設備投資のコストダウンでお悩みの方にも!長距離伝送の勘所を解説しました
トラフィックの増加から伝送速度のアップグレードが進み、400G時代へ突入したと言われています。2023年1月25~27日に開催されたJANOG51 Meetingでも、当社のブースでは400Gの80km伝送のデモをご覧いただきました。その一方で、1G-10Gのラインナップも引き続き高い需要があり、当社にも「10Gで長距離を実現させたい」といったお声も多くいただいています。
2023年3月30日に実施したセミナーでは、そんなお客様が参考にできる内容をお届けすべく、Coherent社の10G BiDi/10G ER 光トランシーバーモジュール製品を用いた40km伝送を検証し、そのデモンストレーションの様子を解説しました。
本記事ではそのイベントレポートとして、40~80kmといった長距離伝送の勘所をご紹介したその内容の一部をお届けします。記事末尾には、本セミナーのオンデマンド動画と当日の資料をご案内しておりますので、ぜひご覧ください。
当日のアジェンダ
時間 |
内容 |
2023/3/30(木) 13:00-14:00 |
・JANOG51でのCoherentブース 動態デモのおさらい ・サードパーティーオプティクスとは ・デモンストレーション (1) 10G BiDiでのロスバジェット測定 (2) 10G ERでのロスバジェット測定 (3) 10G ZRでのロスバジェットについて ・本日のまとめ |
まずはJANOG51のおさらいを
JANOG51はちょうど-10℃と大寒波が到来し、富士吉田市に到着するまで苦労された方も多くいらっしゃいました。現地参加された2,196名から当社ブースにも多くの方にお立ち寄りいただき、「やっとお会いできました!」となかなか直接お会いできなかった方との初対面や久しぶりの対面ができた場面が多く見られました。
当社ブースでは、Coherent社のハイパワー版400G-ZRの動態デモを展示しておりました。80kmのペアファイバーを用いて信号をループバッグさせ、その際のエラーやONSRの様子をご覧いただきました。セミナーでは、ブロック図を用いてデモ構成を詳細に振り返りました。
セミナー参加者の実態を調査!
本編の前に、今回はセミナー中にリアルタイムで皆さんのご利用環境に関する3つの質問をさせていただきました。
① 普段使っている光トランシーバーモジュールの伝送速度は?
1~10Gの方が67%と今回の参加者の中ではやはり一番多く、次に25~100Gが33%、と200G以上をメインでお使いの方は少ないようでした。
② 光トランシーバーモジュールの利用環境において必要な伝送距離は?
こちらも数kmをメインに使っている方が一番多く58%となりました。今後長距離伝送の実現を視野に入れている方々が今回のセミナーに参加されていたのではないでしょうか。
③ サードパーティーオプティクスは導入済みでしょうか?
サードパーティーオプティクスの導入状況は、約半数の方が導入済みという結果になりました。
貴重な生の声を聞けたことで、参加者の方同士でも互いの状況を把握できる機会となったのではないでしょうか。アンケートにご回答いただいた皆様、ありがとうございました!(Q1,2 n=12、Q3 n=13)
改めて、サードパーティーオプティクスとは
元々はGAFAが導入しはじめたと言われ、日本でも数年前から急拡大しているのでご存知の方も多いところではありますが、改めてサードパーティーオプティクスについてご紹介しました。
従来だとスイッチベンダーから光トランシーバーモジュールも併せて調達していたところを、スイッチと光トランシーバーモジュールを別々のベンダーから調達するという仕組みになっています。こちらのパートでは、純正品からの切り替えにはどんなメリットがあるのか、なぜマクニカがCoherent社の光トランシーバーモジュールを推しているのかを詳しく解説しています。
10G長距離製品を大検証!
今回考察・検証したのは、10Gの製品の中でも30km品のBiDi、40km品のER、そして80km品のZRを使用しました。
1.30km品のBiDiは、40km以上飛ばすことができる?
BiDi(Bi-Directional)製品とは、通常の光トランシーバーモジュールと違い光ファイバーの本数が半分になっています。そのため設備投資の削減に繋がり、コストダウンでお悩みをお持ちの方にも検討いただきたい製品です。
まずはデータシートから考察をおこない、BiDi製品は公称値の30km伝送が可能なことを確認しました。しなしながら、もう少し飛ばすことができるのでは考え40km伝送ができるかを検証してみました。さらには、光アッテネーターを加えた場合はどこまで耐えられるのか、その際に考慮しなければならないPath Penaltyについても詳しく検証・解説しました。
2.40km品のER Duplexならば、実測の伝送値は?
続いてはER(Extended Range)製品を使用した40km品であり、データシートでの机上検証だと65km飛ばせることが考察できました。では、実際に40kmファイバー、60kmファイバー、80kmファイバーを使用して系を組んで検証をおこなった結果をご紹介しました。
3.80km品のZRも机上検証しました
最後の検証はZR品で、公称値の80kmよりどれほど長く伝送ができそうなのか、データシートからの考察をご紹介しました。
簡単なご登録でオンデマンド動画・資料をご覧いただけます
本記事では、当日ご紹介した3種類の10G製品を使用した様々な検証を簡単にご紹介いたしました。オンデマンド動画や資料では、さまざまなパターンの検証結果をブロック図の解説だけでなく、GUIの様子や使用機器も丁寧にご紹介しているので、詳細をご覧いただくことが可能です。
セミナーの最後にはCoherent社の新製品「100G ZR QSFP28 DCO」についてもお話ししていますので、見逃してしまった方や参加者の方で復習したい方もこの機会にぜひ、下記フォームよりご登録いただきご参照ください。