輸送・保管中の「明るさ」把握できていますか? ~QTS110照度・明暗検知の実証実験レポート~
はじめに
原因が分からない輸送トラブル、実は「明るさ」がヒントかもしれません…!
物流・輸送における品質管理では、位置情報(GPS)・温度・湿度の管理が一般的です。しかし、それだけでは防げないトラブルがあります。
「納品時に箱が開いていたが、いつ誰が開けたのか分からない」
「想定外の場所に一時保管され、直射日光にさらされた形跡がある」
「夜間に積み替えが行われたはずだが、証拠がない」
こうした、従来のセンサーでは見えなかった「人の介在」や「環境の急変」を可視化するのが、照度・明暗データです。
本記事では、輸送・保管状態モニタリングサービス「Macnica Tracks®」と高精度センサー端末「QTS110」を用いた実証実験の結果から、その有用性を解説します。
照度・明暗データの記録が、物流に「説明責任」をもたらす
Macnica Tracks®の最大の特長は、照度を含む複数のデータをリアルタイムに一括で確認できる点にあります。
照度データから読み取れる4つの重要情報
1. 開封の検知:密閉された箱やコンテナが、いつ開けられたか。
2. 屋内・屋外の判別:倉庫内(暗所)から屋外(明所)へ出たタイミングの特定。
3. 不適切な取り扱いの兆候:夜間や休日など、本来動くはずのない時間帯の環境変化。
4. 保管環境の推測:保管場所の照明状況や、窓際での直射日光の影響。
これらは、物流における「いつ・どこで・何が起きたか」を客観的に証明するエビデンスとなります。
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なぜ「照度・明暗」が重要なのか
照度・明暗データからは、次のような情報が読み取れます。
・荷物が暗所(箱・倉庫内、コンテナ内)から明所へ出たタイミング
・開封された可能性のある時間帯
・屋内/屋外の切り替わり
・夜間や想定外時間帯での取り扱い兆候
つまり、照度・明暗は「人の介在」や「環境変化」を推測できるデータなのです。
実証実験の概要
実運用を想定し、屋外設置のコンテナ内部にセンサー端末を設置。日没前後の明るさの変化や、ドアの開閉に伴う照度変化の計測を行いました。
・使用サービス:Macnica Tracks®
・使用端末:Qualcomm® QTS110
・検証環境:屋外設置コンテナ
・取得データ:照度(lx)、明暗状態
照度検知の結果
検証の結果、照明のON/OFFや環境変化に伴い、照度(lx)の変化が時系列データとして取得できることを確認しました。
<結果時系列>
|
順番 |
時間 |
詳細 |
照度数 |
|
① |
17:46 |
人感センサーの明かりを検知 |
198 Lux |
|
② |
17:50 |
日没 |
8 Lux |
|
③ |
19:32 |
コンテナのドアを開け、懐中電灯で内部を照らす |
2873.5 Lux |
|
④ |
19:34 |
コンテナのドアを閉める |
0.1 Lux |
|
⑤ |
19:36 |
コンテナのドアを開ける(懐中電灯では照らさない状態) |
1044 Lux |
|
⑥ |
19:40 |
デバイスの撤去 |
6.2 Lux |
<結果ダッシュボード上>
明暗検知の結果
次に、同じ状況下で明暗検知の検証も行いました。
<結果時系列>
|
順番 |
時間 |
詳細 |
明暗 |
|
① |
19:38 |
コンテナのドアを開け、懐中電灯で内部を照らす |
暗 → 明 |
|
② |
19:43 |
コンテナのドアを閉める |
明 → 暗 |
|
③ |
19:46 |
コンテナのドアを開ける(懐中電灯では照らさない状態) |
暗 → 明 |
<結果ダッシュボード上>
以上から、いつコンテナが開けられたのか、またいつ暗所から外へ運び出されたのか。感覚に頼っていたこれらの事象を、確かなデータとして可視化できました。
万が一のトラブルの際も、根拠に基づいた迅速な原因調査と、信頼性の高い状況報告を可能にします。
Macnica Tracks®の強みは、独立した複数のデータを1つのダッシュボード上で確認できる点にあります
単一のデータだけでは見落としてしまう微細な変化も、データを掛け合わせることで「何が起きたのか」という一連のストーリーとして把握することができます
たとえば、Macnica Tracks®は下記のように様々な組み合わせでデータを確認できることが可能になります。
照度・明暗×衝撃:衝撃が発生した直後に周囲が明るくなった場合、落下や衝突によって外装箱が破損し、内部に光が入り込んだ(光曝露が発生した)可能性を特定 。
照度・明暗×温度・湿度:温度の急変と同時に明暗が切り替わった場合、コンテナのドア開放や、保冷庫から屋外への搬出といった環境変化の瞬間を正確に裏付け。
さいごに
今回の実証を通じて、照度・明暗検知は補助的な機能ではなく、判断材料となるデータであることが分かりました。
Macnica Tracks®なら、特別な運用負荷をかけることなく必要なデータを一括で取得・活用できます。
今回の実証実験を通じて、照度・明暗検知は単なる補助的なログではなく、輸送品質の真因を特定するための極めて重要な「判断材料」であることが証明されました。
これまでブラックボックス化しがちだった輸送プロセスにおいて、Macnica Tracks®は現場の運用負荷を増大させることなく、必要なデータを統合的に取得・可視化します。
事実に基づいたデータ管理を導入することは、物流の透明性を高めるだけでなく、ビジネスにおける信頼性の基盤となるはずです。
物流の透明性を高め、根拠ある品質管理を実現する。Macnica Tracks®が、輸送DXを推進する一助となれば幸いです。
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