株式会社SUBARU様事例

穿孔作業の異常検知をセンシング技術・データ分析で支援
日本の航空宇宙産業のリーディングカンパニーである、株式会社SUBARUの航空宇宙カンパニー。
防衛省、米国ボーイング社に代表される顧客向けの多種多様な航空機ならびにコンポーネント(主翼、尾翼、中央翼等)の開発・生産を行っています。同社の半田工場では、航空機組立において高度な技術が要求される穿孔作業に関して、人の介入をなくし、安定した品質での穿孔を可能にするべく、自動化に向けた取り組みを開始しています。
同社は今回、穿孔作業の自動化を進めるにあたって必須となる、穿孔の異常検知システムに「SENSPIDER」を導入しました。

 

USER PROFILE
■企業情報:株式会社SUBARU
■事業内容:
自動車でも広く知られるSUBARUですが、そのルーツは、1903年にライト兄弟が初の動力飛行に成功したわずか14年後の1917年に設立された「中島飛行機」にあります。
以来、航空機づくりの技術とスピリットを受け継ぎ、現在はヘリコプター、旅客機のコンポーネント、無人航空機の開発・製造を行っています。
同社の航空宇宙カンパニーは、さまざまなカテゴリーでナンバーワン技術を確立し、日本の航空宇宙産業をリードし続けています。

 

サマリー

背景

  • 穿孔作業における孔径に対する要求値が非常に厳しい

  • 穿孔作業の自動化を推進

  • 孔径異常を検知する仕組みがないと、仕損品が大量発生する

取り組み

  • 穿孔機の穿孔状態をリアルタイムに検知する仕組み作り

  • SENSPIDERを使用し、穿孔状態を高精度に検知できる振動センサーのデータを収集

  • 収集したデータと解析ソフトを活用し、無次元パラメータRMS比から、精度の高い判定アルゴリズムを構築

成果

  • 穿孔状態の異常をリアルタイムに検知する異常検知システムの構築に成功

  • 穿孔作業の自動化に向けて大きく前進

 

背景

工程の自動化において、異常検知システムは必須!
同社では、航空機の中央翼(図1)を製造しています。
中央翼とは航空機の主翼をつなげるユニットです。
そのため、入り組んだ構造となっており、組立工程の自動化を困難にしています。

この中央翼の組立工程(図2)において、もっとも重要となるのが、穿孔作業です。
事前に部品に孔を開けておき、ファスニングすれば良いように思われるかもしれませんが、中央翼の組立ではそれができません。

なぜなら、大事故につながる燃料漏れや燃料の気化ガス漏れを防ぐため、ファスニングに要求される孔の公差が非常に厳しく定義されているからです。

それゆえに、高い技術をもって組立を行う必要があります。
実際、この孔の公差が要求を満たせない場合は、修正が必要となり、その作業には多くのコストと作業負荷が発生します。

そのため、航空機組立において重要となる穿孔作業において、孔の公差が要求を満たせなかった場合、その異常を知らせる異常検知の仕組みが必要となります。

これらの背景から、同社では、穿孔作業の自動化を進めるにあたり、異常検知技術の開発を進めることとなりました。

図1:航空機中央翼

図2:航空機組立手順の例

取り組み

既存設備へのアドオンで異常検知システムを構築するマクニカのセンシング技術を導入!
同社の既存設備にSENSPIDERを導入するにあたり、以下の取り組みを行いました。

「正常なドリル」と「欠けのあるドリル」を使用したパラメーター設定

「8系統のデータ」を取得する異常検知システムの開発とSENSPIDERの連携

「欠けのあるドリル」による振動データを解析

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「SENSPIDER」導入で工程自動化への大きな一歩!

今回、株式会社SUBARU様では「SENSPIDER」導入により穿孔の異常を振動データによって検知することができるようになり、穿孔作業の自動化に向けて大きく前進しました。

現在は、この異常検知システムを同社が開発した穿孔機に組み込み、穿孔異常が発生した場合、アラームが上がる仕組みの構築を進めています。

▽ オールインワンユニット「SENSPIDER」とは? ▽

弊社の予知保全・異常検知に関する取り組み

 

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▽ 「異常検知・故障予測」に関する弊社の取り組み ▽

 

※「SENSPIDER」は株式会社マクニカの登録商標です。