
こんな方におすすめの記事です
・話題のAIサービス「ChatGPT」の概要をつかみたい
・ChatGPTの具体的な実用事例を知りたい
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はじめに
こんにちは!
今回の記事は話題のAIサービスChatGPTについてです。毎日のニュースで聞かない日はないと言っても過言ではない同サービスについて、概要・できること・注意点・今後の展望などをまとめました。
ChatGPTとは
ChatGPTは、OpenAIが開発した自然な文章を生成できるチャットサービスです。自然言語処理に特化したAIで、人工的に生成された会話を行えるほか、テキストの生成、質問応答、文章の要約、言語の翻訳など、様々なことに利用できます。
GPTは「Generative Pretrained Transformer」の略で、深層学習アーキテクチャを用いて自然言語を処理するためのニューラルネットワークモデルのことを指します。
ChatGPTは膨大な量のテキストデータを学習しており、人工知能としての「知識」を蓄積しています。これにより、まるで人が書いたような、自然な言語での質問や会話に対する応答を生成できます。
ChatGPTを作成したOpenAIは2015年に設立された人工知能研究機関であり、設立メンバーとしてイーロン・マスク氏、サム・アルトマン氏らが名を連ねています。同社は人工知能技術の開発や研究を行い、その成果をオープンソースとして公開することで、世界中の研究者や開発者が利用できるようにしています。
ChatGPTは同社が開発した自然言語処理技術の最新の成果であり、その革新的な機能が話題となりました。またChatGPTのリリース後、同社の評価額は290億米ドルに上昇し、2021年時の140億ドルから2倍以上に増加しました。
登録ユーザー数はわずか2ヶ月で1億人を突破し、史上最速の成長を遂げたとされています。このことからも、このスピードがいかに早かったかがうかがえます。
ChatGPTを使ってできること
ここからは、ChatGPTを使ってできることを説明していきます。
①テキスト生成
簡単な指示を入力して文章を生成できます。使用例としては、小説や物語の自動生成・商品説明文・ブログ記事の生成などが挙げられます。またExcel等の表計算ソフトの関数や、HTMLやPython等のプログラミング言語の記述も可能です。
②質問応答
質問を入力すると、「回答」という形で文章を生成します。たとえば「東京で美味しい焼き鳥屋を教えて」と入力すると、とても流暢な日本語で回答してくれます。ChatGPTはチャットボットや音声アシスタントの、より自然なやり取りを可能にします。
③文章の要約
長い文章を短くまとめられるため、ニュース記事・ブログ記事の自動要約・研究論文の要約・書籍のサマリーなどに使用できます。
④言語の翻訳
多言語翻訳のためにトレーニングされており、様々な言語間での翻訳を行えるため、異文化交流や国際ビジネスなどで使用可能です。
使い方
ChatGPTはアカウント作成さえすれば、誰でも無料で使うことができます(※有料プランも存在します)。
<アカウントの開設方法>
①OpenAIの公式HPにアクセスします(https://openai.com/)。
②ChatGPTの「Try ChatGPT」ボタンをクリックします。
③画面中央の、「Sign up」ボタンをクリックします。
④「Create your account」ページに遷移後、アカウントを作成します。
⑤必要事項の入力後、アカウント開設が完了します。
<使い方>
アカウント開設が完了すると、ページ下部にテキスト入力ができる箇所があります。こちらに自分のしたいことや質問などを打ち込むと、回答や文章生成した内容が返答として表れます。
日本での実例
ChatGPTは、すでにビジネスの世界でも活躍しています。以下は日本での実例の一部です。
・LINEでChatGPTを利用可能にしたサービス
ChatGPTはWebブラウザでアカウントを作成して使えるサービスですが、利便性の向上などを目的としたプロダクトも出てきています。それが、LINEやSlackといった多くの利用者を抱えるサービスとの連携です。
