦略部
園 洋志氏

小山 武志氏

ソリューション事業本部
デジタルコンサルティング本部
兼 ソリューション事業本部
ソリューション営業本部
担当部長
小山 武志氏

横田 康太郎氏

ソリューション事業本部
ICTエンジニアリング本部
兼 DX戦略部
担当課長
横田 康太郎氏

友光 淳一氏

ソリューション事業本部
ICTエンジニアリング本部
兼 DX戦略部
担当課長
友光 淳一氏

印部 達哉氏

ソリューション事業本部
ICTエンジニアリング本部
課長代理
印部 達哉氏

井上 陽治氏

ソリューション事業本部
ICTエンジニアリング本部
兼 DX戦略部
井上 陽治氏

古川 敦士氏

DX戦略部
担当課長
インフライノベーション担当
古川 敦士氏

User Profile

エクシオグループ株式会
所在地 東京都渋谷区渋谷3丁目29番20号
導入時期 2022年9月
URL https://www.exeo.co.jp/
1954年に協和電設として設立し、日本中を電気と電話で繋ぐ会社として電気通信設備の発展に寄与してきた。その後、建物や電気設備へと提供する領域を広げ、プラントから地下鉄、鉄道まで都市全体のシステムを繋いでいる。現在では、仕事でも暮らしの中でも、5Gやクラウドを通して人々がより快適に繋がるシステムを提供している。

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株式会社マクニカ Aruba EdgeConnect SD-WAN 担当

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