AI(人工知能)が急速に進化し、日常で触れる様々な場面でAIが活用されるようになりました。AIの学習能力は飛躍的に向上し、不審者の検知や無人店舗管理システム、混雑緩和など、カメラによる画像データを用いた人物の行動分析や属性分析、認証などが、いま進化を遂げています。

本記事では、「画像解析」に焦点を当てて、解決出来る課題や導入例についてご紹介します。

IVAってなに?

IVAとは、「Intelligent Video Analytics」(インテリジェントビデオ分析)の略称です。IVAは、高度な処理能力を持つAIを利用して画像を解析するシステムのことを指します。

IVAを活用できる業種・業界

様々な分野で活躍が期待されているIVAですが、以下のような業種・業界で課題解決に活用していただけます。

・製造業
・建設、建機業界
・社会インフラ(空港、道路、鉄道)
・小売業
・飲食業
・ホテル
  など

IVAが解決できる課題

IVAの利用により解決出来る課題として、下記6つの代表例を紹介します。

IVAが解決できる課題

①異常検知(行動・モノ)

不審な行動をする人

課題:品質低下を引き起こす異常行動の検知
         不審者の発見
解決:AIによる不審な「行動」の検知

製造業の現場では、品質低下につながる異常行動をなくしたいといった声や、小売業・ホテルでの防犯対策として、不審者の発見や、犯罪を未然に防止したいというご要望があります。
AIのアルゴリズムに不審な動きを検知できるモデルを搭載することで、従来の防犯システムでは検出が難しかった「行動」の異常を検知することが可能です。

目視検査の様子

課題:目視検査の品質ばらつきをなくしたい
解決:AIによる外観検査の自動化

工場で製品の品質確認をする際、薬品や自動車部品などでは、まだコンピュータではなく目視による検査が多く行われています。個人差による品質のばらつきを防ぎたいという課題に対し、AIによって外観検査を自動化することにより、品質の向上や安定性を実現します。

②人手不足・人件費削除

人手不足の建設現場

課題:製造ライン/小売店/建設現場の人員を減らしたい
   属人化している業務の作業レベル不足を解消したい
解決:AIによる機器の自立化・自動化

日本における人口減少が社会問題となっている中、人手不足や人材育成、人件費の削減の課題を抱えている方が多くなりました。AIの進化により単純作業だけでなく熟練技術をデジタル化することにより、未熟練者の操作を支援し、生産性の向上に繋げ、その結果人員を減らすことができます。

③安全確保

何らかの要因で電車が止まってしまった場面

課題:危険エリアや制限されたエリアへの侵入を検知したい
   鉄道線路への転落を未然に防ぎたい
解決:AIによるエリア内の人物検知 

製造工場や建設現場では、人体に危険を及ぼす場所があり、そのエリアに人が侵入した場合にアラートを鳴らしたいといった要望があります。また空港や道路、鉄道などでは転落や衝突事故を防ぎたいといった課題には、監視カメラの画像にエリアを指定し、そのエリア内の人物を検知させることが可能です。従来のセンサーでは動物を誤検知することもありましたが、AI解析により人物を正確に検出することができます。

④業務効率化

入退出に暗証番号が必要なドア

課題:頻繁に入れ替わる従業員の管理が難しい
   入退出の管理を効率化したい
解決:AIによる顔認証・属性分析 

膨大な人数の従業員が日々出入りするような場所では、人によって決められたエリアにのみ入出が許可されている場合があり、入退出の管理が大変です。最新のAIでは顔認証・属性分析が容易で、膨大なデータを作るために時間は要さず、集合写真や出勤時の映像から抽出し、簡単に認証用のデータを作成できます。

⑤混雑緩和

交通渋滞

課題:車の交通渋滞を解消したい
   人の混雑状況を把握したい
解決:AIによる交通量・人数の把握 

カメラの映像を元に交通渋滞をAIで可視化し、交通量に応じて信号を変えることにより事故防止につなげる動きがあります。また、ホテルや病院などの混雑状況を把握し、混雑している時間帯を避けることができ、利用者の満足度向上を実現するために多方面での活用が期待されています。

⑥付加価値創出

買い物をする人の様子

課題:来店者の属性や導線の情報をマーケティングへ応用したい
解決:AIによる属性・行動分析と既存データを組み合わせる 

蓄積した映像データを元に、来店者の属性や行動分析を行うことができます。属性や滞在時間、導線の分析結果と従来からある環境データや会員情報を掛け合わせることにより、小売店であれば商品や棚一の見直しやピーク時間の把握など、付加価値を生み出す可能性に注目が集まっています。

IVAは既存システムへ簡単に導入可能

IVAが様々な課題解決に活用できるため、ご興味を持っていただけた方も多いはずです。では実際にIVAを導入するにはどのような機材が必要なのでしょうか。想定されるお客様の既存システムは以下の通りです。

既存システムの機材
・カメラ  (入力)
・モニター (出力)
・ビデオレコーダー (記録)
・インターネット環境 (通信)
・電源 

もしこの機材がそろっていれば、実はIVA導入は簡単に行えるのです。

IVA導入にはAIパッケージ製品を追加

AIパッケージ製品を追加していただくだけでIVA導入が完了します。AIパッケージ製品には、学習済みAIモデルとそれらを処理するNVIDIA GPU内蔵サーバーが含まれます。AIモデルは用途によってご選択が可能で、例としては、顔認識、属性分析、行動分析、人数カウント、導線分析、交通量調査などから選んでいただけます。

導入検討の前に、PoCで終わらせない方法を知っておきませんか?

本記事では、IVAとは何か、解決できる課題や導入についてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。例には載っていなかった課題をお持ちの方や、全く新しい試みをお考えの方で、少しでもご興味があればぜひお問い合わせください。

また、10分でわかる動画シリーズとして「PoCで終わらせない!AI画像解析 導入の秘訣」を無償で公開しています。

本動画は、PoCのよくある失敗と失敗しないための進め方が学べますので、これからAIを使った画像解析ソリューションの導入を検討されている方や、勢いよく始めたPoCを中断された方におすすめです。ぜひ、こちらもご覧ください。

お問い合わせはこちら