セルラー方式で無線通信をする際に重要となる「SIM」ですが、一般的にはカード型SIMをイメージされる方が多いのではないでしょうか。
本記事では、政府が促進をしており今後IoT市場で普及が予想される、新たなSIMのサービス形態である「eSIM」について解説いたします。
グローバル通信やマルチキャリア対応などのコネクティビティサービスの導入をご検討されているユーザー様は、是非ご一読ください。
SIMとは
SIMとは、“Subscriber Identity Module” の頭文字を略したもので、日本語では「加入者を識別するためのモジュール(ICカード)」という意味になります。
加入者を特定するための契約者情報(プロファイル)が記録されており、SIMカードを端末などのデバイスに挿入することで、データ通信を使用することが可能となります。
eSIMとは
前提として市場で言う「eSIM」と呼称されるものは大きく2種類の意味があります。
➀ 実装型としてのSIM(embedded SIM)
一般的な差し替え可能なSIMカードとは形状が異なり、組み込み(embedded)SIMと呼ばれ、「チップSIM」と解釈されるものを指します。
➁ 機能としてのSIM(eUICC SIM )
「リモートSIMプロビジョニング機能(RSP:遠隔でSIMの書き換えを行うシステム)を利用して書き換えて利用する」という機能面を“eSIM”と称する場合もあります。
移動通信関連の業界団体であるGSMA(GSM Association)によるeSIMの定義もこちらによるものです。
現在のところ、RSPは物理的なセキュア領域を必要としているため、カード型もしくはチップ型による書き換え可能なSIMというのが対象となります。
SIMとeSIMの比較/メリット
【プラスティックSIMとチップSIMのサイズ】
・SIMカードのサイズは主に3種類:
➀ 標準SIM(別名:2FF):15×25×0.76mm
➁ microSIM(別名:3FF):12×15×0.76mm
➂ nanoSIM(別名:4FF):8.8×12.3×0.67mm
※上記3種類のSIMカードは形状が異なるのみの違いであり、性能の差異はございません。
・チップSIM(別名:MFF2):5×6×0.9mm
SIMカードと比較して省スペース化を図ることが可能でございます。
【形状による耐性の違い】
プラスティックSIM |
チップSIM |
|
耐用年数 |
約10年 |
約15~17年 |
耐熱性能 |
-25℃~+85℃ |
-40ºC ~ +105ºC |
各ユーザーにおけるeSIMのメリット
マクニカがご提供するメリット
1: eSIM (チップまたはプラスティック両方提供可能)
2: 1:nキャリア (複数キャリアに対応したグローバルプラン)
3: ポータル(SIMの遠隔管理が可能)