デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、あらゆる企業においてデジタル化の推進は喫緊の課題です。
とりわけ法規認証管理においては、主に紙のファイルやエクセルなどローカルで管理している企業が多く、さらにはベテラン社員の経験に依存している企業も多々見受けられます。
そのような中で、製品自体の多機能化やグローバル化による仕向け地の増加、アウトソースによる管理行程の複雑化などにより、法規認証の適切な管理が年々難しくなってきています。
最近では法規認証に関する企業のコンプライアンスの不祥事がニュースなどでも取り上げられ、企業の信用を損なうことにつながる場合があります。
本コラムでは法規認証管理の重要性、また法規認証の業務改善を支援するクラウド管理ツールによるDXの促進についてご紹介します。
法規認証管理の重要性
まずはじめに、企業が製品を取り扱うには、有する機能や仕向け地などにより様々な法規認証の取得が必要です。
製品の法規認証が取得できていない場合、必要な関連法規に順守していない企業として認知され、社内的な信用の低下に結びつくリスクがあります。
また、グローバルに展開している製品では、万が一法規認証の取得漏れが発生した場合、製品出荷が税関で保留され、納期遅延による機会損失に対して損害賠償など様々な問題に直面する可能性があります。
これは各企業が製品の法規認証を期限までに取得できないことや、煩雑化する法規管理業務における些細なミスなどが要因となります。
また、これらは珍しいことではなく、長年のキャリアを有するコンプライアンスエンジニアなら何度か経験をしている事例です。
さらに、各製品における法規認証管理は、国内外の顧客への製品の出荷において重要な役割を果たすだけでなく、今では企業のコンプライアンスにまで関わってきます。
各製品の法規認証における文書の有効性、品質、および可用性をまとめて検証し、認証業務を素早く行い出荷できるようにすることは、企業の責務とも言えるでしょう。
進むSDGs(持続可能な開発目標)
私たちは日々、パソコンやテレビ、電子レンジ、車など様々な製品に囲まれながら生活をしています。
しかしながら、規格に準拠していない製品や、不具合を起こしリコールにいたる製品があるのも事実です。
さらに、不具合を起こした製品は、残念ながら廃棄されることが多く、環境への負担も危惧されています。
国が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)には、12番目のゴールとして「つくる責任 使う責任」が明記されています。
この「つくる責任」には、製造業者が規格に準拠した製品管理を行うことが世界的な目標の一つとして定義されており、SDGsに取り組む企業において法規認証の適切な管理は非常に重要となります。
法規認証の過失がもたらす影響
法規認証における過失には、以下のような影響を及ぼす可能性があります。
収益の減少
製造メーカーなどにおいて、適切なコンプライアンス文書を準備することは非常に重要です。
適切なコンプライアンス文書を準備することができず、製品を出荷できないことは珍しいケースではありません。
コンプライアンス認証を裏付ける情報が欠如しているために、出荷予定であった製品が税関に没収され、見込まれていた収益を確保することができなくなるといった事例が多く発生しています。
ブランドイメージの低下
適切な法規認証管理を怠ったことにより発生する事故は、企業のブランドイメージに壊滅的な影響を及ぼす可能性があります。
近年では、消費者製品安全委員会(CPSC)にバランススクーターのリチウムイオンバッテリーの過熱、発火、爆発などが100件以上報告され、適切な法規認証を怠った製造メーカーによるリコールが発表されました。
これにより、製造メーカーのブランドイメージは著しく低下し、消費者離れの原因となりました。
社会的責任の追及
規格に準拠していない製品が市場に投入され、安全性や健康上の問題が発生した場合、企業への賠償金や責任者の懲役などが求められます。
エアバックの爆発による負傷事故の事例では、被害者が製造物責任に関する訴えを起こし、製造メーカー側にてエアバックの法規認証に不備があったことから、500万円の損害賠償の支払いが命じられ、社会的な責任を追及されることとなりました。
法規認証管理のDXを支援するクラウド管理ツール
このように法規認証管理は企業にとって非常に重要な業務となりますが、製品自体の多機能化やグローバル化による仕向け地の増加、アウトソースによる管理行程の複雑化などにより、適切な管理は年々難しくなっています。
そんな中で、これらの法規認証に関わる業務を包括的に管理できるのが、OnRule社の提供する法規認証業務に特化したクラウド管理ツールです。
OnRuleのクラウド管理ツールでは、製品、市場、レコードタイプ、および分野ごとにデータを整理し、必要なドキュメントを瞬時に検索することが可能です。
それによりファイルごとの管理ではなく、複雑化した規格の管理を1つのプラットフォームにて素早く適切に行うことが可能となります。
Onruleプラットフォームの機能
規格情報の更新においては、OnRuleが規制当局より情報を入手し、レター形式で規格情報のアップデートを行うAIシステムが搭載されており、必要な情報を遅延なく確認することができます。
さらには各種認証期限の可視化など、各ドキュメントの有効期限や期限切れに伴うリスクをグラフやマップ上に可視化します。
これらによりコンプライアンスリスクを未然に防ぎ、適切な法規認証管理を行うことができます。
しかしながら、自社でこのようなシステムを一から開発するには莫大な開発費用や期間、工数が発生します。
OnRuleのクラウド管理ツールでは、それらを最小限に抑え、迅速に最適な環境を構築することができます。
OnRuleのクラウド管理ツールは、法規認証管理におけるDXを推進し、適切な管理を行うための業務改善を支援します。
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