AIを駆使して、
イノベーションをリードする

Interview07

馬場 勇気

2016年新卒入社 技術職(サービス・ソリューション)
イノベーション戦略事業本部
デジタルインダストリー事業部 CBMソリューション部

Chapter1 強い想いを胸に、製造業の変革を支える

入社した当初、私はフィールドアプリケーションエンジニア(FAE)として、米国に本社を置く仕入先メーカーの半導体製品の技術サポートを行っておりました。マクニカの主要ビジネスである半導体事業を技術で支えるFAEの仕事は非常にやりがいがありましたが、入社二年目に私のキャリアに転機が訪れます。社内でAIを主軸とした新事業を立ち上げることになり、イノベーション戦略事業本部が設立されたのです。それまで私はAIに関連する半導体製品を担当していたのですが、ハードウェアのサポートだけでなく、AIソリューションに深く関わるビジネスに携わりたいと思い、自ら手を挙げてイノベーション戦略事業本部に異動しました。現在は製造業向け異常検知AIのエンジニアとして活動をしています。

製造業の業界では、長年、製造設備の突発故障・異常によって生じるダウンタイム(設備の動作が停止・中断している時間)が問題になっています。ダウンタイムの長期化は生産効率の低下を招き、企業として獲得できたはずの利益を失う機会損失が発生します。金額にすると数百万円~数億円という規模にもなりえるのです。そのため、迅速かつ正確な設備の復旧作業が求められますが、昨今は日本の少子高齢化に伴うメンテナンス作業員の減少や作業員個々のノウハウに依存する作業の属人化によって、質の高いメンテナンスを安定的に実施することが難しくなっています。そのような状況の中、私たちは製造業のメンテナンスの在り方を変え、工場の生産性をより高めることを目指し、日々活動しています。

Chapter2 目指すのは、真のプロフェッショナル

イノベーション戦略事業本部に異動してからは大変な日々が続きました。文字通りAIエンジニアのビギナーでしたし、当時社内にはAIの分野に精通している人がほとんどおらず、手厚い研修が用意されている状況でもありませんでした。しかし、私が別の部署から異動してきたことや社内の教育体制が整っていないことは、お客様には全く関係のないことですので、お客様に満足いただけるサポートができるAIエンジニアになれるよう、がむしゃらに努力しました。まず目指したのは、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施するAIに関する資格の取得です。統計学やディープラーニングのメカニズムを深く理解する必要があるこの試験は、難易度が非常に高いため、平日は朝と夜に、週末も休日を返上して徹底的に勉強しました。結果、多くの方々が受験する資格よりももう一段難易度の高い「E資格」を取得することができました。しかし、知識の習得だけではエンジニアは務まりません。実際に現場で手を動かしてビジネスの肝となるAIを作り上げ、お客様にとって有用なサービスを提供する必要があります。そこで私は、マクニカのデバイスを活用して、様々なデータをセンシングし、AIをプログラミングするという検証作業を何度も何度も行いました。AIを作り上げる過程は容易ではありません。センシングしたデータをAIに適切に学習させるためには、我々エンジニアが莫大な量のデータの前処理を行う必要がありますし、AIのプログラミング方法も多種多様であるため、創意工夫を凝らさなければなりません。これらの作業は尋常でない根気が必要ですが、めげることなく継続して行い、必要とされるスキルやノウハウを蓄積しました。こういった努力の積み重ねによって、異動して2年ほどで、自分でも一人前のAIエンジニアであると自負できるレベルまで成長することができました。お客様が求めているのはベストサービスを提供できる「プロフェッショナル」です。お客様が抱えている真の課題を解決するサービスを提供できる、お客様から頂いたお金に見合う以上のサポートができる、そのような質の高いサービスやサポートを提供できる「プロフェッショナル」であり続けられるよう、これからも現状の自分に満足することなく、日々成長していきたいと思います。

Chapter3 検証を繰り返し、最善のAIを育てる

昨今、AIが広く認知され、多くの方がAIは決して真新しいものではないと認識されているかと思いますが、AIの実用化の難易度は非常に高く、AIソリューションの導入を進められていない企業は少なくありません。AIソリューションを導入するためには、AIに関する専門知識や統計学に精通しているだけでなく、その提供方法を考えるアプリケーション開発の知識や業界特有のナレッジを有する「プロフェッショナル」が必要です。どれか一つに特化しているエンジニアだけではAIソリューションの導入は困難であるという事が、多くの企業で導入が進んでいない背景の一つとなります。

また、AIを導入すれば自分たちの抱えるあらゆる課題をすぐに解決できるのではと認識されているお客様もいらっしゃいますが、ベストなAIが一度の開発で実現できることはほぼありません。検証を何度も繰り返してAIをブラッシュアップし、最善なAIを「育てる」という過程が必要となります。だからこそ、マクニカが「イニシアチブを取る」ということが求められているのです。

マクニカにはAIプロジェクトを成功に導くプロフェッショナルが多数在籍しており、課題のヒアリングからソリューション提案、更には実用化まで、一気通貫して徹底的にお客様をサポートすることができます。さらに、マクニカはお客様が適切な意思決定を行えるよう、お客様に最も適するAI技術を組み合わせた知見を提供し、課題に対する最適解に導く活動を行う、AIの研究組織「ARIH」を有し、今後もお客様に対する課題解決力は増していくでしょう。

これらのマクニカの持つ力を総結集し、製造業のお客様が抱える課題のひとつひとつに向き合い、今まで誰も成し遂げてこなかったAIソリューションの創出と社会実装によるイノベーションをリードすることに今後も全力を注いでいきたいと思います。

今後の目標・抱負

今より更にAIの活用に精通したエンジニアを目指しています。お客様が求めているサービスやソリューションを提供するためには、AIとそれを実装する幅広い技術への深い理解が必要です。一見お客様の要望がシンプルなものに見えても、それを実現するためには、奥深くて複雑なAIを熟知したスペシャリストにならなければいけません。マクニカに在籍する優秀なAIエンジニアの知見を吸収しながら、今後も成長を続けていきます。

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