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空気質ブログ 第4回:働きやすさは"見えない空気"から--空気質改善がもたらす健康と集中力

なんとなく感じる「働きにくさ」、その正体は?

午後になると、なんだか頭が重い。集中力が続かない。眠気が襲ってくる。

でも、睡眠は足りているし、仕事も嫌いじゃない。——そんな経験、ありませんか?

実はその「なんとなく働きにくい感じ」、空気のせいかもしれません。職場の空気は、目に見えないけれど、私たちの体調や思考力に確実に影響を与えています。特に、CO₂(二酸化炭素)濃度が高くなると、脳の働きが鈍くなり、判断力や集中力が低下することが、複数の研究で示されています。たとえば、ハーバード大学の研究では、CO₂濃度が 1,000ppm を超えると、意思決定能力が最大 50% 低下するという結果も報告されています (※1)。これは、会議室や執務室など、換気が不十分な空間では十分に起こり得る現象です。

空気は“見えないけれど、確実に影響する”

私たちは1日に約15,000リットルもの空気を吸っています。そのほとんどが、職場や自宅などの室内空気です。にもかかわらず、空気の「質」について意識する機会はほとんどありません。水や食べ物の安全性には敏感でも、空気は「ただそこにあるもの」として扱われがちです。

しかし、空気質 (Indoor Air Quality:IAQ) は、健康・快適性・生産性に直結する重要な要素です。たとえば、以下のような空気成分が、私たちの体調や気分に影響を与えます。

 ・CO₂(二酸化炭素):濃度が高いと集中力・判断力が低下
 ・PM2.5(微小粒子状物質):呼吸器系への悪影響、アレルギーの原因
 ・TVOC(揮発性有機化合物):頭痛、倦怠感、シックハウス症候群の原因
 ・温湿度:快適性やウイルスの活性度に影響

これらはすべて、目に見えないけれど、確実に私たちの働き方に影響を与える要因です。空気質が悪いと、なんとなく不調を感じたり、仕事のパフォーマンスが落ちたりする。逆に、空気質が整っていると、集中力が続き、気分も安定し、職場の雰囲気も良くなる——そんな変化が、実際に起こるのです。

科学が示す空気質とパフォーマンスの関係

空気の質が、私たちの集中力や判断力、さらには生産性にまで影響を与える——これは感覚的な話ではなく、科学的に裏付けられた事実です。

たとえば、ハーバード大学の研究では、CO₂ 濃度が 950ppm で認知能力スコアが 15% 低下し、1400ppm では最大50%低下するという結果が報告されています。これは、戦略的思考や情報活用能力など、仕事に直結する能力に影響を与えるレベルです。また、PM2.5 や TVOC(揮発性有機化合物)といった空気中の微粒子や化学物質は、アレルギー症状や頭痛、倦怠感、さらにはシックハウス症候群の原因にもなります。

これらの症状は、欠勤率の上昇や離職リスクの増加にもつながりかねません。さらに、温度や湿度も重要な要素です。たとえば、室温が 28℃ を超えると作業効率が著しく低下するという研究もあり、空気質は「快適性」だけでなく、「パフォーマンス」にも直結しているのです。

空気要素 影響内容 科学的知見の例
CO₂ 濃度 判断力・集中力の低下 950ppm で 15%、1400ppm で最大 50% 低下(ハーバード大学)
PM2.5 呼吸器系への悪影響、アレルギー WHO 基準を超えると健康リスク増大
TVOC 頭痛・倦怠感・集中力低下 シックハウス症候群の原因物質
温湿度 快適性・作業効率に影響 28℃超で作業効率が著しく低下(建築環境工学)

表:空気質とパフォーマンスの関係

空気質を“見える化”するという選択肢

空気は目に見えません。

だからこそ、「なんとなく不調」の原因として見過ごされがちです。でも、もし空気の状態を数値で“見える化”できたら——その不調の原因を突き止め、改善することが可能になります。

空気質モニタリングでは、CO₂、PM2.5、TVOC、温度・湿度などの空気成分をリアルタイムで測定し、そのデータをもとに、職場環境の改善につなげることができます。これにより、空気質は「なんとなく気になるもの」から、改善できる職場環境の指標へと変わります。そして、空気質の改善は、従業員の健康や集中力だけでなく、職場の雰囲気や企業の印象にもポジティブな影響を与える可能性があります。

空気を変えると、職場が変わる

働きやすい職場とは、設備が整っていることだけではありません。

人間関係、業務の仕組み、そして——空気もまた、働きやすさを左右する重要な要素です。空気質が整っている職場では、従業員の集中力が持続し、体調不良による欠勤も減り、結果として生産性やチームの雰囲気にも好影響を与えます。さらに、空気質への配慮は、企業の姿勢としても評価されるようになってきています。健康経営、ESG、WELL認証など、空気環境は企業価値の一部として捉えられる時代です。

まとめ:空気は“見えない資産”

空気は目に見えません。

でも、見えないからこそ、意識することが差になる。そして、意識した空気を“見える化”することで、改善の一歩が踏み出せます。空気質を整えることは、従業員の健康や働きやすさへの投資であり、
企業の未来を支える“見えない資産”なのです。

まずは、空気を“見てみる”ことから始めてみませんか?

最後に、空気質を“見える化”する手段として、マクニカでは CO₂ や PM2.5、TVOC、温湿度などをリアルタイムで測定できる AiryQonnect を提供しています。職場の空気を見える化することで、働きやすさを科学的に支えることができます。ご興味がある方はページ下部の「サービス概要ページへ戻る」より詳細をご覧ください。

■参考資料:
(※1) Allen, J.G., MacNaughton, P., Satish, U., Santanam, S., Vallarino, J., & Spengler, J.D. (2016).
           Associations of Cognitive Function Scores with Carbon Dioxide, Ventilation, and Volatile Organic Compound Exposures in Office Workers:
           A Controlled Exposure Study of Green and Conventional Office Environments. Environmental Health Perspectives, 124(6), 805–812.
           DOI:https://ehp.niehs.nih.gov/doi/10.1289/ehp.1510037

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