UnitedSiC 750V 第4世代 SiC FETの画期的な性能

UnitedSiCは、業界をリードするSiC FETのすでに強力なポートフォリオを補完するものとして、第4世代 SiC FETをリリースしました。これにより、自動車および産業用充電器、通信インフラの整流器、データセンター向けPFCや DC/DC変換、および再生可能エネルギーやエネルギー貯蔵アプリケーションへのSiCの採用が加速されるでしょう。

新しい750Vシリーズは、従来の製品よりも、400Vまたは500Vのバッテリー/バス電圧アプリケーションの設計マージンが確保できるようになりました。Gen4デバイスは、定格電圧が上昇しているにもかかわらず、高度なセル密度を採用しているため、単位面積あたりのRDS(on)を低減することができ、業界で最も低いオン抵抗の製品をすべてのパッケージで提供します。さらに、高い電流定格は、高度な焼結ダイアタッチ技術によって達成され、改善された放熱性能を提供します。図1は、新しい750V製品の単位面積当たりのオン抵抗を650V定格の他社製品と比較しています。全温度範囲で大幅に低い値を示しています。

750V Gen 4 のUnitedSiC FETと 650V定格の競合他社のSiCの単位面積あたりのオン抵抗の比較
図1.  750V 第4世代 UnitedSiC FETと 650V定格の競合他社のSiCの単位面積あたりのオン抵抗の比較

設計のしやすさも、UnitedSiC Gen4デバイスの特徴です。すべてのデバイスは、標準の0V〜12Vまたは15Vのゲート駆動電圧で安全に駆動できます。ゲートスレッショルド電圧が5Vなので、良好なスレッショルドノイズマージンが維持できます。前世代と同様に、これらの新しいSiC FETは、すべての汎用Si IGBT、Si MOSFET、およびSiC MOSFET駆動用電圧で動作させることができ、また内部にはESDゲート保護クランプが組み込まれています。これらの新しいSiC FETは、オン抵抗が低いことに加えて、ハードスイッチン回路とソフトスイッチング回路の両方で効率を向上させることができます。トーテムポールPFCや標準の2レベルインバーターなどのハードスイッチング回路では、単位面積あたりの低いオン抵抗と低い出力容量、および低電圧Si MOSFETのほぼゼロの蓄積電荷が組み合わさって、優れた逆回復電荷(Qrr)と低Eoss / Qossを提供します。これらのデバイスは、低電圧降下VF(<1.75V)を備えた優れた堅牢な一体型ダイオード特性を示します。

 

図2は、750V UnitedSiC FETの RDS(on)x Eossで計算されるハードスイッチング性能指数(FoM)が650V定格の競合他社SiC製品よりも優れていることを示しています。 UJ4C075018K3S(TO247-3Lパッケージ)およびUJ4C075018K4S(TO247-4Lパッケージ)は、18mΩという低いオン抵抗を特長としており、最も近い競合他社と比較して、25℃で50%、125℃でほぼ40%低くなっています。

650V定格のSiC競合他社と比較したUnitedSiC 750V FETのハードスイッチング性能指数
図2. 650V定格のSiC競合他社と比較したUnitedSiC 750V FETのハードスイッチング性能指数

これらの新しいデバイスは、LLC(共振方式)やPSFB(フェイズシフトフルブリッジ方式)などの高周波のソフトスイッチング共振コンバータートポロジーでも性能が向上します。 750V UnitedSiC FETの画期的な性能は、オン抵抗が大幅に低減され、同時に、より低い出力容量Coss(tr)を提供することで実現しています。図3では、共振またはソフトスイッチング方式での優位性をFoM(ここではRDS(on)x Coss(tr))によって示しています。

750V SiC FETのソフトスイッチング性能指数。650V定格のSiC競合他社と比較して優れていることがわかる。
図3.  750V SiC FETのソフトスイッチング性能指数。650V定格のSiC競合他社と比較して優れていることがわかる。

この図は、Coss(tr)によって生じる遅延が最大使用可能周波数を制限する可能性があるLLCターンオフ波形の例も示しています。第4世代 UnitedSiC FETは、Coss(tr)が非常に低く、電圧定格が高いので、高速ターンオフが可能です。ソフトスイッチングの性能指数のメリットは、全動作温度にわたってクラス最高です。図4に示すレーダープロットは、第4世代 750V FETの優位性をまとめたものです。よく使われるハードスイッチングとソフトスイッチングを考えると、SiC FETは比類のないものです。単位面積あたりのオン抵抗が非常に低いため、既存のSiや新しいSiC競合テクノロジーでは達成できないパフォーマンスを備えた標準のディスクリートパッケージが可能になります。

主要なパラメタを正規化した場合のUnitedSiC 750V FETのレーダープロット(注:値が小さいほど優れています)
図4. 主要なパラメタを正規化した場合のUnitedSiC 750V FETのレーダープロット(注:値が小さいほど優れています)

UnitedSiCのこれらのSiC FETは、高度な第4世代テクノロジーによって実現されるまったく新しいレベルのパフォーマンスを提供します。 我々の750V製品により、設計者にはバス電圧の更なる余裕が追加されます。全体的に優れたパフォーマンスのSiC FET製品にとって重要なパラメタである「性能指数」によって、電源設計者は次世代システム設計で恩恵を受けることができます。 

 

これらの新しいデバイスの詳細については、www.unitedsic.comにアクセスしてください。

第4世代 SiC FET紹介動画

UnitedSiC社の会社紹介から、今回販売を開始した第4世代SiC FET製品の特徴などを分かりやすく説明した動画になっておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

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