Service, Solution

サービス・ソリューションビジネス

今や、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の3つの観点から社会問題に取り組むことは、各企業において必須事項となってきています。マクニカでも、これまで半導体ビジネスやセキュリティ・ネットワークビジネスにより蓄積してきた知見や、グローバルにおける最先端テクノロジーのソーシング力と技術企画力をベースに、AIとIoTなどを活用したサービス・ソリューションを提供することで、サステナブルな未来社会の実現に向けたビジネスを展開しています。

テクノロジーとしてのAI

マクニカのAIテクノロジーは、お客様の経営課題を解決し、イノベーションを起こすためのコア技術です。独自のAI研究組織である 『ARIH』『BRAIL』を有し、お客様の課題に応じた調査から仮説検証・実装・運用まで、AI開発のすべてのプロセスをワンストップで支援する体制を整え、さまざまな業種・業界の企業のDXを後押ししています。

ARIH(AI Research & Innovation Hub)では、精鋭のエンジニアたちが、AIを社会問題の解決に応用するための研究を行っています。高齢化社会、食料問題、地方の交通問題など様々な社会問題を解決するために、AIの実社会への応用・実装を目指しています。

BRAIL(Brain AI Innovation Lab)では、脳波をデータ化する最先端の技術研究を行っています。神経科学とAIの研究を融合させ、脳波を測定するための技術開発を進めて人間の暗黙知をデータに変換し、社会に役立つ製品開発に繋げています。

サービス・ソリューションビジネスの開発は、事業を通じて貢献する3つのマテリアリティに即した6つの事業テーマを定め展開しています。

Business & Economy

「お客様の課題解決を通じて、経済の発展に貢献する」というマテリアリティに対し、労働力の確保や匠の技の伝承など製造業のお客様の課題解決に取り組む『スマートファクトリー』、従来から取り組んでいる企業のサイバーセキュリティに加え、工場セキュリティや製品・サービスへの組み込みセキュリティなど日に日に重要度が増す情報セキュリティの強化に貢献する『CPSセキュリティ*』を事業テーマとして展開しています。
* CPS(Cyber-Physical System):実世界で収集したデータをサイバー空間上で分析・知見化し、実社会の活性化や課題解決に繋げるシステム

具体的な取組み

工作機械メーカーとして多種多様な産業機械を世に生み出している芝浦機械株式会社は、AI技術を組み込んだ製品開発を進めています。
そのような中、開発パートナーを選定する上では、数多くの懸念がありました。

自社内に知見を蓄積するための長期的な伴走支援が可能か。AI技術者は工作機械の話題も汲み取ってくれるのか。属人化せずに層の厚いサポートが可能か。数々の懸念を検討した上で、AIモデルの開発だけでなく、内製化に向けた学習プランの作成や実務の中でのフィードバックまで実現でき、産業機械業界に精通しながらもAIをよく知る開発パートナーとして、マクニカが選ばれました。

また開発支援だけではなく、柔軟にやり取りできるコミュニケーションツールやクラウド型のファイル共有システムなど、コラボレーション基盤に関するマクニカならではの支援も採用され、柔軟な開発環境を整えることができました。
マクニカのデータサイエンティスト達とのディスカッションやフィードバックなど、コミュニケーションを重視した伴走支援を受けて開発は進行。振動データをセンシングしたうえで、マクニカが提供するエッジコンピューティング端末「SENSPIDER」にデータを収集、AIモデルで分析することで、加工状態を判別する仕組みに成功しました。この仕組みは機械加工における熟練者の経験と感覚を学習し、生産効率向上や品質の均一化に貢献しています。
今後もマクニカとのパートナーシップを通じてAIの技術を吸収しながら、画像データの活用や、更なる付加価値の模索が続きます。

