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ギットハブ

GitHub - ユーザー事例 - 株式会社マクニカ

自社開発の強化に合わせて
「GitHub Enterprise Cloud」を導入
コードレビュー依頼時の工数が大幅に削減され
開発スピードの大幅向上と運用管理負荷の軽減が実現

株式会社マクニカ

株式会社マクニカ

1972年10月設立。以来、世界中の最新テクノロジー・製品に独自の付加価値を与え、国内外のものづくりを支援。「技術商社」として、顧客の潜在需要の掘り起こし、提案できる「デマンド・クリエーション型企業」として成長してきた。

Before
  • 新規プロダクトを自社で開発する上で、既存の開発環境である「GitHub Enterprise Server」では開発スピードやリリース頻度に対して課題があった
  • 社外の開発パートナーと連携する際には専用PCの手配が必要で、 開発人員のリソースの不足にタイムリーに対応できなかった
  • イントラネット内のGitHub Enterprise Server から AWS上の本番環境へのデプロイ/リリースのために、CI/CDサーバの用意・定期メンテナンスの障害対応が必要であった
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After
  • GitHub Enterprise Server → GitHub Enterprise Cloudと開発環境を 移行したことで、リリース頻度を3か月に1回 → 1週間に1回へ向上
  • 社外開発パートナー連携時に必要な作業はGitHubへのアクセス権限付与のみとなり、開発リソースの不足にタイムリーに対応可能になった
  • GitHub Enterprise Cloud利用によりAWS上の本番環境との連携が容易になり、CI/CDサーバメンテナンスの負荷が軽減し、リリース頻度向上に繋がった

自社ブランドの製品開発に取り組む中で開発スピードが課題に

「技術商社」として、世界最新の半導体、電子デバイス、ネットワーク関連機器、ソフトウェアなどの製品に技術的価値を加え顧客に提供してきたマクニカ。現在は、サービスソリューションカンパニーへの変革を目指し、自社ブランドの製品開発にも積極的に取り組んでいる。中でも、IoT、AI、DX 等のプロジェクトを事業化することで立ち上がったイノベーション戦略事業本部は、2020 年にAI 関連サービス「Re: Alize. macnica. ai」をリリースするなど、すでにAI 関連で多くの実績と知見を有しており、画像認識市場において製造、建設など複数の部門でシェア1位を獲得している。イノベーション戦略事業本部 デジタル事業開発部 プロダクト企画開発課長の森 理は「特に今年度はDX プロダクト開発において、『まずつくる』を重視して取り組んでいます。直近では『おまとめ忍者』というプロダクトを発表するなど、サービスソリューションの開発を積極的に進めています」と語る。

これまで同社では、開発を行う際にはインドのパートナーに委託するオフショア開発で進めるケースが多かったため、ソースコードを管理する機会があまりなかった。しかし、自社開発が増えるにつれ、ソースコードを自分たちで適切に管理する必要が出てきたのである。そこで他開発チームで採用していたGitHub Enterprise Server を用いていたが、開発スピードに課題が生じた。

「私たちの開発するプロダクトはAI の技術が多く組み込まれていますが、その精度を保証することが難しいという課題があります。一般的な開発では、特定のロジックに基づいて結果の予測が可能ですが、AI を利用するとその予測が困難になる傾向があるのです。また、ユーザーはAI を実務で使用した経験が少ないため、新たにプロダクトを導入した際、業務がどう変わるのかも判断できないのです」(森)

そこで、ユーザに実際にプロダクトに触れていただき、逐次フィードバックや要望を受けながら改善加えていきプロダクト開発を進めた。このような開発手法では、いかにスピーディに改善内容を反映し製品化するか、つまりリリース速度や頻度が重要になってくる。同社ではそれまでバージョン管理システムとして「GitHub Enterprise Server」を採用していたが、スピーディに製品の改善・リリースをする上で課題があった。そこで同社はGitHub EnterpriseCloud をはじめとする他製品への移行を検討することにしたのである。

開発メンバー間の連携のしやすさやAI のコーディング支援機能を評価し、GitHub Enterprise Cloudを採用

既存の開発環境では、GitHub Enterprise Serverを社内ネットワークに立て、GitHub Actions のSelf-hosted Runner を用いてAWS上の本番環境であるサーバにデプロイするパイプラインを組んでいた。しかし、 設定したパイプラインが正確に稼働するかの確認や Self-hosted Runner のメンテナンスが必要で、そのメンテナンス作業とそこにかかる時間が負担になっていたという。

「新しい開発環境の導入に際しては、今回採用した『GitHub Enterprise Cloud』に加えて2 製品を検討しました。GitHub Enterprise Cloudは当社の取り扱い製品ですが、そこはあくまで純粋なユーザー目線からメリット・デメリットを比較しました」(森)

