
大人用おむつにはどんなものがある?

大人用おむつを大きい分類に分けると、「リハビリパンツ」と「テープ止めおむつ」があります。
リハビリパンツとは、いわゆるパンツタイプのおむつのことです。
下着のような感覚で使用するため、自力でトイレに行かれる方、もしくは介護付きでトイレに行くことができる方に向いている排泄用品です。
近年ではうす型化されているため、着用後のシルエットがより自然で、使い心地も良いものになってきています。
テープ止めおむつは、名前の通りテープで止めるタイプのおむつです。
下着のように履くリハビリパンツとは異なり、ベッドに横になったままでも交換しやすいため、寝たきりの方のための排泄用品として使用されることが多いです。
また、吸水性が高く、尿取りパッドと併用することで、よりおむつ交換の負担を減らすことができます。
・どんな方に向いているのか
リハビリパンツ
・自力でトイレに行ける
・入院中、退院直後で筋力が低下している
・尿便意があっても、トイレまで間に合わないことがある
・立ち上がりなど力を入れた際に、漏れてしまうことがある
・下着とパットだけでは漏れが不安 など
テープ止めおむつ
・寝たきりの方
・歩行、座位保持が困難な方
・夜間の尿漏れが不安 など
おむつ交換の際介護する側が楽になっても、使用するおむつの種類が本人の希望に沿っていなかったり、ADLにそぐわないおむつにすることで排泄機能・身体能力が低下する要因となってしまっては良くありません。
どちらのタイプを使用するのかは、本人のADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)の観点から判断しましょう。
どうやって選ぶべき?
排泄用品は、様々なメーカーが売り出しており種類が豊富にあります。
選ぶ際にはどういう点に気を付ければよいでしょうか。
①吸収量
同じメーカーでも、「長時間用」と「うす型タイプ」があり、うす型のほうが吸収量の少ないものがほとんどです。
種類によって差はあるものの、リハビリパンツは3~5回、テープ止めおむつは2~4回吸収できるものが多いです。
本人の尿量やトイレの回数など考慮し選定しましょう。
②サイズ
S~LLまでサイズを売っているメーカーが多いです。
メーカーによって、サイズ差が異なるため、ウエストのサイズ表示を確認したうえで選定しましょう。
③通気性・質
おむつは長時間つけるものなので、皮膚トラブルを起こしてしまう場合もあります。
通気性の良さ、弱酸性素材など肌に優しいものを選定し、それでも肌の赤みなどが見られる場合は、保湿剤を塗り、肌を保護すること
が必要です。
おむつを履いているのに漏れてしまう
おむつを使用しているのに衣類まで濡れてしまう、という悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
漏れの要因は以下のパターンが考えられます。
・サイズが合っていない
体のサイズよりもおむつが大きい場合、足の付け根に隙間ができてしまい、尿漏れしてしまうこともあります。足回りの大きさに合っ
たおむつにすると良いでしょう。
テープ止めおむつでどうしても隙間ができてしまう場合は、おむつの上からリハビリパンツを着用し、固定するという方法もありま
す。
・正しいつけ方ができていない
使用前はとてもコンパクトになっているため、事前に「付け根のギャザーを立てる」、リハビリパンツであれば「両手を入れ2~3回横
に伸ばす」という準備もする必要があります。
・吸収量が足りない
サイズ・つけ方に問題ないのに漏れてしまうという場合は、厚手のおむつに変更する、もしくはおむつの中に尿とりパッドを入れると
良いです。リハビリパンツに関しては、専用のマジックテープ式のパットのほうがずれにくいためおススメです。
尿取りパッドを併用することによって、オムツ費用・介護の負担も軽減することができます。

また、排尿したことに気づけない方もいるため、介護者がこまめにチェックすることによって尿漏れの予防になります。
本人の気持ちを尊重しながらサポートしましょう。