物流業界を革新!高機能モニタリングシステム「Macnica Tracks™」とは?【展示会レポート】

2024年9月10日から13日の4日間、東京ビッグサイトで「国際物流総合展2024」が開催されました。同イベントでは交易振興・技術の向上・情報の提供・人的交流などの促進などを目的に、物流関連のハードウェア・ソフトウェアが多数出展し、初日から盛況となっていました。本記事では、マクニカブースの催し物や展示物をご紹介します。

実演販売士のプレゼンテーション
マクニカのブースでは、実演販売士が物流業界の現況やマクニカの展示品を解説するプレゼンテーションを行いました。その熱量は、道行く来場者も思わず足を止めるほどのもの。まずは導入として、実際に行われたプレゼンテーションの内容をご紹介します。


物流業界の概況
いま物流における世界の市場規模はどんどん広がっており、2026年には620兆円にものぼると予測されています。さらに、2023年から2028年までの年平均成長率は4.5%。毎年順調に成長していくわけですね。国内の2026年の市場規模も26.2兆円と大きく、年平均成長率も3.6%と右肩上がりの予想です。

物流市場のなかには、年平均成長率が16%を超えている分野もあります。それは、冷凍食品や医薬品といったコールドチェーンモニタリングです。この分野には医薬品ならGDP(医薬品適正流通基準)、食品ならHACCPといった国のガイドラインが設けられているからです。ただ、輸送や保管のモニタリング需要はこの2つだけでなく、それ以外のさまざまな分野でも急激に高まっています。

しかし、物流業界には課題が山積みで、「じゃあ明日からモニタリングを導入しよう」とはいかないのが現状です。色々な項目がありますが、これらは「現場担当者への作業負担」「リアルタイムのデータ監視」「取得データの報告・保管」の3つに大きく分けられます。当日対処すれば問題なかったことでも、翌日になると取り返しがつかないこともあるので大変です。こうした問題は、現場担当者のアナログ管理が原因で起きていると考えられます。


課題解決に向けたモニタリングの大切さは理解しつつも、取り組むためには多くのコストがかかります。あるアンケートでは、トラック1台をモニタリングするために30万円以上の投資をしている企業が、全体の3分の1以上にのぼることが分かりました。100台分導入すると、3,000万円かかります。とんでもない金額です。

展示品の紹介
この状況、なんとかしたいですよね?お待たせしました!
いよいよマクニカから、低コストで簡単に導入できるのに、高機能なモニタリングシステム「Macnica Tracks™」が登場しました! これについて、分かりやすく簡単にご説明します。

一口にモニタリングといっても、トラッカー・ロガー・マルチセンシングなどさまざまな種類があります。たとえば、位置情報には強いものの温度や衝撃のデータを取得できなかったり、取得できるデータの種類は多いけれどコストが高いといった声も少なくありません。そのいいとこどりをしたのが、Macnica Tracks™です。今回は「簡単」「高機能」「低コスト」の3つのポイントに絞ってお話します。

まず「簡単」ですが、一言でいうと置く・運ぶだけで使えます。本体はLTE通信機能付きなので、配線や工事、スマートフォンやゲートウェイなどは不要です。つまり、配達員がスマートフォンやパソコンを操作して報告する必要はなく、Macnica Tracks™の本体を運ぶだけですべてが完了します。


次に「高機能」についてです。Macnica Tracks™は、Wi-Fi・GNSS・LTE 2Gによる位置情報の取得が可能です。位置情報の取得は一般的にGNSS(GPS)のみを使って行われますが、地域によってはそれだけだと不十分な場合もあります。しかし、Macnica Tracks™は世界中に無数にあるWi-FiのアクセスポイントやLTE 2G、つまり携帯電話会社の基地局を活用して位置情報を取得するため、正確性が飛躍的に高まるわけです。
さらに、コンパクトな本体に温度・湿度・気圧・位置・照度・衝撃を判別するセンサーを搭載しており、取得したデータはすべて自動的にクラウドに保存されます。

たとえば、あるお店でクリスマスのケーキを注文したところ、崩れた状態で届いたという悲しい事件が過去にありました。関係者はその原因を追求しましたが、アナログ管理であったがために突き止めることはできなかったそうです。次の画像は、荷物の温度の変化を確認しているところです。そのクリスマスのケーキもMacnica Tracks™で監視をしていれば、関係者が途中で温度の異常を察知して、事故を未然に防げたかもしれません。
対象の車両が交通事故に巻き込まれた場合などはドライバーに連絡して無事を確認をするはずですが、急ブレーキでは荷物の状態に気づかないこともあると思います。よく利用しているルートで揺れが生じているのであれば、別の道を通ったほうがよいでしょう。Macnica Tracks™があれば、こうした情報を検知して対策をとることができるのです。

盗難も、国内外を問わず解決すべき大きな課題です。最近は置き配も流行していますが、荷物が盗難に遭った場合は責任問題になってしまいます。海外では、ある商品を運搬していたトラックの運転手が偽物で、すべての商品がトラックごと盗まれたなどという事件もありました。お金に加えて顧客からの信頼も失えば、その影響は甚大でしょう。Macnica Tracks™では詳細な位置情報の検知によって荷物の移動ルートに異常がある場合も検知できますし、照度センサーで荷物がどこで開封されたかを把握できるので、仮に盗難されても追跡が可能です。

Macnica Tracks™はAPI連携も可能なので、現在ご利用中のシステムと合わせての活用もできます。グローバルSIMの内蔵により海外200カ国以上に対応、バッテリーは最大100日持続、フライトモード搭載と、国際輸送にも追加費用がかかりません。
さて、最後に「低コスト」についてです。これだけ色々な機能を搭載したMacnica Tracks™、気になるお値段は……。お問い合わせください! ただ、すでに類似サービスをご利用いただいているお客様はご満足いただいております!

