輸送中の「何が起きた?」を可視化 ~QTS110衝撃検知の実証実験レポート~
はじめに
本サイトで度々登場する「QTS110」。
衝撃を検知できると言っても、実際にどの程度の衝撃(G)で反応するのかなかなかイメージしにくいですよね。
「10Gはどのくらいの強さ?」、「箱を落としたらどうなるの?」などの疑問を解消すべく、今回は2つのシナリオで社内検証を行いました。
Qualcomm® Aware Tracker ”QTS110”とは
Qualcomm® Aware Tracker QTS110は、商品や資産の輸送時や保管時の状態を監視(モニタリング)、“リアルタイム”に追跡できる端末です。
位置情報、温湿度、落下時の衝撃検知、滞留・紛失・盗難などに用いる複数のセンサーを搭載し、リモートでの状態監視ができます。
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QTS110 衝撃検知の概要
QTS110は、内部の3軸加速度センサーによって「5G / 10G / 30G」という3段階で衝撃を判定します。
衝撃値の判定には、加速度・振動周波数・振幅等、様々な要素があります。
デバイスの固定度合い、緩衝物の有無、衝突した物の材質やスピード等、衝撃が発生した環境により判定が異なります。
実際に運用される環境において、どのレベルの衝撃値が発生するかをテストしていただいたうえで、ご利用いただくことを推奨しています。
| 要素 | 説明 |
| 加速度(G) | センサーが検出する瞬間的な加速度。ピーク値がしきい値を超えると「衝撃」と判定される。 |
| 振動周波数 | 衝撃が短時間で発生するか、長く続くかを示す。高周波の衝撃は鋭く、低周波は緩やか。 |
| 振幅(変位) | 衝撃時の物理的な動きの大きさ。 |
| デバイスの固定状態 | 固定が甘いと、実際の衝撃よりも大きな加速度が検出されることがある。 |
| 緩衝材の有無 | ゴムやスポンジなどがあると衝撃が吸収され、加速度が低くなる。 |
| 衝突対象の材質 | 金属vs木材など、硬さによって衝撃波の伝わり方が異なる。 |
| 衝突速度 | 高速での衝突は高Gを生みやすい。 |
社内検証① (衝撃)
実際の物流現場を想定し、「どの高さから落としたら、どのしきい値に引っかかるのか」を検証しました。
衝撃検知 検証(梱包状態)
荷物重量:約4kg
梱包:段ボール(38 x 39 x 27)
① 気泡緩衝材入り袋へデバイスを梱包
気泡緩衝材入り袋
デバイスを入れた気泡緩衝材入り袋
② 荷物の上部へ置き、段ボールの封をします
デバイスを入れた気泡緩衝材入り袋を、段ボール箱の上部へ置いた画
梱包した段ボール箱の画
衝撃検知 検証(内容)
デバイス設定にて5G、10G、30Gを試験ごとに設定
ダッシュボード上デバイス詳細設定のイメージ画
高さ10cm、30cm、50cm、1mから段ボールを落下
衝撃検知 検証(結果)
5G、10Gは、高さ10cmから落とした際に衝撃検知がされました。
30Gのみ、1mから衝撃検知されています。
検証結果の詳細は以下のとおりです。
| 衝撃検知:5G | 衝撃検知:10G | 衝撃検知:30G | |
| 高さ10cm | ○検知 | ○検知 | ×未検知 |
| 高さ30cm | ○検知 | ○検知 | ×未検知 |
| 高さ50cm | ○検知 | ○検知 | ×未検知 |
| 高さ1m | ○検知 | ○検知 | ○検知 |
社内検証②
弊社は、2026年2月11日(水)~13日(金) に開催された「JANOG57」に出展しました。
今回、出展機材を新横浜から大阪の会場へ発送するにあたり、その移動行程を利用して「QTS110」の設置・運用検証を実施しました。
衝撃検知 検証(梱包状態)
荷物重量:約10kg
梱包:段ボール(27 x 57 x 50)
対象期間:2月5日 9:00~2月19日 9:00
輸送方法:トラック(運送業)
衝撃設定:10G
① 対象品(ホワイトボックススイッチ)にデバイスを貼り付ける
② 緩衝材が入っている段ボール箱に、対象品ごと入れる
対象品にデバイスを貼り付けた画像
緩衝材が入っている段ボール箱に梱包した画像
衝撃検知 検証(結果)
ダッシュボード上にて衝撃検知のみを表示している画
輸送期間中の動態をモニタリングした結果、Macnica Tracks®のダッシュボード上にて、合計42回もの衝撃(10G)を検知していたことが判明しました。
2月11日の9:00から11:00の間には、3回の衝撃が連続で検知されています。
今回の輸送において荷物の破損は見られませんでしたが、万が一破損があった際には衝撃があった正確な日時と場所を特定することができます。
蓄積された全てのデータは、一括でCSVエクスポート(BOM付)することが可能です。 社内報告書への引用や、より詳細な独自分析にも即座に活用いただけます。
このように、従来は把握が困難であった輸送中の負荷を、正確な数値と時系列データで捉えることが可能となりました。
さいごに
今回の検証では、QTS110を設置して輸送中の動態を可視化したことにより、輸送行程において許容範囲を超える衝撃は発生していなかったことがデータで証明されました。
これにより、万が一配送後に荷物の破損が発覚した際も、輸送中ではなく「それ以外の工程」に原因があることを迅速に特定できます。
責任の所在を明確にすることは、荷主・運送業者双方の信頼を守ることにつながります。
私たちが目指すのは、単なる事後確認ではありません。
衝撃等をリアルタイムで把握し、物流品質を「可視化」することで、「大切な荷物を守り抜くための確かな対策」を打つことです。
QTS110で「安心の見える化」を取り入れてみませんか?
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