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空気質ブログ 第5回:香りと空気質が"気分"を変える?科学で読み解く快適空間の秘密

「なんだか気分がすっきりしない」「集中できない」――そんなとき、原因は“空気”かもしれません。

私たちは食事や睡眠には気を使いますが、毎日吸っている空気の質については意外と無頓着です。実は、空気の中に含まれる成分や香りは、脳や感情に直接影響を与えることが科学的にわかっています。

本記事では、空気質と香り分子がどのように気分や行動を左右するのか、そして介護施設や工場休憩室などで実際に行われている改善事例を紹介します。あなたの身近な空間も、ちょっとした工夫で「もっと快適」に変えられるかもしれません。

空気質とメンタルの意外な関係

私たちは毎日、約15,000リットルの空気を吸っています(WHO 報告)。その空気の質が、脳や気分に影響することは、複数の研究で確認されています。

WHO の「Air Quality Guidelines」によると、PM2.5 や VOC(揮発性有機化合物)は呼吸器疾患だけでなく、脳の炎症やストレス反応を引き起こす可能性があります (WHO, 2021※1) 。つまり、空気質は「体調」だけでなく「気分」にも直結するのです。

PM2.5 は微小粒子で、肺から血流に入り、脳に炎症を起こすことが報告されています。これにより、認知機能低下や気分障害のリスクが高まります(WHO「Ambient air pollution and health」※2)。一方、VOC は家具や建材から発生する化学物質で、頭痛・集中力低下・イライラを誘発します。また、大気汚染がメンタルヘルスに悪影響を与える可能性は、複数の国際的研究で指摘されています。

なぜこれほど影響が大きいのでしょうか?

脳は酸素を大量に消費する臓器です。空気質が悪いと、脳への酸素供給が妨げられ、疲労感・集中力低下・気分の落ち込みにつながります。さらに、VOC や微粒子はストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を増加させるとも言われています。

つまり、空気質の悪化は「見えないストレス源」なのです。

香り分子は感情のスイッチ

私たちは「いい香りを嗅ぐと気分が変わる」という経験を日常でしています。これは単なる感覚ではなく、科学的に説明できる現象です。嗅覚は脳の扁桃体や海馬と直接つながっており、感情や記憶を司る領域にダイレクトに影響すると言われています。つまり、香り分子は脳に届くと、ストレスを和らげたり、集中力を高めたりする“感情のスイッチ”になるのです。

例えば、ラベンダーの香りはリラックス効果があることが複数の研究で確認されています。一方、柑橘系の香りは覚醒効果を持ち、集中力を高める作用があると言われています。こうした香りの効果は、介護施設や工場など、長時間過ごす空間で特に重要です。昼間眠ってしまう高齢者に対して、アロマディフューザーを活用することで生活リズムが改善された事例もあるそうです。

香りは単独で働くわけではありません。空気質と組み合わせることで、その効果はさらに高まります。VOC や不快な臭いが残る環境では、どんな良い香りを加えても快適さは半減します。だからこそ、空気質の改善+香り分子の調整が、メンタルヘルスや行動改善に直結するのです。

現場で変わる空間 ― 介護施設と工場休憩室の事例

空気質と香り分子が気分に影響することは科学的にわかっています。では、実際の現場ではどのように活用されているのでしょうか?ここでは、介護施設と工場休憩室という 2つの事例を紹介します。

介護施設:昼間の眠気と不安を減らすための環境づくり

高齢者施設では、昼間に眠ってしまい生活リズムが乱れる、生活環境の変化による心理的不安から離設してしまうといった課題があります。快適な室内環境を維持することは、こうした課題への対応において重要だと考えられています。ここで効果を発揮するのが、空気質の改善+香り分子の活用です。

 ・換気とVOC低減で空気をクリアに保つ
 ・昼間は柑橘系の香りを導入 → 覚醒効果で眠気を軽減
 ・夜間はリラックス系の香り → 入眠をサポート
 ・安心感を与える香りで心理的不安を緩和 → 離設リスクを低減

実際に、こうした取り組みで利用者の活動性が向上した事例が報告されています。

工場休憩室:10分でリフレッシュできる空間へ

製造現場では「休憩時間なのにスマホを見続けて休憩にならない」という問題があります。背景には、空気質の悪化や不快な臭いがあり、心理的にリラックスできない環境が原因です。ここで導入されたのが、AiryQonnect によるモニタリング技術です。

 ・VOC や匂い分子をリアルタイムで測定
 ・空間の快適度を数値化し、改善ポイントを明確化
 ・換気+香り分子の調整で、短時間でリフレッシュできる空間を実現

AiryQonnect は、センサーで匂い成分や VOC を検出し、データをクラウドで管理することで、「感覚」ではなく「科学」で快適さを保証する仕組みを提供します。

科学で支える快適空間 ― モニタリングの重要性

空気質や香り分子の重要性は理解できても、感覚だけに頼ると快適さの判断は曖昧です。ここで重要になるのが、科学的なモニタリングです。WHO のガイドラインでも、空気質の管理には「定量的な測定」が不可欠とされています(WHO, 2021※1)。AiryQonnect は、VOC や匂い分子をリアルタイムで測定し、クラウドでデータを管理するシステムです。これにより、空間の快適度を数値化し、改善サイクルを回すことができます。介護施設や工場、オフィスでの導入は、働き方改革や QOL 向上にも直結します。

最後に、空気質を見える化する手段として、マクニカでは CO₂ PM2.5TVOC、温湿度などをリアルタイムで測定できる AiryQonnect を提供しています。職場の空気を見える化することで、働きやすさを科学的に支えることができます。ご興味がある方はページ下部の「サービス概要ページへ戻る」より詳細をご覧ください。

■参考資料:
(※1) WHO Guidelines on Ventilation and Air Quality (2021)
            https://www.who.int/publications/i/item/9789240034228
(※2) WHO「Ambient (outdoor) air pollution and health」
           https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/ambient-(outdoor)-air-quality-and-health

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