1. はじめに
アンテナ種類としてはダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、ループアンテナ、逆F型アンテナといくつか種類が分けられており各アンテナによって注意するべき点が異なります。
その中で、前回は「フレキシブルPCB(FXP74)の環境による特性変化」として金属の影響を実際に見て見ましたが、今回はTaoglasの製品の中でもお客様からよく引き合いを頂く、モノポールアンテナ(TG.09.0113)について実際の特性評価を実施してみたいと思います。
過去記事:【フレキシブルPCBアンテナのメリットと使用上の注意】
2. 製品
今回使用する製品は下記になります。
・モノポールアンテナ TG.09.0113
band28~band42迄をカバーしており、最大で74.5%の放射効率を持ったアンテナとなります。
(Taoglasとしては安全に通信するための指標としてこの放射効率を1つの指標としています)
3. 製品評価
評価内容としてはTG.09.0113はモノポールアンテナなので本来GNDが必要になりますが、実際にGNDがある時とない時で
リターンロス(S11)、VSWRにどのような影響があるのかを確認してみました。
最近は、GNDがなくても非常に高効率のモノポールアンテナがTaoglasからもリリースされていますがTG.09.0113においてはGNDが必要です。
製品化される際にはGNDの確保をお願いします。
また、外見だけではダイポールアンテナとモノポールアンテナの判断がつかない製品もあるため注意して選定または相談ください)
■使用した測定器
・ネットワークアナライザー:ZNB8(ローデ・シュワルツ)
・同軸ケーブル:585.03.15.0250A(Atem)
・各種変換コネクター(構成キットについてはローデのZV-Z51を使用)
TG.09.0113について
①-1:リターンロス(S11)とVSWR
違いを確認するために、まずはGNDがない状態で測定をしてみました。くどいようですが、本来はモノポールアンテナなのでGNDが必要になります
[測定環境] [データシート記載のリターンロス]
リターンロス(S11) VSWR
横軸については600M-4GHzにしていますが、VSWR=2~3付近で落ち着いており、リターンロス(S11)についても1桁台の測定結果になっています。
この結果を鑑みて、次に銅板を用いて簡易的にアンテナGNDを生成してみました。今回の試験では約38mm相当の同基板を使用しています。
本来はSMAコネクターなどで変換基板を作成してご確認頂ければと思います。
リターンロス(S11) VSWR
結果、VSWR=1~2付近で落ち着いており、リターンロス(S11)についてもmaxで8dBの改善が見られることが分かります。
この結果を見ても分かるように、簡易的なGNDでも特性に大きな違いが出てくるので実際のデータシート記載のGNDを基板で
確保する重要性はご理解頂けるかと思います。
4. まとめ
今回はTaoglasの製品の中でもお客様からよく引き合いを頂くモノポールアンテナ(TG.09.0113)を使用して実際のGNDの有無による違いを掲載させて
頂きました。アンテナについては最後に選定してしまいスペースやサイズが後回しになることもあるかと思いますが、今回の記事を頭の片隅にでも
置いて頂きご設計頂ければと思います。
また、Taoglasとしては今回紹介した製品以外にも多くラインナップしていますので何かお探しの製品がありましたら、下記までご連絡頂ければと思います。
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