前回の記事に続いて、今回はADUX1020の評価ボードを使って実際に動かしてみたいと思います。たった1つのLEDでジェスチャーを識別できるADUX1020について詳しく知りたい方は、前回の記事をご参照ください。
簡単!ジェスチャーセンサ:アナログ・デバイセズ社製 ADUX1020の紹介
評価ボード準備から、PCとの接続確認まで
用意するものは以下の3つになります。
- ADUX1020の評価ボード(ADUX1020-EVAL-SDP)
- Optical Gesture Evaluation Tool(Rev. 1.5.1) ※2017年6月現在
(アナログ・デバイセズ社のWebサイト ADUX1020の製品ページ からダウンロード) - Windows PC ※電源はUSBからの供給
オプションでLEDを複数使って判別距離を伸ばすこともできるボードもあるようです。(ADUX1020-EVALZ-LED)
こちらの評価はまたの機会にとっておきたいと思います。

それでは、Optical Gesture Evaluation Tool(Rev. 1.5.1)をインストールしてみます。
最初に以下の画面がでてきますが、なにも考えることなく3~4回クリックするだけであっけなくインストールが完了しました。

さあ、いよいよ動かしてみましょう!!
ADI_OpticalGesture_EvaluationTool を起動し、次に付属のUSBケーブルで評価ボードと接続します。
その後、「File」→「Connect」→「SDP ASIC Bridge(Debug)」をクリックするとドライバーのインストールを要求されましたので、言われるがままインストールします。

そしてもう一度「File」→「Connect」→「SDP ASIC Bridge(Debug)」・・・接続できました!!
ちゃんと接続した旨のメッセージもでてきます。

評価ボードはPCとの相性問題があったりして意外とトラブルことがあります。そんな時は頑張らずPCを変更することをお勧めします。横道にそれましたが、今回はすんなりです。うれしいです。
実際にADUX1020評価ボードでジェスチャーを認識させてみる
ジェスチャーモードで使う時は、「File」→「Load Cfg」で「004_ADUX1020_StandardR1.dcfg」を選択するみたいです。

次に「View」→「Off-Chip Analysis and Gesture view」で別Windowを立ち上げます。

キャリブレーションの実施
あとは上部の三角ボタン(Playボタン)を押せば動作開始です。
でもその前に以下のキャリブレーションを忘れずに・・・(最初忘れてて変なデータが出てしまいました・・・)

様々な表示形式の中から「LSLF Swipe Determination」を選択
いろいろな表示形式で確認することができるのですが、一番見た目に分かりやすい表示を紹介させていただきます。
「Gesture Analysis Algorithm」タブから「LSLF Swipe Determination」を選択します。
そうすると以下のような画面になりますので、クリックジェスチャーやスワイプジェスチャーを実行してみましょう。
文章での表現は難しいのですが、上方からADUX1020に向かって手を振りおろし10cmぐらいのところで止める動作(クリックジェスチャー)をすると真ん中の丸が青色に変化し、またADUX1020の10cmぐらい上を手で横にしゅっと動かす(スワイプジェスチャー)するとその方向の矢印が緑色になります。

15cm以内であればほぼ正確に認識できているようです。
(20cmを超えてくると認識精度が落ちてきます。このあたりはLEDの強化が必要になってくるかと思われます。)
8方向の矢印に変更するには
「Settings」タブの「Enable Diagonal」にチェックを入れると矢印が8方向となります。
この場合はきっちり手の位置を決めて動かし始めれば十分認識できていましたが、感覚的に手を動かすと若干誤った判別も見受けられました。人間の感覚とジェスチャーセンサでの判別結果とはそもそもずれがあるでしょうから、感覚とのキャリブレーション(使う側の慣れ)というアナログ的な要素もあるのだろう、と思いました。

最後に
以上、簡単に動作させてきましたが、評価ツールにはいろいろな表示モードがあり、まだまだいじりがいがありそうです。また、ADUX1020自体にもさまざまな設定がありますので、実際の使用環境に合わせた調整が必要であり、また今回言及しましたが、判別アルゴリズムについても検討が必要かと思われます。
使いこなしというところではこれからの評価が必要である一方、使いこなせればいろいろな可能性が見えてくるデバイスであると感じました。時間を見つけてさらにいじってみたくなる面白い体験でした。
最後に少しお役立ち情報を。
ツール上の「Help」→「Help Topics」でUser ManualのPDFが開きます。これは私の探す限りWeb上には置いていないと思われます。ツールの使いこなしに困ったときは、ぜひご一読を。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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