医薬品や食品・冷凍食品、国際輸送における効率的な品質管理など、ユースケースもさまざまです。すぐにでもコールドチェーン業界に参入できるMacnica Tracks™、ぜひチェクしてみてください!(プレゼンテーション終了)






Macnica Tracks™の詳細
ここからは、Macnica Tracks™の詳細をご紹介します。

先述のとおり、Macnica Tracks™はQualcomm社製のモニタリング端末「QTSシリーズ(※本記事ではQualcomm®QTS110のことを指す)と合わせて利用する、輸送・保管状態モニタリング・追跡サービスです。医薬品・食品といったコールドチェーンに関わる商品をはじめ、精密機器や高級品といった、運搬時の状態変化に警戒が必要な場合には特にその効力を発揮します。具体的には、ユーザーの状況に応じて下記のようなニーズを満たすことができます。
【物流システム導入が必要な場合】
・位置/温湿度/衝撃検知などで“品質管理の効率化”を図りたい
・“盗難/紛失トラブルのリスク回避”を図りたい
【物流管理システムを導入済みの場合】
・コスト/システムの機能/業務効率/サポートに課題あり
・国際輸送の物流管理を行いたい

Macnica Tracks™ではQTSシリーズに搭載されたセンサーを通して、温度・湿度・気圧・照度・傾斜・落下・動作・明暗・衝撃といった、荷物に対する変化をリアルタイムに確認できます。たとえば下の画像は「傾斜」の変化が表示されているところで、線グラフが大きく上下していることから、ある地点で荷物が大きく傾いたことが分かります。配達の依頼主や受取人がこれらの情報を確認できる状態であれば、荷物をより安全に扱うことができます。

荷物の場所は地図に表示され、先述の各種データとともに一定時間ごとに記録されます。異常があった場合は地図上のピンの色で判別可能で、黄色がワーニング(上限に近づいている)、赤は逸脱(上限を超えている)を示しています。つまり、ピンが黄色になった段階でドライバーに連絡し、荷物に問題がないかをすぐ確認してもらうといった対処をとれるということです。また、「到着予測機能」を使えば受取人の元に荷物が届くおおよそのタイミングを知ることもできます。
なお、今回撮影した画面には表示されていませんでしたが、Macnica Tracks™では、たとえば荷主が受取人にも同じ情報を見られるようにするなど、権限設定の付与も柔軟に行えます。この機能は情報の透明性を高める観点でも重要になるでしょう。


ここまでをまとめると、Macnica Tracks™の特長は以下のようになります。
・情報を可視化して誰でも一目で管理状況が分かる
・遠隔地からリアルタイムにモニタリング可能
・シンプルな端末+クラウドの一元管理
・到着予測機能などの+α機能で作業効率UP
国際輸送も含むワールドワイドに対応した製品やサービスは選択肢が少なく、あったとしても多くのコストを要求されます。しかし、Macnica Tracks™は豊富なデータベースと高い技術力によって多くの課題をクリアしています。
プレゼンテーションでも説明のあったとおり、QTSシリーズは国際輸送にも対応しており、グローバルSIM対応のため海外200カ国以上で利用できます。通常、GNSSのみを利用した測位は地域によっては利用が難しいうえにセンサーの消費電力が多くなるため、移動距離が長い場合に活用しにくいことが短所となります。
一方、QTSシリーズは位置情報の取得にGNSSだけでなくWi-FiとLTE 2G(携帯電話の基地局)も利用しています。特に、世界中に70億あると言われているWi-Fiのアクセスポイントを介して測位することで端末の消費電力を抑え、最大100日程度の連続動作(※)が可能となっているのは大きな特長です。(15分計測&1時間ごとにデータ送信の場合)。Wi-Fiのアクセスポイントで測位する製品は他にも存在しますが、お客様からは「Macnica Tracks™の精度は他と比べて相当に高い」と評価をいただいています。

まとめ
今回は、国際物流総合展2024に出展したMacnica Tracks™やQTSシリーズについてご紹介しました。筆者は特別に画面を操作させてもらいましたが、クリックするだけでさまざまな情報を切り替えて見られるなど使いやすさは抜群で、画面の情報もスッキリしていて見やすいという印象を受けました。端末も置く(同梱する)だけとシンプルに使えるので、今後新たにコールドチェーンの管理を始めたいという方にも最適です。コストの面も含め、気になった方はぜひマクニカにお問い合わせください!
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