cm単位の測位が可能なアンテナモジュール!RTK機能とみちびきに対応(前編)

1、概要

今回はTaoglasのアンテナモジュール「EL.1A」を使用した評価をしていきます。この製品の特長としてはアンテナにTaoglasのGNSSアンテナ(AGPSF.36.E)、Receiverとしてu-bloxのZED-F9Pを使用した一体型のモジュールになります。


 GNSSアンテナがみちびき(QZSS)/GPS/GLONASS/Galileo/BeiDouのマルチバンド対応になっており、
 RTK機能についてはReceiver側で処理する構造になります。


これによって"cm単位"での測位が可能になりますRTK機能については後ほど簡単に説明させて頂きます。今回は前編としてEL.1Aを用いて衛星を補足するまでのセットアップがメインとなります。


後編では実際の屋外で測定した内容について掲載していく予定です。*下記は"EL.1A"のデータシートの抜粋になります。

         *Youtubeにも概略の動画が展開されておりますのでご確認下さい。

          https://www.youtube.com/watch?v=xHI31KPfz3w&feature=emb_logo

RTK機能とは

RTK(Real Time Kinematic)を簡単に紹介するとみちびき(QZSS)GPS/GLONASS/Galileo/BeiDou等から得られる位置情報と地上に設置されている基準局のデータ比較を実施して位置情報を補正する機能になります。一般的には相対測位と言われ、RTK機能を使用しない場合は単独測位と言われます。そのため高精度の位置情報の取得などにはこのRTK機能が活用されます。

2、評価ボードの梱包内容

3、動作確認

①概要にも記載したようにこの評価ボードで使用しているGPSモジュールについてはu-bloxのZED-F9Pが搭載されています。

そのため、まずはu-bloxのu-centerをインストールします。

https://www.u-blox.com/en/product/u-center

*本検証ではv20.06.01をインストールして実行しました。

②次にGNSSの評価ボードとIFボードを接続してPCと接続します。

手順1:接合前

手順2:接合後

上記のユニットをUSBケーブルを介してPCへ接続することにより物理的な接続が完了しました。

③先ほどインストールしたU-centerを立ち上げます。


上記の画面が立ち上がるので以下の設定を行います。
      

④続いてU-centerの設定を実施していきます。

本記事ではUBX-CFGをデフォルト状態にしてから実施しています。

手順1:FWのVer確認( Ver=HPG1.12の確認)  

手順2:UARTのON

手順3:設定値の保存
    ここまでの設定について保存しておきます。
    U-centerを使用する場合、設定を変更するたびに
    保存しておくことがオススメ

手順4:適用されるGNSSの確認

手順5:状態の確認
    この時点では基準局を接続していないので"RTCM3"
    が"0"となっている

⑤RTK機能を有効にしていきます。

*この時にオフィス等でセキュリティーをかけている場合はOFFにするなど設定が必要となります。

手順1:RTK機能の有効化

アドレスについては「善意の基準局掲示板」から選択して使用しました。

http://rtk.silentsystem.jp/

手順2:受信状態の確認

⑥その他行った設定

4、評価結果

セットアップが完了した時に、評価ボードが起動して十分な時間が経過していれば

下図のように状態が表示されているかと思います。

              上記の画面を切り出してもう少しピックアップして取り上げてみました。

参考までにFLOATからFIXになった時の精度が下記になります。

5、まとめ

今回の結果からはEL.1Aを使用して、GPS/Glonass/Galileo/BeiDou/QZSSを補足出来ることが確認できました。

U-CENTERについては初めて触りましたので参考までにご活用頂ければと思います。

 

今回の記事でEL.1Aを使用するためのセットアップから補足までは理解頂けたかと思います。

後編ではロケーションを変えて精度についても見ていきたいと思いますのでお楽しみにしてください。

 

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