Odyssey MAX 10 Eval KitはFPGAやマイコン、センサをスマホで動かせる開発キットです

Odyssey MAX 10 Eval KitはアルテラのMAX 10 FPGAとブロードコムのWiced SMART BLEモジュール、シリコンラボラトリ―のEFM32マイコン、各種センサを組み合わせた、スマートフォンで制御できるIoT機器開発キットです。FPGAを手軽に触ってみたい方、何か試作品をスマホを使ってデモしてみたい方など、独自のハードウェアを作って遠隔で制御してみたいときにお勧めの開発キットとして、弊社米国子会社のMacnica Americasを中心に開発しました。

多彩な搭載チップ・センサ

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マクニカが取り扱う多彩な半導体やセンサーが搭載されています。

メインチップ

  • アルテラ MAX10 FPGA 10M08
  • サイプレス Wiced SMARTモジュール BCM20737S
  • シリコンラボラトリ― EFM32マイコン EFM32GG395F512


センサ

  • アナログデバイセズ 加速度センサ ADXL362
  • シリコンラボラトリ― 温湿度センサ Si7020
  • シリコンラボラトリ― 近接・照度・UV・ジェスチャーセンサ Si1147

Odysseyの構成

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BLE&Sensorボード

Odyssey Kitは主に2枚のボードでできています。
1枚目、上の基板がBLE&Sensorボードです。サイプレスのWiced SMART BLEモジュール、シリコンラボラトリーのEFM32マイコン、各種センサが搭載され、MAX 10ボードと裏のコネクタで接続します。USBコネクタは電源供給のほか、BLEモジュールやマイコンのファームウェアをアップデートしたり、FPGAのデータを書き込んだりするポートとして使用します。その他、EFM32マイコンの外部RAMとしてサイプレスのSRAM、FPGAのコンフィギュレーションデータやマイコンのプログラムを合わせた「パーソナリティ」格納用のSPI Flashが搭載されています。

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MAX 10ボード

2枚目、ベースの基板がMAX 10ボードで、アルテラMAX 10 FPGAが搭載されています。外部入出力は30ピンのDIP状ヘッダで、GPIOとADコンバータの入力が配線されています。その他、MEMSマイクが搭載され、FPGAのコンフィギュレーションに使うJTAGヘッダやDIPスイッチ、プッシュボタン、LEDなどもあります。

スマホアプリと連携

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iOSとAndroid向けにOdyssey Kitと連携するアプリが無償提供されています。それぞれAppStoreとGooglePlayでMpression Odysseyで検索していただくと見つけられます。BLE4.0以降に対応したスマホで動作し、正式にはiOS7以降、Android 4.3以降に対応しています。

具体的には、iPhoneの場合iPhone 5以降、Androidの場合、機種によりAndroid 4.2.2でもBLEチップを搭載しているものもありますが、これはスマホメーカ独自のドライバが適用されているようで、Androidの標準ではBLE4.0はAndroid 4.3以降からサポートとなっていますのでGooglePlay上では4.3以降を正式サポートとさせていただいています。(要するに4.2.2ではGooglePlayからはインストールさせてもらえません)

このアプリを使うことで、スマホとOdysseyを簡単にペアリングし、手元のスマホから遠隔でFPGAやセンサからのデータをスマホに表示したり、逆にFPGAやマイコンを動かしたりすることが可能になります。

「パーソナリティ」

Odyssey MAX 10 kitには出荷時に数種類の「パーソナリティ」が書き込まれています。「パーソナリティ」とはMpressionが作った独自の用語で、事前に用意された参照デザインとスマートフォンインタフェースのことで、MAX 10 FPGAやBLE&Sensorボード上のセンサーなどを活用した、特徴あるデザインを指します。このパーソナリティを使うことでキット上のセンサーリソースに容易にアクセスができます。アプリ上でそれぞれのパーソナリティの情報を表示でき、どのような機能を使ってどんなセンサやデバイスの情報を使うのか確認もできます。

Odyssey Web UtilityでGUIをカスタマイズ

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ユーザ登録後にアクセスできるOdyssey Web Utilityを使うとパーソナリティをカスタマイズできます。出荷時に書き込まれているパーソナリティを制御するGUIをカスタマイズしたり、新しく作ったFPGAデザインを元にしたパーソナリティを作ることも可能です。パーソナリティに名前を付け、表示させるボタンにコマンドを割り付け、表示するフィールドを設定。作ったFPGAをUtilityで取り込み、パーソナリティファイルを生成します。
USBケーブルをPCからOdysseyのコネクタに接続し、デバッグモードに入れるとTeraTermのプロンプトが立ち上がり、パーソナリティをBLE&Sensorボード上のFlashに転送できます。改めてスマホのOdysseyアプリからOdysseyとペアリングすると、新しいパーソナリティがロードされて、自分だけのIoTハードウェアが制御できるようになります。

コードを1行も書かずにスマホからハードウェアを制御できるアプリが作れる

Odyssey MAX 10 Eval Kitとスマホアプリ、Web Utilityを活用すると、ハードウェアエンジニアでもスマホと連携したハードウェアを簡単に開発することができます。まずは思いついたアイディアをOdysseyを使って実現してみませんか?


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