新人技術者の脳波測定記 ~アーチファクト① 電源ノイズ編~

はじめに

脳波ってなに?EEGってなに?何がわかるの?
そんな状況からスタートした新人技術者が実際にEEGをさわってみて感じたことを掲載する”新人技術者の脳波測定記”。

予備知識なしで挑む生の声をお伝えしようと思います。

アーチファクト① ~電源ノイズ~

環境に起因するアーチファクトの代表例として、電源ノイズが存在します。読んで字のごく、関東であれば50Hz、関西であれば60Hzの電源周波数が、脳波データに乗ってしまう現象になります。50HZ/60Hzはガンマ波の帯域と重なりますので、なかなかフィルターで取り除く手法を選択しにくい帯域です。現象を正しく理解し、どのように対策すればよいか考えてみましょう。まずは、EEGを用いてこの現象を確認してみましょう。

実験方法は、シンプルです。AC電源に接続されたEEGとバッテリー駆動のEEGでそれぞれ脳波を測定します。

グラフ1.AC電源に接続されたEEG
グラフ2.バッテリー駆動のEEG

測定結果は一目瞭然ですが、ノイズ幅をそれぞれ確認してみましょう。

グラフ3.AC電源に接続されたEEG

AC電源に接続されたEEGでは、ノイズ幅は約80uVあります。(グラフ.3)

グラフ4.バッテリー駆動のEEG

バッテリー駆動のEEGでは、ノイズ幅は約10uV以下となっています。(グラフ.4)このノイズ幅には、電源ノイズ以外のノイズも含まれています。この2つの波形の差が本当に電源ノイズなのか、FFTを用いて確認してみましょう。

今回は、実験設備が関東にあるため50Hz帯にフォーカスします。

グラフ5.AC電源に接続されたEEG(FFT)
グラフ6.バッテリー駆動のEEG(FFT)

左側のグラフ(グラフ.5)がAC電源に接続されたEEG、右側のグラフ(グラフ.6)がバッテリー駆動のEEGの測定データをFFTしたものになります。本実験より、今回の目的である”電源ノイズ”は脳波測定を行う上で考慮すべき事象であることが確認できました。

また、EEGがAC電源に接続されていない場合でも、EEGとPCが有線接続されており、PCがAC電源に接続されている場合も同様の現象が確認できましたので、EEGはバッテリー駆動なのにどうしても電源ノイズが取れないというケースでは、周辺の電源回りも確認頂ければと思います。

対策/対策必須度/対策難易度

【対策】
バッテリー駆動のEEGを選択する
それでもノイズがのる場合、システム全体を確認しACノイズが回り込む要因を排除する 

【対策必須度】
必須

【対策難易度】
容易

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