Full MVNOについて

MNOとMVNO

移動体携帯通信は伝送路設備を保有する電気通信事業者(キャリア)によるサービス提供から始まりました。伝送路設備は主に、基地局(Cell)、コアネットワーク(EPC)、加入者情報装置(HLR/HSS)で構成されております。

2001年、b-mobile(日本通信)がPHS通信回線を借用した通信サービス提供を開始したことを皮切りにMVNO事業が始まりました。MVNOとはMNOの提供する移動通信サービスを利用して、又はMNOと接続して、移動通信サービスを提供する電気通信事業者であって、当該移動通信サービスに係る無線局(基地局)を自ら開設しておらず、かつ、運用をしていない者と総務省では定義しております。

MVNOはキャリアが所有する伝送路設備を間借りする事でサービス提供します。故に伝送路設備の保守・管理が不要となることから安価の通信費提供の理由となっております。

Full MVNO

MVNOのうち、EPCHLR/HSSを自社で所有する事業団体が増えてきております。明確な定義はございませんが、このような団体をFull MVNOと呼んでいます。

Full MVNOにより提供できるサービスの範囲がMVNOより多くなっております。具体的にはSIMカードの自社提供、安定通信の運用・管理、リモートでのアクティベートやプロファイル変更等が挙げられます。

RoamingとFull MVNO

MVNO、MNOでのRoaming

Roaming時

Roamingにより、契約中のSIMカードを変更することなく、サービスエリア外の海外に端末を持ち込んでも同様に通信サービスが利用可能となりました。

Roamingですが、サービス外のエリアにおける現地事業者を一度経由し、契約中のコアネットワークを介して通信サービスを利用する仕組みとなっております。よって利用にあたって、海外の現地キャリアと契約中の事業者がRoaming提携を締結している事が条件となります

図の場合、A国事業者と契約中のSIMカードをB国に持ち込んだ場合、一度B国事業者を通じてA国のコアネットワークを介してインターネットに接続します。

Full MVNOでのRoaming

エリア変更に伴うSIMカード変更が不要となる一方、現地事業者経由で契約中の事業者へ接続を行う為、ユーザー視点からすると通信費用の増加が課題となります。また先述の通り、Roaming提携の締結が前提条件となります為、未締結のエリアではRoamingによる通信サービス提供が不可となる課題がございます。

これに対しFull MVNOでは独自に基地局を持つ必要が無い為、エリアに依存せず世界各国で設立が可能という特徴がございます。よってRoamingという概念が無くなり、エリアに依存せずFull MVNOとして通信サービスを利用する事が可能となります。

図の場合、AB国で共にFull MVNOサービスを展開中であれば各国MNO基地局を介して通信可能です。

MACNICA Connectivityの特長

MACNICA Connectivity for Cellularでは、下記2つの特長を備えております。

◦一括技術サポート:通信基板設計に必要な半導体および技術サポートを併せて提供する事で、IoTの開発初期段階から一括でのご提案・サポートが可能

◦グローバル対応:世界9か国でFull MVNOによる通信サービスの提供、および世界196か国の現地キャリアとのRoaming契約、RSP対応

マクニカでは、マルチキャリア対応でカード挿し替え不要なグローバル展開IoT向け無線テクノロジーeSIMの販売に加え、eSIMを用いた「Cellularソリューション」の提供をしております。マクニカで取り扱うeSIMは、従来の機器に挿入するカードタイプと、機器に実装する半導体タイプの2種類あり、用途に応じて使い分けていただくことができます。

マクニカで取り扱っている通信モジュール・アンテナ・プロセッサ・電源等のCellular通信基板設計に必要なほぼ全ての半導体および技術サポートを併せて提供することにより、IoTの開発初期段階から一括での基板設計にも対応することが可能です。それにより、技術サポートや購買窓口をマクニカに一本化できるため、ワンストップでのソリューション提供が可能となります。

また、eSIMは、物理的な入れ替えなしにリモート操作で通信事業者を切り替えることができるため、グローバルに展開するアプリケーションにとって最適です。順次サービス展開を拡大して参りますので、最新情報に関しましては弊社まで御問合せ下さい。