技術基準適合証明取得までの道のり 第1話「技適を取ろう」

マクニカではTexas instruments社(以下、TI社と記載)の様々な無線ICおよび無線モジュールを取り扱っています。TI社の無線製品の場合、BLEやWi-Fiについては既に技術基準適合証明(以下、技適と記載)を取得済みのモジュール製品及び、評価ボードがあるのですが、Sub-GHz帯域の製品のみ日本国内での技適が取得されていませんでした。

LAUNCHXL-CC1310

そこで、「LAUNCHXL-CC1310」というSub-GHz帯域に対応した評価ボードの技適をマクニカで取得しました。今回の記事は連載形式で、技適取得について調べている方や、実際に技適の取得を考えている方向けに、技適取得までの道のりを3回に分けてご紹介します。

技術基準適合証明取得までの道のり 第1話「技適を取ろう」
技術基準適合証明取得までの道のり 第2話「書類の準備」
技術基準適合証明取得までの道のり 第3話「試験実施」

技適を取得した評価ボードについては、以下の記事をご覧ください。
LAUNCHXL-CC1310は 超低消費電力でSub-GHzの長距離無線通信を実現可能!

なぜ技適を取得する必要があるのか

この技適ですが、もし技適マークの付いてない無線機を使用すると電波法という法律に違反となる場合があります。ただし、一部の無線機は除きます。今回用意した「LAUNCHXL-CC1310」は技適が取得されておりませんので、電波暗室や電波暗箱の外で使うと違法となってしまいます。そのため、今回この製品で技適を取得してみることにしました。

そもそも、なぜこの技適が義務付けられているかというと、多くの人が効率的に電波を利用できるようするためです。電波は使用するチャンネルや送信出力、無線機の技術基準など様々なルールが設けられており、このルールを守ることにより電波を効率的に利用できるようになっています。このルールに従っていることを証明するためのものが、技適マークです。

CC2650STKの技適ラベル
CC2650STKの技適ラベル

技適マークが付いていない無線機の中には、これらのルールに従っていないものもあります。このような無線機を使用すると、他人の通信に影響し、効率的に電波を使用できなくなるという問題があります。そのため技適の認証が必要とされています。

技適の取得は総務省の登録を受けた登録証明機関で行う

テュフ ラインランド ジャパン株式会社

今回の取得には、電波法を始め、様々な規格に対する認証や審査等を行っているテュフ ラインランド ジャパン株式会社 様を利用させていただきました。

テュフ ラインランド ジャパン株式会社 様は、無線LANなどの無線機器の認証を行う、総務省の登録を受けた登録証明機関です。

写真は技適を取得した場所である、テュフ ラインランド ジャパン株式会社 様のテクノロジーセンター(GTAC)です。写真右下に見えるのは、ドイツから運んできたベルリンの壁とのことでした。

なお、無線の認証としては以下の2つの認証があります。

技術基準適合証明
(通称「技適」)
検査機関に個々の機器を持ち込み、電波法の技術基準に適合しているかどうかを審査して証明する。
工事設計認証 任意の1台を審査、および試験を行う。主に大量生産製品用の型式認証を行う。一般的には先に技適を取得し、量産時に工事設計認証を取得する場合が多い。

 

どちらも基本的に認証手順は同じですが、提出書類が異なるようです。今回は上の技術基準適合証明を申請してみました。

また、テュフ ラインランド ジャパン株式会社 様では認証だけでなく、認証に必要な資料作成に関しても的確にアドバイスしていただけたので、始めての技適取得でしたが、スムーズに取得まで行うことができました!
皆様も技適取得でお困りの場合には、相談してみてはいかがでしょうか。

テュフ ラインランド ジャパン株式会社
http://www.jpn.tuv.com

技適取得に必要な準備については第2話で紹介します

次回、第2話「書類の準備」では、無線認証を取得するために、どのような機材や書類を準備し、進め方をするのか具体的に記載しているので、ぜひご覧ください!

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LAUNCHXL-CC1310
※本評価ボードは国内の技適認証を取得しておりませんので、お客様の判断でお使いください。

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