RiskIQ 特集記事 - eコマースを狙った大規模なクレジットカードスキミング ~Magecart対策~

eコマースを狙った大規模なクレジットカードスキミング ~Magecart対策~

2018 年夏頃より海外の E-コマースサイトでの大規模な情報詐取のインシデントがいくつかニュースになりました。詐取された情報は個人情報にとどまらずクレジットカード情報までが対象となり、その後ダークウェブでの売買や第三者によって不正利用された事も確認されています。

RiskIQ 社の調査によれば、これらは主に支払情報をターゲットに攻撃を行っている犯罪組織群による犯行であり、それらは「Magecart」と総称されます。

オンラインのカードスキミングとは

RiskIQ社のThreat Intelligence Analyst であるYonathan Klijnsma氏は、Magecartによる一連の攻撃をオンラインのカードスキミングと表現しています。これは従来の、カードリーダーの改造やATM等に対する不正デバイス設置によりカード情報を詐取する手口と比較したもので、それをオンライン上で行う事からきています。

この手口はWebサイト上で利用されるJavaScriptに、スキマーと呼ばれる不正なコードを埋め込むことで、ユーザが入力した個人情報並びにクレジットカード情報をドロップサーバ(C2サーバ)に転送して情報詐取をするというものです。

また、ターゲットとなるWebサーバにホストされるJavaScriptだけが対象となるではなく、サイトから外部読込で利用するサードパーティのスクリプトが侵害されるケースも確認されています。

この場合、侵害行為はサードパーティのJavaScriptに対して行われるものの、実際にはそれを読み込む側のWebサイトが影響を受け情報詐取の対象となります。

Magecartとは

Magecartという名前自体は比較的最近知られるようになりましたが、RiskIQ社は2014年頃より確認しています。

当初確認されたグループから現在では新たに別の複数グループが確認されたため、現在はそれらを総称してMagecartと呼んでいます。各グループによって、利用するインフラ(IPアドレス、ドメイン)、スキマーの種類、またそのターゲットや侵害手法が異なる点からRiskIQ社では明確に各グループの区別をしています。

Magecartによって引き起こされた2018年の大規模な情報流出のインシデントはニュースやメディアで取り上げられる事も多く、オンラインのカードスキミングの脅威が、一般の人にも知られるようになってきています。

過去からのMagecartの活動については、RiskIQ社が詳細なレポートにまとめており、下記よりダウンロードできます。

またRiskIQ社のレポートの中では、犯行に関わるそれぞれの役割が専門化の流れにあることについても言及されています。

具体的には、スキマー作成者は実際の侵害行為には関与せず作成したものをキットとして販売するか、もしくは侵害行為を行う人間と利益の分配契約を締結する事で収益を得るなど、犯行への関与の仕方や立場、その状況も変化してきています。

マクニカでは「Magecart」の概要、攻撃手法及び発生インシデントに対する RiskIQ 社の独自調査について解説した資料を公開しています。詳細は資料をダウンロードしてご確認ください。

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