このようにインターフェイス部分を工夫し、I T領域に日常的に触れ合わない人もイノベーションの恩恵が受けられるようにするという切り口が今後、様々な新規事業でも増えていくのではないかと考えられます。
・ChatGPTと連動しアバターが動くサービス
これまではテキストのやり取りのみが可能だったChatGPTですが、アニメーションやアバターを組み込むことによって、よりユーザー体験がリッチなものになるというサービスを提供する会社が増えています。
これによりさまざまな領域での応用が期待され、たとえばオンライン接客や、バーチャルYouTuber領域などの取り組みが今後も多く出てくるものと思われます。
・ChatGPTで音声通話を可能にしたサービス
こちらも音声通話のインターフェイスをChatGPTに付帯させることによって、価値を生み出している事例です。
コールセンターの音声ガイダンス等の内容をより人間的にするなど、人とコミュニケーションをとる領域において、自動化や省人化ができると考えられています。
OpenAI のAPIを有効活用したプロダクトは、今後も続々とリリースされていきそうです。
注意点
自然言語生成技術は、人工知能技術の中でも特に注目されています。しかしその一方で、一部の研究者や市民団体からはいくつかの危険性が指摘されています。
以下は、自然言語生成技術を利用する際の注意点です。
①偽情報の拡散
自然言語生成技術を利用した文章には、本当の情報と偽情報が混ざり合う可能性があります。特に、ある特定の立場や意見を強調する内容に偏った文章も生成できるため、偏向報道やフェイクニュースなどの拡散につながる可能性があります。
②個人情報の取得
自然言語生成技術を利用するアプリケーションやWebサイトは、利用者の入力した情報を収集することがあります。そのため、個人情報が不正に収集されるおそれがあります。
③利用者のプライバシーの侵害
自然言語生成技術は人間とのコミュニケーションを伴うため、利用者とのやり取りが必要となります。利用者の言動を記録し、分析することが、プライバシーの侵害につながる可能性もあります。
④公共の秩序の乱れ
自然言語生成技術を利用し、社会的に問題のある表現や暴力的な言葉を生成することで、公共の秩序を乱す可能性があります。
このように、自然言語生成技術の利用にあたっては、利用者や事業者、研究者が十分な配慮をすることが必要です。また、利用者は、偽情報や個人情報の問題には注意し、個人情報保護に関する情報を確認することが必要です。
一方、事業者や研究者は、公共の秩序を乱す表現や暴力的な言葉を作成しないようにするためのルール作りや、利用者のプライバシー保護に力を入れることが求められます。
今後の展望
2023年3月14日、OpenAIがGPT-4をリリースしました。ChatGPTはGPT-3.5が搭載されたチャットサービスでしたが、GPT-4のリリースにより、より高度な対応が期待できます。
ChatGPTの分野においては、有料サービスである「ChatGPT Plus」に加入すれば、GPT-4が搭載されたChatGPTを利用可能になりました。ちなみにChatGPT Plusは、元々は下記のような特典機能を掲げ、2023年2月1日にリリースされていました。
①ピーク時も通常のアクセスができる
②より高速な応答レスポンスが可能
③新機能と機能改善の先行利用ができる
ChatGPTは基本的に無料で利用できるサービスですが、リリース後の急速な利用者数の増加により、入力画面が表示されない、ChatGPTに文章を投稿しても応答がないなど、サイトを利用できなくなるほどの負荷が発生していました。
そのような背景もあり、ChatGPT Plasは加入者が優先的にChatGPTを利用できるサブスクリプションサービスとして登場しました。今回は上記③の特典により、GPT-4が搭載された状態のChatGPTを先行利用できるようになったというわけです。
無料版とChatGPT Plusの機能の明確な差はまだ明らかになっていないため、今後の情報に期待が寄せられます。
まとめ
ChatGPTは、多様な自然言語処理タスクに使用できる大規模言語モデルのうちの一つであり、テキスト生成、質問応答、文章の要約、言語の翻訳などの分野での活用が期待されています。
またこれらの実例を通じた将来的な発展も示唆されていることから、ChatGPTは現在のAI技術の進歩にとって重要な役割を果たしていると言えるでしょう。