
icetana Limited
アイセタナ
お話を伺った方
紀北町町役場
財政課 管財契約担当 課長補佐兼係長
東 聡 氏
地方自治体が抱える警備の課題:DX推進の背景
警備業界において人手不足が進むなか、紀北町ではさらに高齢化も進行しており、人手による異常の発見に限界を感じるとともに、24時間対応の窓口業務の向上や人件費の抑制が求められていました。現在、さまざまな業界で人手不足や人件費高騰が深刻化し、業務の継続や質の維持が困難になりつつあります。「人員確保もままならないなかで、警備員による目視だけでは異常に気づけない場面が多数あるのではとDX推進の必要性を痛感していました。」と東氏は語ります。
導入のきっかけ
紀北町が推進しているDXの一環で、警備業務の質を向上させつつ委託費用を抑える方法を模索していたところ、委託業者である株式会社紀北の担当者からマクニカが国内総代理店として提供するicetanaを紹介され、導入を検討することとなりました。「icetanaの導入によって、限られた警備リソースの中で夜間警備の強化、住民サービスの向上、警備員の負担軽減を短期間で実現したい」と導入の狙いを振り返ります。
新しい警備体制と導入効果

icetanaは、各カメラの「通常状態」をAIが自律的に学習し、事件や事故につながる可能性のある「通常とは異なる違和感」を検知して警備員に通知します。難しい設定や専門オペレーターは不要で、警備員は通知内容に応じて現場対応に専念できます。
「AIを活用した警備により警備員の負担が軽減されはじめています。巡回回数が1日4回から1日2回まで減少し、夜間や休日に各種届出等の手続きで来庁した方の対応中でも、異常検知システムが作動することによって警備員が迅速に対応できるようになり、より安全な庁舎内管理ができるようになったと感じます。」また、「AIシステム導入のハードルは特にないように感じました。」と導入の容易さを強調し、「唯一、今回の導入において費用面がどうなるか解らず心配しましたが、物価高騰の状況の中、人件費が主な警備業務においても、前年度より委託料を抑制することができました。」と、人件費削減の効果も感じています。
今後の展望と他自治体へのアドバイス

紀北町役場では、AI技術のさらなる活用を視野に入れており、顔認証システムとの連携による職員の勤怠管理や、フロアの混雑解消など、警備業務を超えた行政サービス全般への応用も検討しています。「マクニカや警備会社との協業を通じて、地域社会と自治体行政のDXを進め、最新のデジタル技術を活用し、『町民の皆さまの利便性の確保』と『業務効率化による行政サービスの向上』を積極的に進めていきたいと考えています。」と、今後の紀北町での取組みを語っていただきました。また、同様の課題を抱える他自治体でもicetanaの導入は有効と語ります。「当町と同様に警備業務の高度化や効率化を検討している自治体は多いと思います。icetanaを利用することにより、当町と同様の問題を抱える自治体にとっては大変有効であると考えます。」
紀北町では警備以外にも公共交通の問題と衰退の著しい基幹産業にDXを活用するため、マクニカが進めている「モビリティ」と「アグリテック」のテクノロジーにも期待を寄せており、今後さまざまな分野で連携を検討し、さらなるDX化を推進していく考えです。