比較対象となった2 製品のうち、某大手ベンダーの製品は、コードレビューをはじめとする開発メンバー間での連携機能に不足を感じたこと、検討を行った2022 年当時は生成AIによるコーディング支援機能の実装が未定であったことから脱落。もう一つの製品は、オフショアのパートナーも利用している製品でオープンソースのためコストは安く済むが、技術サポートのサービスがなく、メンテナンスは自身のみで実施する必要があった。また、こちらの製品も同様にAIコーディング機能がなかった。最終的に同社は、必要な機能が揃っていること、使い慣れていることなどの点を評価し、GitHub Enterprise Cloud の採用を決めた。

GitHub Enterprise Cloud への移行により開発スピード、運用負荷が 大幅改善、社外の開発パートナーとの連携もスムーズに

GitHub Enterprise Cloud 導入の効果としては、まず開発スピードが大きく向上したことが挙げられる。そもそもインド企業へのオフショア開発からGitHub Enterprise Server を用いた自社開発へ切り替えた時点で、現地とのやり取りに掛かる時間がなくなり、顧客に成果として見せられるものを開発するまでの時間が、3カ月~半年から1カ月程度に短縮された。さらにGitHubEnterprise Cloud へ移行したことで、リリースまでの時間がさらに短縮。毎週アップデートを提供できるまでに改善したのである。

社外の開発パートナーとの連携もよりスムーズになった。

「GitHub Enterprise Serverを利用していたときは、社内ネットワークに接続可能な専用PC をこちらで手配して協力会社に提供する必要がありました。その手配から配布までかなり時間がかかるため、今まさに人手が欲しいというときにもタイムリーに対応することが難しかったのです。これが、GitHub Enterprise Cloud へ移行したことで、社外の開発パートナー個人のPC へのアクセス権付与が可能なため社内ネットワーク専用のPC の手配が不要になりました。そのため、対象ユーザに対しGitHub の対象のリポジトリへアクセス権限を付与すれば、即座に開発に携わってもらえるようになりました。またクラウドサービスのため、新機能をリリースと同時に利用できることもメリットです。コード生成AI の新機能をすぐに試せるのはうれしいですね」(森)

実際、生成AI によるコーディング支援機能(GitHub Copilot)を活用することで、迅速なコード作成やレビューが可能になり、開発スピードは顕著に向上した。現在は、GitHub Copilot をどのように活用すると品質の高いコードが生成されるか、どのように使うと効率的な開発につながるか、各開発者が試行錯誤しながら最適な手法を模索しているという。

運用面でも大きなメリットが生まれている。GitHubEnterprise Server からGitHub Enterprise Cloudへ移行したことで、本番環境へのデプロイが容易となった。さらに、GitHub とAWS 間の連携ツールが豊富であり、これらを用いることでこれまで利用してきたCI/CD サーバなしでデプロイ可能となり、Git サーバとCI/CD サーバの監視やメンテナンスが不要となった。

「GitHub Enterprise Serverを利用していたときには、CI/CD サーバが数カ月に1回落ちることがあり、復旧に丸1日を要することもありました。結果、開発メンバーのスケジュールやリリース速度、生産性に悪影響が出たりしていました。また、GitHub Enterprise Serverでは定期的にバージョンアップやパッチ適用を行う必要があり、その度に問題なく立ち上がるのか心配しなければなりません。GitHub Enterprise Cloud に移行したことで、そうしたリスクも一切なくなりました」(森)

GitHubはソースコードを適切に 管理しつつ、効率的に開発をしたいユーザーにおすすめ

今後についてイノベーション戦略事業本部では、コーディング支援機能やアプリケーションセキュリティ機能のさらなる活用を検討している。

「先日、『GitHub Copilot Business』の機能としてエディタ内でGitHub Copilot とソースコードについて対話しながらリアルタイムのガイダンスを受けられる『GitHub Copilot Chat』がリリースされましたが、こうした新機能を積極的に取り入れていきたいと思います。また、コードに潜むセキュリティリスクを早期発見する『GitHubAdvanced Security』を取り入れ、高い品質を保ちつつ、リリース速度を向上できるようにしたいですね。昨今、自社製品のソフトウェアの内製化、自社開発への移行を進める企業も増えていますが、GitHub はソースコードを自社で安全に・適切に管理したいと考えているユーザーにお勧めできるツールです。また、新規事業の開発チームでは、経験の少ない分野に飛び込んで開発を求められるケースも多いと思います。そのような開発であっても、GitHub Copilot から支援を受けることで慣れていない開発へのハードルが下がるので、新規事業に携わっている方にもお勧めのツールです」(森)

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株式会社マクニカ  GitHub 担当

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