AIにおまかせ!「収穫時期判定」「病害虫診断」 ~農業熟練者の"脳波"を使った画像AIで自動測定・分析~

はじめに

今回の記事では、農業における「誤った収穫タイミングによる農作物のロス」や「病害虫被害」といった課題に対し、"ブレインテック×AI" のテクノロジーを活用して自動化・効率化といった観点で解決する方法をご紹介します。

農業における課題その1:“収穫時期”の見極め

農業生産者の重要な課題の1つとして、収穫時のロスが挙げられます。
「最適な収穫タイミングでない作物」を収穫することによって、作物を無駄にしてしまい、機会損失、食品ロスに繋がるというケースです。
一回当たりの損失が小さくても、毎日の作業で積み重なると、生産者には大きな負担になるという課題があります。
正しい収穫時期の見極めには、経験による知見が必要ですが、熟練者なら見分ける事ができても、未経験者、経験の浅い作業者では判断が難しいケースがあり、
これが誤ったタイミングでの収穫に繋がる原因となっています。
人手不足の中、熟練者/経験者だけで作業体制を組む事が難しく、未経験者、もしくは経験の浅い従業員に頼らないといけない事情があり、この課題を解決する方法が
期待されています。

AIを活用した画像判断で、「最適な時期の収穫」が可能に

上記課題を解決する方法として、“ブレインテック”という脳科学のテクノロジーとAIを組み合わせたソリューションをご紹介します。
このソリューションは熟練者の技能(暗黙知)」を脳波から学習し、AIモデルを作成、画像診断を行う技術となりますが、現在製造業や医療業界、空港の手荷物セキュリティーAI
など広く利用されているシステムであり、ブラジルではEmbprapa社と穀物の病害虫診断システムとして実証実験を進めています。

このシステムの農業分野での活用例として、作業者がスマートグラスを通して現場で収穫物の適正時期を判断して作業効率化と収穫量向上に貢献する使い方があります。
これまで、ある程度の経験がなければ難しかった“適性収穫タイミング”の判断を、未経験者や経験の浅いスタッフでもシステムに判断を任せて収穫作業を行えるようになるので、
各段に作業効率と正しいタイミングでの収穫率向上が図れます。また、育成にかける時間を大幅に削減し、即戦力化する事によって安定的な運営が可能となります。

また、地域のブランド作物の場合であれば、生産農家によって品質が異なるケースが発生し、ブランドの質の低下を引き起こすリスクもありますが、本システムを活用することで、品質の基準統一が可能になり、ブランド品質の安定化、更にブランド価値向上に貢献します。

従来の課題と、ブレインテックを活用した場合のメリットを挙げましたが、AIを活用することで、効率化による人手不足の解消、働き方改革、食品ロスの低下によるSDGsへの貢献、しいては、地産地消にも大きく貢献する事を期待しています

農業における課題その2:“病害虫”による被害

次に、農業にとっての大敵 ”病害虫”による被害を、いかに迅速かつ正確に抑えるかについて、Embrapa (ブラジル農業研究公社)とマクニカDHW(ブラジル)およびInnerEye社によるブラジルで進められている実証実験の事例からご紹介します。

実証実験の内容についてはEmbrapa社がブラジルでプレスリリースした記事の日本語版がありますので、是非下記からご確認ください。

InnerEye社の“Sense I”について

InnerEye社の “Sense I” は、熟練者・専門家の方の脳波をキャプチャーすることによって、その方の経験や技術に基づいた判断結果を反映するAIを設計することができるシステムです。

例として “トマト”の収穫時期判定 をAI化する場合でご説明します。
収穫タイミングではないトマト” と “収穫タイミングのトマト”の写真をシステム上で高速に表示し、熟練者がトマト画像を見たときに脳波がいかに反応するかを計測し、その違いを検出、“収穫タイミング”の画像を学習し、識別するAIモデルを作成します。
通常、熟練者は、色や艶感等を見て判断していますが、その判断に必要な微妙なさじ加減は熟練者ならではの技能です。そういった経験や知見に基づく暗黙知を学習する事で、熟練者の判断基準に準じたAIモデルが完成します。

※以下の図は、前述の”課題その2”での “病害虫”診断の例となります。



InnerEye社の“Sense I”詳細は下記をご参照ください。

さいごに

今回、農作物の“収穫時期”の判断や“病害虫”診断の例から、その解決策として、InnerEye社の脳波AIシステムをご紹介しました。当システムは、熟練者の暗黙知を学習し、
今まで人に依存していた、判断・診断などをAIが自動で検出してくれる画期的なシステムです。 
「熟練者に頼らざるを得ない」という常識から脱却し、生産性の向上に貢献します。同様の仕組みを使って、出荷前の検品作業など、これから農業分野でも積極的に活用されていく事が期待されています。

当ソリューションにご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。

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