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株式会社デンソー様

変動市場に対応できるフレキシブル全自動生産システムの開発

自動車産業は、EVの需要が見通せない状況にあり、生産数の変動に対応しなければならない。また、少子高齢化に伴う労働人口減少への対応という課題にも直面しており、 100年に一度の大変革が必要となっている。​ ​

このような状況において、デンソーはフレキシブル全自動生産システムの開発に取り組んでおり、新しい生産システムにおいても従来から大事にしてきた、安全性と生産性の両立を実現すべく、マクニカと安全監視システムの開発に取り組んできた。

 

USER PROFILE
■企業情報:株式会社デンソー様
■事業内容:
デンソーは、先進的な自動車技術、システム・製品を提供する、グローバルな自動車部品メーカーです。 世界初の製品や技術提供を通じて、企業の社会的責任を果たしていきます。

 

マクニカメンバー(写真上段)/李・青木・朝倉
株式会社デンソーメンバー(写真下段)/野呂様・新井様・小玉様・星野様

誰もが安心して働ける、人と機械が共存できる生産システムを目指して

今回の取り組みを始められきっかけを教えてください

星野様:
自動車産業は100年に一度の大変革期と呼ばれる時代を迎えています。製造現場ではフレキシブルな生産システムが求められ、私たちは安全柵なしで使え、様々な動作ができる協働ロボットを採用し、生産計画に合わせて工場内の様々な場所で、用途を限定せずに使用しています。しかし、既存の2D安全センサーだと物体が設定エリアに存在するだけで反応してしまいロボットの動作が遅くなってしまうため、本来反応しなくて良いAGVと必ず検出する必要がある作業者を識別したいというニーズが出てきました。

マクニカと一緒に開発を進められた理由を教えて頂けますか。

星野様:​
マクニカの高い総合技術力ならこの難題を解決できるのでは、と感じたからです。当初AIを使って識別を考えていたのですが、刻々と変わる工場環境に対し、作業者へ警告を出すだけではなく、設備動作を制御して安全保証することは世界のルール的にもまだ認められていない内容でした。そこでセンシング機器の選定からソフトウェア開発までトータルで対応して頂けるパートナーを探しました。マクニカの提案内容はもちろんですが、PoC開発を通して対応スピード、実行力に魅了され、是非とも量産開発を一緒に進めたいと思うようになりました。

MAC青木​
マクニカのセンサーコンサルティングは、自動運転などに使用されるセンサーの選定から導入までを一貫してサポートするサービスです。ユーザー様からのヒアリング・センサーの選定・PoC開発・量産まで製品化を見据えた提案を行っています。

作業員とAGVを識別し、安全と生産性の両立する。

―今回の取り組みや流れについて教えて頂けますか

小玉様:
今回、初めての取り組みであったため全てが手探り状態からのスタートでした。​
そこでまず実施したのは、マクニカからご提案いただいた3Dセンサーを作業現場に取付け、取得した実際のデータの確認を行っていきました。
そのデータを元に、マクニカと3Dセンサーの取付位置だったり、画像処理方法、判定のロジックだったりを、ひとつづつ議論しながら決めていきました。
実装段階においては、作業者の安全に関わるシステムということでマクニカに信頼性の高いシステムの制作を要求させて頂きましたが、密にやり取りをしながら仕様を取り交わし、また、最終的な試験評価においても要求した100以上の項目を評価、確認していただきました。​ ​

MAC 李​
3Dセンサーだけでなくソフトウェアやハードウェアもご提案させていただき、2年間という長い道のりでしたが無事にシステムを完成させることができました。

2030年完全無人化の安心と安全を目指して製造工場の将来像と一番大事にしていることを教えて頂けますか

新井様:
日本は少子高齢化で、製造現場の自動化・無人化の実現は急務です。しかし、人が立ち入ることはゼロではありません。そこで人と機械が共存できる安全システムを実現させてきました。
デンソーは長期方針として、「環境・安心の価値を最大化し、共感を生む」ことを目指し企業活動をしています。工場においても、安全を最優先にし、従業員が安心して働ける職場環境作りを進めていきます。

今後の取り組み

―今後の取り組みについて教えて頂けますでしょうか。

小玉様:
今後数年にわたり実証ラインを増設し本システムの性能評価を行っていく予定です。

―マクニカへの要望・期待することを教えて頂けますか。

小玉様:
システムとしては完成しましたが、実運用時の課題やラインの増設など、様々な問題がこれからもあると思いますが今後も一緒に様々な開発を進められたらと考えています。

MAC 朝倉​:
今後も末永くお付き合いさせて頂きたいと考えております。

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