Macnica's Voice

製造現場と経営をシームレスに繋ぎ、デジタルと人を共存させ、無駄のないエコな製造現場を実現するスマートファクトリー。
製造DXの課題は、ツールやテクノロジーだけではありません。お客様のバディとして志を理解し、製造現場では緩衝材となり、お客様の実現したい“ものづくり”を共に作り上げていく。その情熱がマクニカの原動力です。

Life & Society

「安全安心で快適な暮らしを創る」というマテリアリティに対し、自動運転車両を始めトータルスマートモビリティを提供することで地域社会の活性化を支援する『スマートシティ/モビリティ』、超高齢化社会の中で個人に最適化された個別化医療、予防医療の発展に貢献する『ヘルスケア』を事業テーマとして展開しています。

具体的な取組み

2020年11月。茨城県境町は自治体として初めて、日本発の自動運転シャトルバスの定時定路運行を開始しました。
人口減少や高齢化に伴う活力低下、交通網の脆弱性などの構造的な課題を抱えた境町では、圏央道を活用した公共交通網の整備や、スポーツ・観光・福祉・住居施設などの拠点整備を推進。マクニカは仏Navya社製品の国内総代理店として、自動運転バス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」3台を提供し、町内の回遊性向上と地域活性化を応援しています。

「NAVYA ARMA」は国土交通省が推進するグリーンスローモビリティに該当し、環境への負荷を抑えるだけでなく、ゆっくりと高頻度で運行することで住民の生活の足として役立つとともに、交通の流れが低速化することで地域全体の安全性を向上する効果が期待されています。
マクニカは自動運転テクノロジーの知見をベースに、サービス•ソリューションプロバイダーとして車両・システムのメンテナンスなど、安全安心な地域社会の実現へと貢献しています。

Macnica's Voice

ヒト・モノ・コトが自由に移動する、誰もが安心して住み続けられる未来の実現へ。
マクニカは、最先端テクノロジーを駆使し、交通手段を持たない過疎地域の住民の孤立や物流現場におけるドライバー不足等の社会課題の解決に取り組んでいます。

Macnica's Voice

心拍数やストレスを測定する技術を活用したソリューション、施設での離床検知ができる見守りシステム、アスリートの故障予測、これまで出来なかった治療を可能にするサービス。マクニカのヘルスケア事業は、医療・介護・健康の各分野の課題を、最先端のテクノロジーを活用して解決し、一人ひとりに寄り添った健康社会の実現を目指しています。

Green & Earth

「持続可能な地球環境を創る」というマテリアリティに対し、カーボンニュートラルの実現や再生可能な資源を活用した循環型社会の実現に貢献する『サーキュラーエコノミー』、生産基盤の強化による食料の安定供給を目指す『フード・アグリテック』を事業テーマとして展開しています。

具体的な取組み

次世代型スマートオフィスソリューションは、オフィスに設置した各種センサーで取得したデータを解析し、快適な業務環境を実現するシステム。デスクや設備の利用状況をモニタリングして、効率の良い設備配置や電力利用スケジュールを組むことで、オフィス内の運用改善、施設全体の電気代削減など、快適な業務環境を実現します。

空気質情報を取得するCO2、気圧、温湿度センサーに加え、60GHzレーダーによる人感センサーを搭載しており、従来の赤外線や超音波、カメラの課題を克服して、静止している人からエリア内で動いている人まで検出が可能。搭載されているセンサーだけでなく、電力・ガス・水道のエネルギー情報など、オフィスに関連する様々なデータを取り込むことも可能。空調や換気の制御、エネルギー消費のピークカット、効果的な電力利用スケジュールのプランニングなど、環境に配慮したオフィス運用の改善を支援するソリューションです。

ワンフロアなど小規模なオフィスから、1棟、複数拠点まで、規模や予算に応じて柔軟に対応が出来ることも特徴のひとつ。今後は照度センサー・tVOCセンサーなど新たなセンサーの導入や、入退室管理システム等との連携で、さらに環境に配慮した働きやすいオフィスの実現を目指しています。