スーパーカスコードの歴史

ある程度の年齢の方であれば、「スーパーカスコード」という言葉が出てくると、テレビ–「アドミラル」24インチシリーズ30を思い浮かべるかもしれません。 それは、「比類のないパワーと干渉のない受信のための追加的な真空管を備えたスーパーカスコードシャーシ、内蔵のオムニスコープアンテナ」を誇っていました。そして、ワイヤー付きのリモコンさえも持っていました。1939年の真空管電圧安定化装置から、初期のオーディオアンプ、高電圧アプリケーション用のバイポーラートランジスターのスタックまで、この用語の起源をたどることができます。テレビ筐体の説明にある「スーパー」が単に「素晴らしい」という意味だったのかどうかは定かではありませんが、追加的な真空管という表現は、この接続が今日のスーパーカスコードとして考えられているものの初期バージョン、つまりシリコンMOSFETで制御されるSiC半導体スイッチのスタックである可能性を示唆しています。

では、どのようにしてアイデアが再浮上したのでしょうか。現代の電力変換ではスイッチング電源とインバーターが主流であり、使用される半導体の種類は電力と電圧レベルに応じて異なります。IGBTは低コストで実績のあるソリューションですが、損失を抑えるためには低周波数でスイッチングする必要があり、大型でコストの高い関連磁気部品が必要になります。Si-MOSFETは、より高い周波数で使用することができますが、特殊で高価な部品に頼らなければ、1000V程度に制限されています。それらはまた、高電力、高電圧下での使用では効率が良くありません。 オン抵抗が高いため大きな導通損失を発生し、またボディーダイオードは、高エネルギー回収レベルではほとんど使用できません。ここでの解決策は、MOSFETのボディーダイオードから電流を遠ざけるために低電圧ブロッキングショットキーの追加等、「第3象限」動作のために外付けの並列ダイオードを使用することですが、これはさらにコストと導通損失を増加させます。並列接続されたMOSFETは導通損失の問題を解決するものですが、これは動的損失を大きくするだけで、電流監視が複雑になり、定格電圧もまだ制限されています。

SiC半導体は、固有の高電圧能力を備えた、より良いソリューションですが、SiC MOSFETとして実装されているため、ボディーダイオードが比較的貧弱で、効率的な動作のためには慎重なゲート駆動が必要です。ここで「カスコード」または「SiC FET」の登場です。これは、Si-MOSFETと通常オンのSiC JFETを組み合わせたもので、低導通損失、低損失のボディダイオード効果、簡単でクリティカルではないゲートドライブを備えた、高速で通常オフのハイブリッドスイッチを形成します。

SiC FETは完全なスイッチに向けた大きな進歩であり、UnitedSiCから1700Vまでの製品が入手可能ですが、それ以上の定格ではIGBTがまだ唯一の実用的なソリューションと思われるかもしれません。しかし、カスコードまたはSiC FETは、その伝統に目を向け、単一デバイスの代わりにSiC JFETSをスタックした「スーパーカスコード」として構成することで、より高い電圧定格を実現することができます。図を参照してください。

5つのSiC JFETを使用した、約5kV定格のSiC FETの「スーパーカスコード」を示しています。
図 5つのSiC JFETを使用した、約5kV定格のSiC FETの「スーパーカスコード」を示しています。

回路内の受動部品は、直列JFET J1~J5に渡る電圧のバイアスとバランシングのためのすべての小型タイプで、Si-MOSFET M1は標準ゲート駆動の低電圧タイプです。より多くのSiC JFETデバイスまたは完全なスーパーカスコードモジュールをスタックして、さらに高電圧定格にすることができます。例えば、UnitedSiCは、合計30個の積層SiC JFETダイで40kV/1Aをスイッチングするモジュールを実証しています。

スーパーカスコード・アプローチの利点は、電流を簡単にモニターできることで、これにはおよそ1:1000のセンス比の独立したセルを持つSi-MOSFETを使用します。また、導通状態やブロッキング状態で数ボルトを超えることのないSi-MOSFETドレインを監視できるため、デサット検出も容易になります。

この技術の最大の利点は、スタックに標準的な既製部品を使用できることでしょう。高周波スイッチングのシステムメリットを考慮すると、これらの部品は現場で実証されており、低コストであるため、パラレルMOSFETやIGBTと比較して全体的な節約が可能です。最終製品の開発期間が短縮され、リスクが軽減されます。

スーパーカスコードは、低損失で高出力、高周波スイッチングの未来であり、高速EV充電器、トラクションインバーター、再生可能エネルギーなどに応用されるでしょう。これらの製品は、標準的なモジュールパッケージで入手可能です。ただし、アドミラルTVのように、メープル、ウォールナット、ローズウッドの色調ではないと思われます。

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