的確な発信で、潜在需要を掘り起こす

Interview09

坂手 裕紀

2012年新卒入社 マーケティング職
クラビス カンパニー ストラテジックマーケティング室

Chapter1 強みを活かし、新たな分野に挑戦する

現在私はクラビス カンパニーのストラテジックマーケティング室に所属してマーケティング業務を行っておりますが、入社直後はフィールドアプリケーションエンジニア(FAE)として、米国半導体メーカー製品の技術サポートを行っておりました。グローバルな舞台で「人と技術を繋ぐ」というFAEのポジションに魅力を感じてマクニカへの入社を決めたのですが、想像以上に業務がハードで(笑)。マクニカの権限移譲の文化は偽りではなく、若手の頃から大きな仕事を任せてもらえますが、求められる技術力もレベルが高く、未熟な自分が情けなくて会社のトイレに駆け込んで涙を流し、同期に慰められることも少なくありませんでした。それでも3年間努力を積み重ね、ようやくエンジニアとして独り立ちできたかなと思う頃に、当時の上司から声がかかったのです。「坂手さん、マーケティングやってみない?」と。それまで私は業務の一環として、お客様からの質問に対する回答をまとめたり、マニュアルを作成したりしていたのですが、その上司は私のお客様にわかりやすく情報を伝える力が強みだと評価してくれていて、マーケティング職であればその強みが最大限活かされるのではと新しい道を用意してくれたのです。それまで私が努力していた姿を上司がよく見てくれていたことがとても嬉しかったですね。

こういった経緯から、私はクラビス カンパニーで取り扱っている製品のマーケティングを担当することとなりました。一般的にマーケティングと言うと、製品が自然に売れていく仕組みを作ることですが、私たちはお客様に情報を発信して、製品の認知度を上げることや、製品の詳細な情報を知っていただく場を作る仕事をしています。いわゆるお客様のニーズと、クラビス カンパニーの製品やソリューション、サービスとの「接点を生み出す」仕事です。通常の営業活動や技術サポートでは提案する製品の強みや使用方法についてご説明しますが、マーケティングはその一歩手前の「お客様が抱える課題は何か」、「これらの製品を使ってどのように課題を解決できるのか」という視点に立って、いかにわかりやすく情報を発信するかが重要になります。上司が推薦してくれた通り、私の長所が活かされることが多く、自分に合っているポジションだと感じています。

Chapter2 お客様と仕入先、双方のニーズをつなぐ

クラビス カンパニーのマーケティングチームの業務は、常にチャレンジが求められ、社内や仕入先からの要求値も高いですが、同時にやりがいも大きいです。以前、米国の仕入先メーカーから「方法は問わないから我々の製品の認知度を上げてほしい」というリクエストをもらったことがありました。その仕入先メーカーの製品は、AIによる顔認証や属性分析を実現する製品で、競合製品と比べると圧倒的にパフォーマンスに優位性があり、当時海外での活用は広がってはいたものの、国内の活用事例が限られており、仕入先メーカーとしてもクラビス カンパニーとしても、効果的な拡販活動を行う必要がありました。そこで私たちは、AIを活用して「工場ラインの検査工程や工場員の作業管理を効率化したい」というニーズが高まっている製造業をターゲットのマーケットと定め、マクニカ主催で製造業のお客様向けにAI活用セミナーを企画しました。セミナーを開催するにあたって意識したことは、とにかくお客様にとって魅力ある、実りあるイベントにすることです。そのために、2か月半という短い期間ではありましたが、お客様が参考としたくなるような導入事例を聞くことができるよう、実際に自社内にAIを導入して効果を出し始めている企業の方や、製造業向けのAIソリューションを開発している企業の方にも講演いただけるよう調整しました。その結果、お客様にとって魅力ある情報が詰まったイベントにでき、300名以上の方にご参加いただくことができたのです。通常の営業活動でこれだけ多くのお客様にアプローチすることは多大なリソースと時間を要すため、300名にも及ぶお客様に情報を提供できたことに大変満足しています。また、参加者のリード情報(自社の商品やサービスに関心があり、近い将来購入の可能性がある顧客情報)も獲得することができたため、今後の営業活動に有効活用できるようになった点でも、社内や仕入先に大きく貢献できたと考えております。このイベントを通して、たくさんのお客様や仕入先メーカー、社内のチームメンバーから感謝の言葉をいただくことができ、大きな達成感を感じたことは今も忘れられません。

私たちマーケティングチームは、定常的で決められた業務が無いからこそ、自ら目標を定め、どのような方法であればそれを実現できるか考え、実践する必要があります。難しい仕事ですが、手探りだからこその面白みがありますね。

Chapter3 足下に種を蒔き続け、育てる仕事

私たちは国内のお客様がまだ知らない世界の最先端技術を取り扱っています。だからこそ、まずはその技術に対する「市場の反応」を見る必要があります。私たちもその技術のニーズは今後高まっていくだろうと予測を立てて、仕入先メーカーと取引契約を締結していますが、実際に「お客様がその技術をどう受け止めるのか」、「本当に画期的なソリューションであるのか」、「価格はお客様にとって適切であるか」などの反応を見る必要があります。その反応を効果的に確認することができるのがマーケティングなのです。限られた営業リソースでは実現できない、重要な役割です。

また、マーケティングの仕事は、マクニカの存在意義を示しているパーパスに合致する重要な仕事だとも感じています。マクニカのパーパスの中には「世界中の技:先端テクノロジーと知:インテリジェンスを探索し、その種を足下に蒔き続け、育て、つなぎ、つむぐ」という文言があります。私たちマーケティングチームは、この足下に種を「蒔き続ける」「育てる」という部分を担っています。マーケティングは、その製品へのニーズも高く、製品の認知もしている「明確層」や製品購入を検討している「顕在層」だけではなく、明確なニーズを持っておらず、製品への関心度が低い「潜在層」のお客様にも情報発信をしていきます。

また、その上で、情報提供の際に獲得したリード情報をもとに定期的にお客様に情報を配信し、お客様の興味喚起を行い、「明確層」や「顕在層」に育て、営業やエンジニアがアプローチするまでの導線を作るところまで行います。営業やエンジニアが最終的にお客様の課題解決という大きな花を咲かせることができるよう、これからも日々努力を重ねていきたいと思います。

今後の目標・抱負

現在私は、自分の強みが活かせる大変やりがいのある仕事を任せてもらっており、プライベートでも夫と二人の子供と楽しい日々を過ごせているので、今が社会人人生の中で一番充実しているなと感じています!入社前に想像していた「バリバリ働き、プライベートも充実させる」というイメージに近づいてきたと実感していますね。今後の目標は、唯一無二の存在になり社内外の架け橋となることです。「坂手さんがいたからこそ、実現できた」「坂手さんと一緒でなければ成し遂げられなかった」と言われるようなビジネスパーソンに成長していきたいですね。

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