省エネ豆知識「熱の移動原理」

熱は高温から低温に移動する?

熱は高温から低温に移動し、自然に、低温から高温へ移動しない、という法則は、熱力学第二法則でまとめられています。
この第二法則では、クラジウスの法則、トムソンの法則などの幾つかの法則で説明されている為、表現の仕方は様々ですが、同値の法則となります。

では、なぜ、熱は高温から低温に移動するのでしょうか。
その説明をする前に、そもそも、熱とは何なのか、を把握する必要があります。

そもそも熱とは?

物体が発する熱とは、その物体を構成している原子や分子の運動が熱となっています。

例えば、物体を加熱すると、その加熱のエネルギーによって、物体の原子、分子がさらに活発に運動することになり、より高温になる訳です。
つまり、原子や分子の運動が活発になると、熱エネルギーが増加し高温になります。
逆に、物体を冷却すると、原子、分子の運動が小さくなり、熱エネルギーが低くなることで、低温になります。一般に、絶対零度(-273.15度)の状態が熱エネルギーの最低値です。

熱が移動する原理

これを踏まえて、高温の物体と低温の物体を接触させてみましょう。
接触前の高温の物体は、原子や分子の運動が活発ですが、低温の物体は、原子や分子の運動は緩慢です。

接触後、動き回っている活発な原子や分子は、低温の原子や分子と衝突することによって、これらの運動を少しずつ活発にさせていきます。つまり、低温の物体は少しずつ温度が上昇していきます。逆の見方をすると、活発な原子や分子は、衝突することによって、少しずつ運動が緩慢になっていきます。つまり、高温の物体は少しずつ温度が下がっていきます。

最終的には、高温の物体と低温の物体が同じ温度になり、熱の移動が終わります。このように熱のつり合いが取れた状態を熱平衡状態といいます。

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