ゼロからわかるAIエージェント×データ基盤|Databricks Agent Bricks入門ガイド
2025年「AIエージェント元年」:業務変革の潮流
AI活用は従来のチャットボットから「意思決定・アクションまで担うAIエージェント」へ進化しています。
人中心・相談役だったAIは、今や「自律的に情報収集・判断・実行」するエージェントとして、社内の多様なシステムと連携。
人はAIの判断を確認・承認するだけで業務が進む未来が現実味を帯びています。
AIエージェントとは、状況を理解し、意思決定を行い、実際に行動を起こすことができるAIのことを指します。
これまでのAIは、基本的に「人の業務を支援する立場」でした。たとえば、「これどうすればいい?」とチャットボットに聞いて、その回答をもとに自分で社内情報を集めたり、内容を整理してドキュメント化したり、そうしたプロセスは最終的に人が担っていました。
ですが今後は、社内のさまざまなシステムがAIエージェントと連携し、AIが自ら必要な情報を取得して、アクションを実行するようになります。「人間はその結果を確認し、承認するだけで業務が進む」そんな未来が現実に近づいてきていると言われています。
このように、AIが単に“会話する存在”から“自ら動く存在”へと進化している、それがまさに今のAIエージェントの大きな潮流です。
デジタルおよびリアルの環境で、状況を知覚し、意思決定を下し、アクションを起こし、目的を達成するためにAI技法を適用する自律的または半自律的なソフトウェア
この動きを後押ししているのが、企業におけるAI活用のデータ構造の変化です。PwCの調査によると、生成AIで扱われるデータのうち7割以上が社内業務データになっています。オープンな情報を使うだけではなく、売上データや在庫データ、アプリケーションログなど、自社固有のデータをAIに活用させることで、より実務的なアウトプットを生み出そうとする企業が増加しています。
PwC Japanグループ、「生成AIに関する実態調査 2025春 5カ国比較」、、2025年7月14日閲覧
この流れの中で、AI Agentは“自社データを使って自律的に動く存在”として注目されていますが、同時に「データ品質・ガバナンス・アクセス管理」といったポイントも押さえていく必要があります。
具体的なユースケースと導入効果
AIエージェントは、情報の「探索・判断・実行」を自動で行うことで、社内のさまざまな業務を効率化することが可能です。
例えば、
- カスタマーサポートでのナレッジ検索・問い合わせ下書き生成
- 営業やマーケでのリードスコアリング・提案書ドラフト化
- 人事業務の評価・レポート作成やサプライチェーンでの需要予測
- 教育現場での学習支援・リスク分析
など
複数の専門AI(マルチエージェント)を連携させることで、「高度な課題解決」「高速・柔軟な処理」「拡張性/運用容易性」を同時に担保できます。
ユースケース例:マルチエージェントシステムの運用フロー
例として具体的なユースケースをご紹介します。
利用者:カスタマーサポート担当者
利用シーン:出荷遅延や在庫不足などに対する問い合わせ対応
- AIエージェントに状況共有および代替案の提示を指示
- AIエージェントは、CRMやOMSなどの社内システムから必要な情報を参照し、どの専門AIに処理を依頼すべきかを判断(例:分析特化のエージェントが過去の傾向を分析し原因を特定)
- 配送最適化エージェントが具体的な配送計画を提案
- 価格/補償政策エージェントが最適な顧客保障プランや価格を自動で調整
- AIエージェントがそれらの実行結果をまとめ、担当者に提示
ユースケース例:サプライチェーン領域のカスタマーサポート
開発環境
最後に、AIエージェント活用で満たすべき「データ品質・ガバナンス・アクセス管理」というポイントを押さえながら、AIエージェント開発可能なソリューションをご紹介します。
データ・インテリジェンス・プラットフォーム:Databricks
データの収集・加工・分析からAIモデルの構築・運用までを単一のプラットフォームで実現可能です
また、最新機能である”Agent Bricks”を用いることで、「課題定義→モデル選定・チューニング→AIシステム自動構築→運用最適化」までを自動化できます。
主な機能と特徴:
- ノーコードでAIエージェント構築・連携(Lakehouse上のデータ活用も可)
- 「情報抽出」「カスタムLLM」「ナレッジアシスタント」「マルチエージェント対応」など柔軟なユースケース展開
- セキュリティ・ガバナンス強化(権限管理やデータ履歴も可視化)
- 実行制御やガードレールでAI判断の安全性・説明性を担保
- モデルの継続的な自動再学習で性能・品質を改善
- サーバーレス方式&最小限課金(非稼働時はscale-to-zero)
Agent Bricksは、AIエージェント開発工程の多くを自動化し、現場・事業部門の要件と効率的な連携を促進します。
<Databricksの特長>
<Agent Bricksの特長>
まとめ:AIエージェント開発で押さえるべきポイント
AIエージェント活用で重要なのは
- 自社で保有している業務理解・ナレッジ共有も含めて、AIエージェント基盤整備を進めていくこと
- 「高品質データ確保」「ガバナンス設計」「セキュアなアクセス制御」のポイントを抑えること
です
AIエージェントの構築や運用をシンプルかつ柔軟に実現できる新しいテクノロジーを活用しながら、データ品質やガバナンスにも配慮しつつ、業務現場でのデータ活用や自動化を進めることで、業務改革を進めてみてはいかがでしょうか。
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