モーター制御開発がすぐに始めることができる 「ADSP-CM408F EZ-KIT」評価ボード

産業用モーター制御に最適な ADSP-CM40xとは?

世界の消費電力の40%以上はモーターが消費しています。そのため、近年ではモーターへの消費電力規制が強まり消費電力削減への需要が高まっています。その結果、半導体が使うモータ駆動の主流はPWM方式、つまりパルス変調方式が主流となっています。また、モーター制御では微分、積分など高度な演算能力も必要です。アナログ・デバイセズではモーター制御に必要な高度なPWM機能と演算機能を備えた 「ADSP-CM40x」、ミックスド・シグナル・コントロール・プロセッサーを提供しています。

ここでは 「ADSP-CM40x」ファミリーのモーター制御開発での優位性とすぐに評価できる開発ボード「ADZS-CM408F-EZLITE」について解説しています。

モーター制御に適した高精度PWMモジュール

アナログ・デバイセズ製品の「ADSP-CM40x」ミックスド・シグナル・コントロール・プロセッサーには高精度PWMモジュールが搭載されているため、3相ACモーター、ブラシレスDCモーター、6ステップ制御、スイッチトリラクタンスモーターなどを制御することが可能です。高精度PWMモジュールには3つのPWMが搭載しており、各PWMから4つのハイサイド駆動信号と4つのローサイド駆動信号を出力することができ、ソフトウェアで設定することができます。また、高精度PWMモジュールは最大12の駆動信号が出力できるため複数のモーターを制御することができます。

この高精度PWMモジュールの機能は大きく4つに分かれます。

1. 各PWMのチャンネルを同期することで簡単にモーター制御が可能

3つのPWMは共通のタイマー「PWMTMR0」を使用し同期させることでモーター制御に必要なパルス変調を生成することができます。

2. アーム短絡を防ぐ、デッドタイム挿入機能

モーター制御ではハイサイド駆動とローサイド駆動が同時にON状態になりIGBTなどのトランジスターがアーム短絡で破損するのを防ぐことが重要です。

高精度PWMモジュールにはデッドタイムを挿入する機能を備えているためアーム短絡を防止することができます。

3. パワーインバーターを保護するトリップ機能

PWMコントローラーにはトリップ信号を取り込む機能があります。一般的にパワーインバーター内で短絡が発生し、トランジスターの非飽和状態を検出した場合、フォルト信号をコントローラー側に供給します。

このフォルト信号を検出することでPWM変調器をシャットダウンし、ハードウェアを保護することができます。

4. モーター制御をスムーズにおこなうタイミングエンジン

ADCからの割り込み検出を使用することで制御ルーチンを呼び出しモーター帰還信号に基づいてデューティーサイクルレジスタを更新することができます。つまり、モーターからのフィードバック信号を元にPWMのデューティー比を変更することで柔軟なモーター制御を実現することができます。

上記の通り、高精度PWMモジュールを使用することで、モーター制御を容易におこなうことができます。また、これら4つの制御はサンプルプログラムを用意していますのですぐに導入することができます。

モーター制御に必要な高度な演算をこなすプロセッサー

「ADSP-CM40x」ミックスド・シグナル・コントロール・プロセッサーには240MHzで動作する、Arm® Cortex®-M4を採用しています。Cortex-M4には浮動小数点演算ユニットが搭載されています。DSP命令セットもサポートしているため、モーター制御に必要な演算処理をおこなうことができます。また、SIMDも搭載しているためベクトル処理も可能です。

さらに、

  • 16ビットSAR ADC
  • SINCフィルター
  • USB、イーサネット
  • CAN、UART、SPI、直交エンコーダー・インターフェース
  • 動作周囲温度(最大105℃)

を搭載しており、産業用のモーター制御に十分なペリフェラルです。

ADSP-CM40xをすぐに評価できる「ADZS-CM408F-EZLITE」評価ボード

アナログ・デバイセズのミックスシグナルコントロールプロセッサーADSP-CM40xファミリーを手軽に評価するための評価ボードが「ADZS-CM408F-EZLITE」です。この評価ボード「ADZS-CM408F-EZLITE」はモーターアプリケーション用に設計されています。また、評価に必要なハードウェアは全て梱包されています。

2つの拡張コネクターに手元のモーターへと接続できる仕様になっています。PWMインターフェースで接続できる手元のモーターで評価がすぐにおこなえます。アプリケーション開発とデバッグはIAR社製 IAR Embedded Workbench開発ツールを使うように設計されています。IAR Embedded WorkbenchはIAR社のサイトより評価ライセンスを使用することで無償利用することができます。

アプリケーション例

  • モーター
  • PVインバーター
  • 電源
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アプリケーション例

製品概要

ADSP-CM408F EZ-KIT評価ボード

メーカー Analog Devices
品  名 ADZS-CM408F-EZLITE
搭載プロセッサー Cortex®-M4
ボード搭載部品
  • SRAM(4Mbit)
  • Ethernet PHY
  • UART×2、CAN、USB
  • 2x20 character Display
  • PWM connector 180-pin 0.5 mm
  • Asynchronous connector 180-pin 0.5 mm
  • Analog connector interface 120-pin 0.5 mm
梱包物
  • ADSP-CM408F EZ-KIT Lite board
  • 5V DC power
  • USB 2.0 cable
  • J-Link Lite ARM

※デバッグ環境を含みます
※開発ソフトはIAR社製品「IAR Embedded Workbench」が必要です。


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