はじめに

~クラウドサービスの利用状況とBoxユーザーの課題~

世界的なクラウドシフトのトレンドの中、場所や機器を選ばずに利用できるクラウドサービスは日本でも幅広く普及してきています。総務省が毎年発行している「通信利用動向調査の結果」では、7割の企業がクラウドサービスを利用し、今後利用する予定の企業を合わせると8割に及びます。また、クラウドサービス利用の用途はファイル保管・データ共有が一位となっており、Boxに代表されるクラウドストレージの需要の高さがうかがえます。

一方で、ストレージからの重要情報の持ち出しや、クラウドサービス設定ミスによる情報漏洩のようなセキュリティインシデントも発生しています。総務省も「テレワークセキュリティガイドライン第5版」で注意喚起しており、下記はその内容を一部抜粋しております(協調(太字)はマクニカで実施)

  • “クラウドサービス事業者と利用者との責任の境界(責任分界)はサービス間で一様ではないため、利用するサービスごとに自組織が担うべき責任範囲を確実に確認することが重要”
  • “業務で取り扱う情報の機密レベルを定義するとともに、クラウドサービス上で取り扱うことができる機密レベルを定め、クラウド上の情報を適切に管理することが重要”
  • “主にファイル共有サービスを提供するクラウドサービスにおいて、アクセス制御設定に不備があり、誤ってインターネットに機密情報を公開してしまうケースが発生しています。適切な利用者のみがアクセスできるようにするとともに、設定可能であればIPアドレス制限等により、アクセス制御を強化することを推奨”

出典:総務省 令和3年通信利用動向調査の結果
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/220527_1.pdf
出典:総務省 テレワークセキュリティガイドライン第5版
https://www.soumu.go.jp/main_content/000752925.pdf

このような状況の中、Boxユーザー様は大きく分けて3つの課題をお持ちだと思います。

  1. 内部者の「意図的な不正」や「誤用」
  2. 外部者によるアカウント乗っ取り
  3. 増え続ける重要・機密データの管理

Boxコンテンツ保護のためのソリューション

前章で提示した課題を解決するための一般的な選択肢は2つあると思います。

1つ目は全Boxユーザーが利用できる「レポート機能」です。本機能はBoxGUI上で項目を指定し、CSV形式で出力する機能です。“ユーザーアクティビティ”や“外部コラボレーション“などの項目の指定ができるため、定期的にレポート機能を利用してルール通りに運用されているかチェックいただくユーザー様も多いと思います。さらに、最近スケジューリング機能も追加され、自動で実行できるようになりました。一方でユーザー数や指定項目が多い場合は出力に時間がかかったり、出力した後のデータ編集に工数がかかったりと運用面で課題が多いと思います。

2つ目はBoxオプション機能の「Box Shield」です。Box Shieldは大きく2つの機能があり、アクセス制御と脅威検出が可能です。アクセス制御はユーザー側でルールを作成することで共有リンクに対するアクセス制御等が可能です。さらに機密性の高いコンテンツの自動分類を行い、そのコンテンツに対してのダウンロード制御も可能です。脅威検出は異常なダウンロードなどを検出しアラートを上げることができます。Box Shieldは非常に便利な機能ですが、全機能を利用する場合は高額になる可能性があること、誤検知防止のため定期的なルールのメンテナンスが必要なことが課題として挙げられます。

本ブログでは3つ目の選択肢として弊社の独自ソリューション“MUCV for Box”のご紹介をさせていただきます。

マクニカが提供する保護ソリューション~MUCV for Box~

本ソリューションはBoxユーザーアクティビティ可視化ソリューションです。下記の図の通り、Boxアプリケーションから弊社基盤に向かってログ出力設定いただくことで導入可能です。

【導入構成】

ダッシュボード上で複数の観点からユーザーアクティビティの確認や外部コラボレーションの監視ができます。本ソリューションはもともとあるお客様のご要望により個別に開発したダッシュボードがベースとなっており、下表の通り大きく12個の可視化パネルが用意されております。

【可視化項目一覧】

また、可視化だけでなくリスクのあるアクティビティが行われた際に管理者に通知することもできます。

本ソリューションを利用いただくことで社内ルールに基づいた運用がなされているか一目で確認し、さらにリスクあるアクティビティが行われた際は詳細をダッシュボード上で確認いただくことでセキュアな運用を実現できます。

ご興味持っていただいた方は下記のリンクより詳細をご覧ください。