IoTなどで使用されるセンサがI2Cバスを備えていたり、FPGA搭載基板上で電源シーケンスや電源監視をするICがI2C規格に準じたPMBusを備えていたりと、I2C規格のデバイスを使用する機会が増えてきています。

なぜ、I2Cバスが使われているのか?

I2Cバスは、2本のシングルクロック(SCL)とシングルデータ(SDA)ライン配線のみでデバイス間の情報のやり取りができます。特にセンサのような小型デバイスにとっては、2線のみで接続しデータを取り出せるため使いやすいインターフェースです。

配線が減ることにより、基板配線の引き回しの自由度が向上します。基板上で電圧などをモニターしたり、いろいろな制御をすることが多くなっていますので、配線を減らすことは重要です。

電気的仕様VOLの確認が必須

通信プロトコルがI2Cバスの仕様に準拠していても、電気的仕様であるVOLがI2Cバスの仕様に準拠していないデバイスが存在するので注意が必要です。

VOLとは、Low-level Output Voltageの略で、デバイス出力のLow-levelの規定です。VOL = 0.4V と決まっています。
しかし、このVOLの規定を満足しないデバイスが市場に存在するため、選定の際は注意が必要です。

また、VOLの規定を考える場合は、VILを知っておく必要があります。
VILは、Low-level Input Voltageの略で、デバイス入力のLow-level規定です。受け取った信号が、デバイス内部でLow Levelと判定するしきい値です。VIL = 0.3 x Vccと決まっています。VILが、I2Cバスの仕様を逸脱していることは殆どありません。

図1は、マイコンとセンサがI2Cバスで接続されています。
この場合、センサはデータ出力側となるのでVOL規定を守る必要があります。マイコンは、センサのデータの受け側(入力)になるのでVIL規定になります。そのため、このシステムでは、センサのVOLの仕様確認が必要です。

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図1:マイコンとセンサの接続図

なぜ、VOL = 0.4V の確認が重要なのか?

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図1のマイコン側 VIL とセンサ側 VOL は、VIL > VOL + ノイズ・マージンの関係を満たす必要があります。

VIL = 0.3 x Vcc ですから、通信を正常に行えるノイズ・マージンは、次の式で表されます。

ノイズ・マージン < VIL - VOL = 0.3 x Vcc - VOL

VOL = 0.4V、Vcc = 3.3V の場合、0.3 x 3.3V - 0.4V = 0.59V となり、動作電圧マージンとして十分です。

しかし、VOL = 0.6V のセンサを選定した場合は、0.3 x 3.3V - 0.6V = 0.39V となりマージンが小さくなるので、誤動作の確率が高くなると考えらえれます。

このことから、I2Cバスに使用する信号を出力するセンサなどのVOL規定が、0.4V以下を満たすか確認することが非常に重要です。

VOL = 0.6V のセンサを使うための方法

しかし、実際の設計現場では、「評価中に通信エラーが発生するので、センサの電気的仕様をよく調べてみるとVOL = 0.6Vだった」ということがあります。その際に、代替え品を探してもVOL = 0.4Vと所望のセンサ特性の両方を満足する製品が無くて困ってしまうことがあります。

では、実際のアプリケーション開発において、VOL = 0.6V のセンサを使用するためには、どうしたら良いのでしょうか?

アナログ・デバイセズ社のI2Cバス・バッファ製品を使用することで、この問題を解決することが可能です。

LTC4313-1 を VOL = 0.6V のI2Cバスの仕様に準拠していない、デバイスとマイコンの間に入れることで、正常に通信をすることが可能になります。

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図3:I2C バス・バッファー ( LTC4313-1 )

LTC4313-1は、センサからのI2Cの信号を受けて、VOL = 0.4Vを満足する信号に修正して出力してくれます。
どうしても使いたいセンサが、I2Cに準拠しているか分からない時の必須アイテムとなっています。

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