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経済産業省の調査によると、 2021年の物販系分野のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は13兆2,865億円であり、対前年比で8.61%成長しました。2020年から発生しているコロナ禍の巣ごもり消費の影響は継続しているのと同時に、アフターコロナ時代における顧客の新たな購買体験が定着し始めています。 

このような市場環境において、コロナ前からECサイトを運営していた小売・メーカーはもちろんのこと、今まで路面店を中心とした販路によりECサイトを運営していなかった企業にとってもECサイトは大きな成長機会になる可能性が高い一方で、規模を問わず競合企業の参入も増加することによる競争が激化していく可能性があります。 

本記事では、【ECビジネス成長×AI】シリーズとして複数回に分けてECサイト運営において着実に成長をしていくポイントと、AIを活用した解決策や事例についてご紹介していきます。 

筆者プロフィール

Colabofact 代表 / Bsidefunny株式会社 CDO 
小松 夕祐(こまつ ゆうすけ)氏 

法政大学卒業後、株式会社メンバーズ入社。国内大手金融機関やメーカーのウェブサイト構築 / 運用ディレクション、プロジェクトマネージメントを6年半経験・同社マネージャーに従事。 2015年~Amazon Japan G.K.入社。 同社にてサイトマーチャンダイザーとしてデジタルマーケティングにおける戦略から実行、分析までを2年経験の後、バイヤーとして担当カテゴリにおける事業戦略、P/L管理、需要予測、商品企画を経験。 2019年3月~Principle Co.,Ltd.に参画。営業専任部門の立ち上げ、2020年10月より同社DX事業部の立ち上げおよび事業運営責任者を担当。2021年5月Bsidefunny株式会社にパートナー・CDOとして参画。2021年6月より個人事業主として独立。 

【ECビジネス成長×AI】シリーズ 第1回 INDEX

  1. ECサイトで継続成長を実現するポイントとは?
  2. 売れ筋製品にのみ特化して対応すれば良いか?
  3. ECサイト運営は体力勝負?
  4. AIは人的リソースの代替となりうるのか?

1. ECサイトで継続成長を実現するポイントとは?

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ECサイトで継続成長するためには、何をおこなう必要があるのでしょうか。広告やSNS、SEO施策による集客、メールマーケティングなどのCRM施策によるナーチャリングなど、対応すべき施策は多岐に渡ります。ただし、いくら集客施策を行いお客様をサイトにナビゲートしたところで、商品が買えない・買いづらい状況ではビジネス成果にはつながらず、最悪なケースではサイトの印象・ブランディング毀損につながる可能性があります 

例えば、せっかく欲しい商品がありサイト訪問したにもかかわらず、在庫切れであった場合、顧客の期待に応えることができないだけでなく、「このサイトは訪れても在庫がないのでもう来るのをやめよう」と思われてしまわれかねません 

このように、サイトに訪問いただいたお客様の期待を裏切らないためには、以下3つのポイントを意識し、機会損失を最小限に抑えることが重要です 

  1. 在庫:販売中の全ての商品を常に在庫ありの状態にしておく、注文から発送までの期間を最短の状態にしておく 
  2. 価格:販売中の全ての商品にて他社よりも価格が高くない状況を維持しておく 
  3. 商品情報:販売中の全ての商品においてお客様が購買する際に必要十分な情報が正確に掲載されている状態にしておく 

2. 売れ筋製品にのみ特化して対応すれば良いか?

機会損失を最小限に抑える3つのポイントは、売れ筋メインの商品だけでなく、サイト取り扱いのある全ての商品を対象として維持・管理する必要があります。これは、ECサイトと路面店を比較した際に、ECサイトの強みを最大限活かすためで。ECサイトは路面店と比べ物理的な棚の制限がないため、セレクションを多く取り扱うことができる性質があります。セレクションを多く取り扱えるということは、路面店では取り扱いの少ない商品や過去販売されていた商品などの所謂テール商品の取り扱いがしやすくなります。テール品は売れ筋商品と異なり、ユーザーの購買意欲が高い状態でサイトを訪れる可能性が高く、機会損失につながる要素が少なければ、特別な広告などの集客施策をせずとも売上に直結することが可能といえます 

3. ECサイト運営は体力勝負?

機会損失を最小限に抑えるための施策を、継続的に、全ての取り扱い製品に対して実行する場合、課題となってくるのが運用リソースです。取り扱い製品が数十であれば、まだ人的な運用も可能かもしれませんが、取り扱いが数百万や数千万を超えてきた場合、人的運用は莫大なコストが必要、もしくは不可能となる可能性が高いでしょう。特に昨今ではデジタル人材不足が日本全体の課題として挙げられる中で、セレクション拡大と比例し人員増加となると必要人員が獲得できず、ビジネス成長における大きなボトルネックとなるかもしれません 

4. AIは人的リソースの代替となりうるのか?

このような課題を解決する手段として、AI/機械学習の活用が挙げられます。AI/機械学習の活用シーンとしてビジネス・プロセスの改善や自動化がありますが、AIを導入することで全てが解決し得るのでしょうか。総務省の調査によると、IoTやAIなどのシステム・サービスを導入している企業の割合はわずか12.4%であり、導入予定の企業を含めても約2割程度です。国外の企業と比較しても、日本はAIが活用できている割合が少なく、また活用できていたとしても、効果を実感している企業が少ない状況です。これは様々な課題が複雑に絡み合って生じているものと想定されますが、大きな要因の一つとしてビジネス・プロセスが一度決まったら変わらない固定的なものではなく、内外の様々な変化に柔軟に対応していく可変的なものであることが考えられます 

様々なビジネス・プロセスの変化に対応しながらAIを活用し、スケール感のある運用の仕組みを構築するためにはどのようにすれば良いのでしょうか。鍵となるのは、AIと人的リソースのハイブリッド運用です。このハイブリッド型運用を成功させたアスクル株式会社様の事例を含めた詳しい内容は下記ホワイトペーパーでご紹介していますぜひダウンロードしてご覧ください。 

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第2回はECサイトの継続成長、顧客からの信頼獲得に重要なポイントの1つである「商品情報」の管理・最適化について予定しています。
お楽しみに!
 

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